寄付 2020年8月7日 20:00

京都大学 パスツール研究所 ご挨拶

皆様、はじめまして。

京都大学医学研究科の松田文彦と申します。
7月14日のフランスの革命記念日に、在東京フランス大使館のローラン・ピック大使ほか多くの皆様のご支援を受けて、この基金を立ち上げることができました。
その後3週間という短い間に、73人もの方々にご賛同とご寄付をいただきまして、心から感謝いたしております。ほんとうにありがとうございました。

我が国では現在COVID-19感染者の増加に歯止めがかかりませんが、症状が出てPCR検査を受けた人たちの何倍も多くの感染者が隠れていることが指摘されています。
そういう人たちは不顕性感染と呼ばれていますが、その数を明らかにするためには、COVID-19の原因となるウイルスSARS-CoV-2に対する抗体を持っているかを調べる抗体検査を高い精度で行うことが不可欠です。
現在抗体検査に使われている検査キットは、検出力に問題があり、国が6月上旬に東京、大阪、宮城でおこなった調査でも、結果に曖昧な点が多く残っています。

私達は、感染症研究で100年以上にもわたり世界をリードし続けてきたフランスのパスツール研究所との共同研究を長く続けております。
そういった長期間の信頼関係を通じて、今回パスツールで新規に開発され、フランス人を対象とした試験で極めて精度の高いことが確認された抗体検査法を我が国に導入する合意を得ました。
まずはそれを用いて京都大学病院の医療従事者の感染の実態を明らかにし、日本人に対する有効性が検証され次第、調査の対象を一般住民にも拡大し、我が国のCOVID-19の感染症対策に貢献していきたいと考えています。

今後このブログで、我が国のCOVID-19感染の現状と、感染拡大を防ぐ対策で何が足りないのか、なぜ精度の高い抗体検査を実施するべきなのかなどについて、私なりの考えを紹介させていただきます。
頻繁に更新というわけにはまいりませんが、時間がある限り情報を提供させていただきます。

最後になりましたが、あらためまして今回の基金にご賛同いただきましたことに、深くお礼を申し上げます。
どうかひき続き、よろしくお願い申し上げます。

京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター
松田文彦

 



続いて、パスツール研究所感染症機能遺伝学ユニット長、アナワット・サクンタバイ教授からのご挨拶を掲載させて頂きます。



COVID-19の発生により引き起こされた困難な状況下にもかかわらず、COVID -19対策に関わる日仏国際共同研究に対して大きなご支援いただきまして、心からお礼申し上げます。
いただきましたご寄付は、Covid-19の蔓延を防ぐために、京都大学病院の医療従事者の血清学的検査を実施するためにありがたく使用させていただきますが、生物医学分野に横たわる多くのギャップ(溝)を乗り越えるために計画されているより広範な日仏共同研究を推進するための大きな支えともなります。

現在、革新的な技術を実用化し現場に導入するに際して、乗り越えなければならない溝が多数存在します。パスツール研究所は、ウイルスの生物学研究の長い歴史の中で様々な発見を重ね、またそれに基づいた多くの革新的技術を生み出してきました。しかしながら、そういった革新的技術から生まれる新たな製品を世界の人達に手頃な価格で提供することは、依然として困難です。政府からの支援は常に限られていますし、工業界から支援を受けて生まれた製品は人々が容易に手を出せない価格が設定されてしまいます。

皆様からいただきましたご寄付で、基礎科学・橋渡し研究*・公衆衛生学の間の溝、学界と産業界の間の溝、社会科学と生命科学の間の溝、そして最後に、東西の溝、例えば日本とフランスの溝を埋める重要な戦略を開始したいと考えております。 

今後は本研究の進捗状況に加え、より野心的な「Bridging Gaps」計画の新たな展開について、常に最新情報をお届けします。
皆様のご支援は、私達が「違い」を生み出すための大きな支えとなります。ご支援に心より感謝いたします。


パスツール研究所感染症機能遺伝学ユニット長
京都大学特別招聘教授
アナワット・サクンタバイ

(日本語文責:松田文彦) 

* 基礎研究の成果を病気の診断や新たな治療法や薬剤の開発に活用することを目指した研究

 

「日仏共同研究による新型コロナウイルス感染症対策基金」(募集期間:7月14日〜9月30日)https://www.securite.jp/ac/UKyoto2/

 

松田教授ブログ 
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