ゆっくり、いそげ?~セキュリテ自由帳~

ゆっくり、いそげ?~セキュリテ自由帳~

sugi2019年11月14日 18:45

アバコとケンジ

アバコからケンジのことを聞いたのは、今年の2月頃でした。
若くて才能があるけど、まだCDを世に出す機会に恵まれていない、ペルー生まれの日系人アーティストがいて、何とか当社で支援できないか、という話でした。

「アバコ」というのは、現在、「Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド」を募集中のペルーの貯蓄信用協同組合Abacoのことで、「ケンジ」というのは、当社が今まさにCD制作を手掛けているシンガーソングライターのKenji Igei (ケンジ 伊芸)のことです。

アバコからは、ケンジがどういう人間で、なんでアバコとして支援したいか、というとても熱い思いがこもったメールが併せて送られてきました。
一部を抜粋してご紹介すると、

「Because of that experience(沖縄の宜野座村に海外移住者子弟奨学生として滞在した経験のこと) he realised how much he have to love and value his japanese - okinawan heritage and composed a song that let him express the gratitude he felt inside.」

「We should help Kenji becacuse he shares the same philosophy and values that Abaco and Music Securites do, to look for people's development. He has a major cause, purpose and believe than just to be famous or do what he likes.」

「当社としても応援しよう」と、社長の小松が即決でリーダーシップをとり、3月には小松とKenjiもスカイプ会議を行い、4月には私が初めてペルーで対面し、アバコの協力体制のもと、ケンジのCDプロジェクトが始動しました。

実は最初、アバコやケンジは、当社がクラウドファンディングを通じて、彼のアルバム制作費用を集めてくれないか、と考えていました。しかし、アバコやケンジと話す中で、当社として、今回のファーストアルバムについては、クラウドファンディングではなく、当社自身が制作費用を負担することに決めました。当社として、このアバコとケンジとのCDプロジェクトをとても大切に考えています。CDの具体的な内容については、また別の機会に詳しく紹介しますので、どうぞお楽しみに!

現在募集中のアバコの「Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド」の募集期間は、今月末、11月30日までとなっております。
皆さまから集めた資金は、ケンジの音楽活動を支援するために使われるわけではありませんが、アバコというのがどういう会社なのか、当社とアバコがどういう関係で、どういう思いでペルーの事業を進めているのか、ということの一端が、ご理解いただけるエピソードではないかと思い、今日はご紹介させて頂きました。

一般的にファンドには、様々なリスクがありますが、アバコのファンドに関して、私が一つ言えることは、これは遠い海外のファンドではありますが、「明日連絡がとれなくなるリスク」というのが、ほとんどないな、ということです。当社とアバコの間には、企業の哲学というか、アイデンティティーの部分での共感がベースとしてありますし、当社とは2013年から継続して、ファンドの営業者ということだけではなく、ペルーにおけるパートナーとして信頼関係を構築してきました。もちろん為替リスクなど、見逃せないリスクもありますが、当社がアバコに対して持っている信頼感については、投資家の皆さんにも安心していただければと考えています。

まとまりのない文章になってしまいましたが、どうぞアバコとケンジを、今後ともどうぞよろしくお願いします。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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2019年4月。ペルー・リマのアバコのオフィスにて。初顔合わせ。

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2019年11月。東京の当社オフィスにて、音楽事業部メンバーと制作中のCDについての打ち合わせ。

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楽曲に込めた思いを説明するケンジ。

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2019年11月。東京都内のペルー料理店、荒井商店にて。左から2番目がアバコの部長のミヤシロさん。
 

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sugi2019年10月22日 06:20

「インパクト投資」を考える (2)

私の書いた「インパクト投資を考える」というブログ記事を受け、投資家の通称 m@(エムアット)さんが「インパクト投資が生み出すのは金銭的価値と社会的価値だけじゃない」という記事で応えてくれました。それを読んで以降、それとなくずっと考えていたのですが、最近の動向も踏まえ、ここで一度、「インパクト投資を考える」の続編をまとめたいと思います。
 

インパクト投資が投資家にもたらす価値


詳細は記事を読んで頂きたいのですがm@さんは、インパクト投資は、金銭的価値、社会的価値に加えて、投資家個人の人生にも価値をもたらすものだということ、インパクト投資は、自分を成長させてくれる存在にもなりえるものだと書かれています。

m@さんのこの仮説というか実感について、複数の投資家の方から同じようなことを聞いたことがあります。投資先を視察するツアーや事業者さんの話を聞くイベントに参加し、その事業の背景や課題、取組みなどこれまで知らなかった事業を、さらには経営者やスタッフの方との交流から、働き方や生き方を学び、中にはm@さんのように投資先に転職する人もいます。

セキュリテが10年前に提唱していた「コミュニティリターン」は、私の理解ではそうした価値も内包したものでした。この場合のコミュニティは、投資家自身を含む、その事業に関わるコミュニティで、今でいう「関係人口」(※)の範囲が、当社が想定していたコミュニティの概念に近かったと思います。

(※)「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のこと。

投資家も事業者と一緒になって事業を盛り上げていく、そして事業がうまくいけば、自分にもリターンが戻ってくる。この時のリターンには、金銭的リターンとコミュニティリターンがあり、金銭的リターンは全投資家で均等ですが、コミュニティリターンは、投資家自身がコミュニティの一員として積極的に関われば関わるほど、自身への見返りが大きくなると考えられます。

m@さんや上述の他の投資家の方達は、まさにこれが当てはまる方達でした。しかし、大多数の投資家の方には、そういったリターンを受けている実感はないでしょう。すべての投資家や事業者の方に、当社として何かイベントなどの機会を提供できているわけではありませんが、これがセキュリテを支えるコアなファンの方にとって重要な部分だとすれば、リアルなイベントだけでなく、オンライン上のコミュニケーション等も含め、投資家のファンド事業への参加機会やコミュニティの創出も含め、いま一度、優先順位を上げて取り組む必要があると感じました。

一方で、性質は変わりますが、当社のファンドの多くに設定している投資家特典も、コミュニティリターンの一つであると言うことができます。投資家特典は、事業でつくった商品などを投資家にプレゼントするケースが最も多く、非売品なども含まれますが、金額換算が比較的しやすく、セキュリテでは例外を除き、1口価格の20%を上限に特典が設定されています。

ここまでをまとめると、セキュリテの投資により、投資家自身が直接得るリターンは以下のようになります。

投資家が得るリターン
・金銭的リターン(分配金など)
・非金銭的リターン(投資家特典や学び・成長・精神的充足など)

非金銭的なリターンのうち一部は、いわゆるインパクト投資において考慮される社会的リターンとオーバーラップする部分があると考えられますが、特典や事業者との交流を通じた学びなどは、セキュリテ独自の価値と言えます。
 

インパクト投資に関する意識調査


ここで話題を少し変えて、社会変革推進機構と合併し、社会変革推進財団となったSIIF(元・社会的投資推進財団)より10月4日に公表された「社会的インパクト投資に関する一般消費者意識調査」の結果を少しご紹介します。

「インパクト投資」について多少でも知っている人 6.8%
「インパクト投資」という言葉を聞いたことがない人 81.9%


これは国内初の実態調査ということですが、この結果を皆さんはどのように思われたでしょうか。8割以上の方が聞いたこともないというのは、ほとんどの方が知らない、ということですね。「クラウドファンディング」という言葉が出てきた初期を思い出しました。今でこそ「クラウドファンディング」という言葉を知っている人が過半数を超えている、という調査結果もあったりしますが、10年前にはほとんど誰も知りませんでしたので、インパクト投資はまだそういうステージだということですね。

続いて、もうひとつ紹介したい結果がこちらです。

経済的リターンが低くても投資する 11.0%
経済的リターンが他の投資商品と同程度なら投資する 62.5%


金銭的リターンが低くても投資する層が11%というのは、私の実感値にも近いです。セキュリテの投資家にも、該当する方は多いと思いますが、当社のファンドの場合は、社会的インパクトに加えて、特典などそれ以外の非金銭的リターンも考慮した上で、金銭的リターンが低くても投資をする、というのが実態だと思います。

調査の結果を見て思うのは、経済的リターンを他の投資商品と比較して投資する62.5%の層にどうアプローチし、投資してもらえるようにするかが、今後、インパクト投資を広げていく鍵になるだろうということです。仮説としては、この層は経済的なリターンを重視しますが、これは言い換えれば、経済的に合理的な判断をするということなので、利回りだけに限らず、社会的なインパクトの部分や、それ以外の非金銭的なリターンについても、分かりやすく数値化、金額換算ができれば、インパクト投資に向く割合が増えるとも考えられます。

なお、もしかしたら誤解を生んだかもしれませんが、ここではインパクト投資の実際の利回りの話はしていません。実際のところ、インパクト投資の利回りが低いか、高いかの話は、また別の機会にしたいと思います。
 

SOCAP19への参加

最後に共有したいのが、本日10月22日から4日間にわたりサンフランシスコで開催される「SOCAP (Social Capital Markets) 」というカンファレンスについてです。私は今月は、主にアメリカ西海岸にいるのですが、ちょうどいいタイミングでしたので、初めて参加してみることにしました。インパクト投資関連のセッションを中心に、女性 ラテンアメリカ、ブロックチェーンなどをキーワードに、セッションに参加してきます。 

「インパクト投資」というのは海外で生まれた概念ですが、そこから十数年が経ち、今海外のプレーヤーがどのような取り組みを行い、課題を抱えているか、確認したいと思います。

では、行ってきます!


<参考情報>
・SOCAPについては、当社のSIBファンド(SIBは、ソーシャルインパクトボンド(Social Impact Bond)の略)のパートナーでもあるケイスリーさんが、2年前の10周年大会に参加された際のレポートを書かれていますので、ぜひご参考にしてください。
 ▶SOCAP17イベントレポート(https://www.k-three.org/blog/socap17

・SIBファンドについては、また改めてご紹介したいと思いますが、まずは以下をご覧ください。
 ▶セキュリテSIB
 ▶国内初の広域連携型「ソーシャル・インパクト・ボンド」を組成-広島県および県域6自治体と広域連携にて成果連動型の官民連携手法を導入-

・セキュリテの償還済みのファンドの償還率は、検索ページから確認できます。
 ▶検索結果の一覧はこちら

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年10月11日 03:49

セキュリテの「信託」による分別管理

当社が出資者や事業者の皆さまからの出資金及び分配金をどのように保管しているかは、あまり知られていないと思います。
とても大切なことですし、正しく知って頂きたいので、特に目新しいことがあったわけではありませんが、今日はここに紹介しようと思います。

以下は、当社のウェブサイトからの抜粋になります。
 

信託による分別管理

出資者の皆様からお預かりした出資金は、当社の銀行口座で受け取った後、週に1回、三井住友銀行を受託者とする信託口座に送金され、そこで当社の財産とは分別して管理されます。その後、事業者様のファンド専用口座に送金されます。

事業者様からの分配金は、事業者様から信託口座に直接送金され、再び分別管理されます。信託口座内の分配金は、支払留保金として、ファンドやストアの購入に利用していただくことができます(詳細はこちら)。出金のご指示をいただいた場合には、当社の銀行口座を経由せず、信託口座から直接出資者の皆様の銀行口座に送金されます。

信託口座内の金銭は倒産隔離されており、差押え等の対象とはなりません。また、当社に万が一のことがあった場合には、支払留保金は、受益者代理人である公認会計士を通じて、受益者である出資者の皆様に支払われます。

このように、当社では信託を用いて出資者の皆様の資金を大切に管理しております。

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信託設定をしているというのがポイントですが、日頃、投資信託には投資しているという人でも、「信託」がどういう意味なのか、あまりピンとこないのではないでしょうか。

一般社団法人信託協会の説明(詳細はこちら)を借りて、少し補足しますね。(()内は私が追記しました)

「委託者(当社)は、自分が持つ財産を契約などにより受託者(三井住友銀行)に託します。これを「信託する」などといいます。
信託すると、委託者(当社)の財産の所有権は受託者(三井住友銀行)に移転し、受託者(三井住友銀行)が信託された財産の所有者となります。この点が、他の制度にはない、信託の最も大きな特徴です。」

「信託された財産は、受託者(三井住友銀行)のもとで受益者(出資者)のための財産として管理・運用することになります。
委託者(当社)および受益者(出資者)への大きな責任を負う信託銀行等の受託者(三井住友銀行)には、信託法や信託業法などの法律に基づいて様々な厳しい義務が課せられているため、信託した財産は安全に管理されます。」

実は、当然のことながら、このサービスを維持するためには、費用がかかります。信託口座の残高に応じて、手数料がかかり、それは全て当社が負担しています。(以前、当社が、出資者の皆さまが引き出さずに置いている分配金から、利息を得ているのではないかという指摘・問い合わせがありましたが、それは大きな誤解で、預金の利息よりはるかに高い手数料を当社はお支払いし、皆さまの資金を守っています)

もう何年も前になりますが、当社では、出資者の皆さまの資金を安全に管理することを第一に、いち早くこの仕組みを取り入れました。
そして、この取り組みは、非常にユニークで、この仕組みを導入しているクラウドファンディングの会社は、日本に限らず、世界的にみても、とても珍しいです(私調べ)。

ただ、安全に管理はされていたとしても、支払い留保金として、口座に置いたままでは、せっかくの資金が活きることはないので、支払い留保金をお持ちの会員の皆さんには、ぜひ次のファンドへの投資を検討していただきたいな、と思います。

募集中のファンドの一覧はこちら:

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

 

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sugi2019年9月30日 19:55

「日本文化の継承とさらなる発展を目指す」ファンド

「日本文化の継承とさらなる発展を目指すためのファンド」である。
大阪・河内長野にある温泉旅館、南天苑の山﨑社長が、自社のファンドについて話すときは、いつもこう説明してくれました。

南天苑は、東京駅や日本銀行本店を設計した辰野金吾氏が手掛け、国の有形文化財にも登録された本館を持つ、大阪・河内長野にある温泉旅館です。

古い建物を維持するのには補修などにお金がかかりますが、それが文化財としての指定も受けているとなると、部材等にも制約があり、なおさらです。銀行融資を活用しながら、屋根や壁の修理(=文化の維持、継承)をしていた南天苑ですが、旅館を事業として、発展的に運営していくためには、集客につながる新たな投資も必要でした。

そこで利用したのがセキュリテのファンドでした。2014年、稼働していない離れを一棟貸の露天風呂付き客室に改装する費用をファンドで募集し、長年の夢であった露天風呂付き客室「清流亭」を完成させました。

ファンドは現在運用中で、5年間の会計期間のうち、まもなく4年目が終わります。このタイミングに、あらためてこのファンドについて、皆さんに知って頂きたく、動画を作成しました。南天苑の魅力や、ファンド募集当時抱えていた課題、清流亭を通じて実現したかったこと、銀行融資とファンドの違いなど、社長と女将さんにお話いただきました。清流亭の美しい映像と併せてぜひご覧ください。



本動画の公開後、山﨑社長が、【あまみ温泉 南天苑ファンド 御礼】という投稿をしてくださいました。この中で書かれていますが、実は、清流亭には当初の事業計画を上回るペースでお客様にお越しいただいています。
本当に素晴らしいところですので、ぜひ多くの方に清流亭にご宿泊頂ければ幸いです。

ファンドは2020年末で会計期間が終了し、2021年に償還予定です。どんな結果になるか今から楽しみです。私も投資家の一人なので、なんとか償還するまでに清流亭に宿泊したいと思っています。
(なお、ファンドは、清流亭へのご宿泊が増えると、投資家への分配も増える仕組みになっています)


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■「あまみ温泉南天苑ファンド」の詳細はこちら(ファンドの募集は終了しています)
■「清流亭」の詳細・ご予約はこちら

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

<動画制作>
企画・撮影・編集:杉本
ナレーション:加藤
インタビュー:杉山

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sugi2019年8月30日 16:40

「インパクト投資」を考える

先日、セキュリテで2009年に募集したファンドが10年間の時を経て償還した。株式会社トビムシの「西粟倉村共有の森ファンド」だ。10年間のファンドというのは、当時も今も変わらず、事業者さんにとっても、投資家にとっても、当社のような運営会社にとっても、いろいろな意味で一大事だ。

ただ、実を言うと私自身は、このファンドのことを、ミュージックセキュリティーズに転職する前に、第三者的な立場で知った。 「先人たちの思いをつなぐ『百年の森林構想』を、個人が小口で10年間のファンドで支えることができる」というセミナーでの竹本社長の話に、ただ純粋にとても感動したのを今でもはっきり覚えている。そして、その感動は、当時は途上国のマイクロファイナンスのことしか関心の無かった私が、こういうファンドを扱う会社であるミュージックセキュリティーズに転職を決める大きな理由の一つにもなった。なので、私はこのファンドに対して思い入れがある。

しかしながら、どうせ分かることでもあるし、公開もしているので、償還結果をお伝えすると、残念ながらこのファンドは、出資金額を超える分配ができなかった。つまり、元本割れのファンドとなってしまった。

<償還率>
「西粟倉村共有の森ファンド2009」(2009年4月募集)の償還率:77.81%
「西粟倉村共有の森ファンド2010」(2010年6月募集)の償還率:66.16%
※償還率は出資金額に対する分配金額の割合。

この事実は受け止めるしかない。だが、その上で、では、事業自体はどうだったのか。分配金という投資家への金銭的リターンとは別に、このファンドによって実現しようとしていたことはどうなったのか。その答えを探しに、先日、西粟倉村まで行ってきた。

そして、その答えを動画にまとめたので、ぜひ見てほしい。特に投資家の方には、皆さんの投資のその先で、この10年間にとても大きな価値が生まれていたことを知ってもらえたらと思う。


 

トビムシと投資家がもたらした価値


すぐに動画を見られない人のために、その答えを端的に示す言葉を下に紹介しておきたい。「西粟倉村共有の森ファンド2009」を募集した当時はこのファンドの営業者である株式会社トビムシの取締役で、今は株式会社西粟倉・森の学校の代表を務める牧大介さんが話してくれた言葉だ。
 

「10年間でこの西粟倉村で34社新しくローカルベンチャーが生まれ、そこで200人近い雇用が新しく生まれて、売り上げの合計としては15億円ぐらいまで村の経済も成長してきた。
 
この西粟倉村の経済は(略)森を起点に成長することができたことは間違いなくて、森を起点にして経済が成長していくっていうのは良質な人の繋がりが沢山ここに蓄えられて、応援してくださる方がいて、いいお客様になってくださって、社員になってくれる人たちもいてって中で経済ってのはできてますから、本当にファンドメンバーの方々が起点になって、お金を出していただいただけではなくって、色んな大事な人の繋がりが集積していったこの10年だったと思います。」(9’28~)


セキュリテでは、数年前から「インパクト投資」のプラットフォームであることを掲げている。「西粟倉村共有の森ファンド」を募集した頃には、インパクト投資という言葉は使わず、経済的なリターンと「コミュニティリターン」の両方を重視する投資だと説明していたが、当時も今も意図するところは変わらない。

今回、現地に行き、「百年の森林構想」を取り巻く大きなエコシステムの中で、ファンドが寄与したのは西粟倉村の成長のごく一部であったとしても、トビムシのファンドを通じた取り組みは、地域に少なからぬインパクトをもたらしたのだということが、私には実感できた。この動画を通じて、私が見て、聞いてきたことを投資家の皆さんに共有できればと思う。


仕組図
 

絶えず挑戦を続けること


上述の株式会社西粟倉・森の学校は、トビムシや西粟倉村、村民が出資してつくった会社で、トビムシが進めていた「共有の森事業」を支える事業の一つだが、2010年には「ユカハリファンド」を募集した。これについては、牧さんはこう振り返っている。
 

「創業から赤字の会社に銀行もお金を貸してくれない中で、ユカハリファンドで応援していただいた方々のお陰で倒産をせずにすみ、売り上げが伸びて黒字転換に向かっていく中で増資もできて債務超過も解消していって今も安定した経営ができているし、(略)10年間潰れずに済んだし、今も成長できている。その一番苦しい時に沢山の方に応援していただいた支えていただいたのがユカハリファンドでした。」(5’49~)


また、トビムシが進めていた事業の中に、間伐材を使った割り箸の製造・販売を行う事業があり、実はユカハリファンドより前に、関連会社のワリバシカンパニー株式会社が「ワリバシファンド」を募集したこともあった。

結果的に、ユカハリファンドはプラス償還し、ワリバシファンドはマイナス償還した。

<償還率>
「ワリバシファンド」(2010年9月募集)の償還率:87.95%
「ユカハリファンド」(2012年9月募集)の償還率:122.24%

西粟倉村の「百年の森林構想」を支えるトビムシの「共有の森事業」において、2009年からのわずか3年の間に、3つの異なる営業者がそれぞれ違う事業にチャレンジし、4つのファンドを募集した。こういう言い方は不適切かもしれないが、償還結果を見れば、投資家にとっては、4ファンド中、1勝3敗で負け越しだ。

しかし朗報は、ここで試合が終わったわけではないということだ。西粟倉村での10年は、まだたったの10年だ。ようやく種まきが終わり、これから芽が出て育つ段階だ。事業をあきらめず、続けていく限り、負けは確定ではなく、挽回できる。もしかしたら、後から振り返れば、それは97勝3敗の最初の3敗に過ぎなかったと言える日がくるかもしれない。

前人未到のチャレンジにはリスクはつきものだ。セキュリテのインパクト投資にもリスクは伴う。元本が割れることもままある。審査では「リスクが高い」というそれだけの理由で、審査を中止することはない。それは同じリスクの高さでも、リスクの性質によって、セキュリテとして許容できるものと、できないものがあり、また、投資家個々人によっても、その線引きは異なるからだ。

「自分が直接事業をすることではできないけど、自分に代わって、この事業者さんにチャレンジしてほしい」と思わせる事業が世の中にはあること、そういう事業に対して、人は時に元本が割れるリスクに関わらず、投資で応援しようとすることが、これまでの経験の中で分かっている。

そうした時に、プラットフォームの役割として大切なことは、投資家がそのリスクを自分で負ってもいいリスクかどうかを自分で判断できるだけの情報をしっかりと開示できるかどうかということだろう。そして、事業者にとっては、リスクを承知でも、それでも投資をしたいという個人を事業の仲間として集められることが、プラットフォームの魅力になってくる。

と、ここまで書いて、昔の牧さんへのインタビュー記事を思い出した。
成功には、リスクを承知で応援してくださる方々が不可欠 森の学校 牧代表 インタビュー(2012年9月14日)

長くなったが、トビムシや西粟倉・森の学校には、まだまだこれからも果敢に挑んでいってほしい。そして、私たちは「リスクを承知で投資をしてくれる仲間」を集めるお手伝いを、投資家にきちんと金銭的にもプラスのリターンを出せる時まで続けていきたい。そのためには、プラットフォーム自身に高いレベルの信用が求められるということも肝に銘じたい。募集時から償還時まで、審査からモニタリング・監査・IRまで、私たち自身も、事業者と投資家の皆さまの期待と信頼に応えられるよう、理想のインパクト投資プラットフォームの実現のためのチャレンジを続けていきたい。
 

西粟倉アプリ村民票


最後に、取材にご協力頂いた、ファンドの出資者でもあり、現在、西粟倉・森の学校の事業部長でもある坂田さんからのリクエストにお応えして紹介するのが、「西粟倉アプリ村民票」だ。登録すると、村の情報が届いたり、西粟倉のイベント等でIDとしてもつかえる「アプリ村民票」が発行される。私も既にアプリ村民だ。皆さんも是非どうぞ!

▶​「西粟倉アプリ村民票」の詳細はこちら


(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

<動画制作>
企画・撮影・編集:杉本
ナレーション:加藤
インタビュー:杉山

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sugi2019年7月31日 23:31

日本人移住120周年の国から

先日、眞子さまがご訪問されたことで、その事実を初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
今年は、日本人がペルーに初めて移民として移住してから、120周年の年にあたります。

ペルーが皆さんにとって、距離的にも、心理的にも、とても遠い国だろうということを、私はよく理解しています。
私自身を振り返っても、仕事でペルーに関わる以前はそうでしたし、今でも、距離については慣れるということもなく、出張で行くたびに、その遠さにはクラクラしてしまいます。

でも、そんな遠い国に、今のように簡単に通信や往来できる技術もない時代に、おそらく十分な情報もないまま、日本から移住した先人たちがいて、現地で生活基盤を築き、今日まで脈々と暮らしてこられているということに、驚きと畏敬の念を禁じえません。
私たちが想像もできないご苦労があったことでしょう。

言葉も通じず、他に頼れる人もいない異国の地で、お互いに支えあい、生活や事業を進めるために始めたのが、日本の「頼母子講(たのもしこう)」と言われる相互扶助の金融であり、これがAbacoの前身となりました。
そして、今のAbacoにも、そのDNAが脈々と受け継がれています。

私は、これまでのセキュリテの海外のファンドを見てきていますが、特にAbacoが、顕著に違うなぁ、と思うことがあります。
それは、セキュリテの出資金が、「祖国」日本からの、日本の個人の皆さんからの資金であるというそのこと自体に、とても大きな意義と喜びを感じているということです。(Abacoには日系人以外のスタッフもたくさんいますが)。

先日届いたAbacoの副社長のヘルマンからのメッセージを聞きながら、私はそんななことを思いました。
前置きが長くなりましたが、日本語字幕の準備も整いましたので、ぜひ、ご覧ください。
(Youtubeの字幕機能をオンにして視聴ください。字幕機能の詳しい説明はこちらをクリックください。)


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本日は以上です。まだミャンマー滞在中ですがペルーの話題をお届けしました。

本ファンドは、ペルーの中小零細事業者を支援するファンドですが、同時に、ペルーの日系コミュニティへの敬意と連帯の気持ちを表すために出資する、という参加の仕方もあってもいいのではないかと思います。
ぜひご検討ください。

【ファンド詳細はこちら】
Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド


(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年7月28日 11:45

お料理、雰囲気、コンセプトのすべてが素晴らしいレストラン

今日は週末ですので、前回の続きは、また改めてするとして、少しセキュリテとは離れた話題を書きたいと思います。
出張からの帰りの日に寄った、あるレストランのお話です。

「行ってみたいレストランががある」と、MJIの加藤さんに言われ、やって来たミャンマーのバガンにある「Sanon」というこのお店。
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一見すると、観光地によくある外国人向けのちょっと高いけど、お洒落なレストランという感じのお店です。
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実際に、何も知らずに食べて帰っても、十分に満足するだろうお料理とサービスを提供しています。
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(私は連日のミャンマー料理に少し胃腸が疲れていたのでチキンバーガーを選択)

しかし、なんとこのお店、「トレーニングレストラン」という、職業訓練のためのレストランで、経済的な理由から高校に行けなかった等、不利な状況に置かれた貧困家庭の若者たちのために、1年間、食住付きで、調理や接客、英会話などをレストランでの実践を通じて教え、就職活動の支援やその後のサポートを行うためのレストランだったのです。
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(ランチ営業がひと段落したタイミングで、マネジャーが皆を呼び、調理や接客についての注意点等をフィードバックしている様子)

食事のあと、自身が料理長というこのレストランのマネージャーの方が、厨房や英語レッスンの様子を見せてくれました。
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厨房はピカピカに掃除されていてとても清潔感があり、英会話のレッスンは、ネイティブの先生による少人数のクラスで、その日は「メニューに載っているお料理の素材や特徴をお客様に説明する」という実践的なレッスンが行われていました。
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一人一人英語で自己紹介をしてくれました。
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このこたちの笑顔とひたむきに働く姿をみて、なんて素晴らしい取り組みなんだ!!!、とこのブログにも紹介することにしました。
この事業、2016年から若者の受け入れを始め、現在、3期生が訓練中ですが、レストランの売り上げだけでは、まだまだ採算ラインには届いていないそうです。
特に今がそうですが、雨季など観光のローシーズンには、集中的に訓練ができるという反面、売り上げ的には厳しいとのこと。
皆さんも、もしミャンマーのバガンに行く機会のある方がいましたら、ぜひ行ってみてください。
胃袋だけでなく、とてもハッピーな充足感に満たされます。
Sanon Training Restaurant

こういう取り組みを知るにつけ、ファンドの募集期間の最終日に加藤さんがファンドニュースに書いていたメッセージが思い出されます。
以下に引用しますね。
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MJIが目指す世界「貧困によって涙を流す子供がいない世界」に向かって

その世界を実現するため、
マイクロファイナンスを通じた事業、家計の向上
情報ギャップ改善を通じた金融知識と教育投資の向上
ファイナンスで改善できない課題へノンファイナンシャルサービスによるアプローチ

マイクロファイナンス業界の現状に改善と改革を求め続ける
自分たち自身に改善と改革を求め続ける

貧困によって流される子供たちの涙がなくなる日まで走り続けます。
世界の中からそんな悲しい子供がいなくなるように、まずはミャンマーから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちょっと水を差すような話になりますが、マイクロファイナンスというツールは、当然と言えば当然ですが、「貧困によって涙を流す子供たち」に直接アプローチするものではありません。
親や世帯の所得向上を通じて、間接的に子供たちに恩恵をもたらすツールです。

なので、こうしたトレーニングレストランの取り組みなど、直接、子供たちのメリットにつながるような、マイクロファイナンス以外のアプローチがどんどん生まれて根付くことが、MJIが掲げる目標の達成のためには、とても大切だということですね。

加藤さんもそういうことをすべて分かった上で、こういうお店に積極的に足を運んだり、接点を持とうとしているのだと、私なりに理解をしました。
MJIも、ファイナンスで改善できない課題に対して、情報誌「Mango!」の発行など、ノンファイナンシャルサービスによるアプローチにも積極的に取り組んでいますが、引き続き加藤さんには、美味しいジュースや食べ物で十分チャージをしてもらいながら、こんな写真のような笑顔で頑張ってもらいたいですね。

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(食後にフレッシュメロンジュースを飲む加藤さん)


(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年7月25日 11:30

MJIのオフィスにて

この日はほぼ一日、MJIのオフィスにて過ごさせていただきました。

こちらのオフィスは、お客様への貸し出しなどは行っておらず、会社全体の財務、会計、総務、営業統括、IT、内部監査、人事、広報・CSR等のスタッフが15人ほど勤務しています。

この日は、5名のスタッフが、新支店の開設準備のため、PAKOKKU(パコック)エリアに出張しており不在でした。

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私がいたので皆さん緊張していたようで、普段より静かだったようですが、一面全面が外に面してガラス張りで、あかりがたっぷり差し込む明るい室内で、和やかな雰囲気で業務にあたっていました。

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この日、加藤さんは社内報用の写真撮影のために、広報担当の指示でピンクの服に。支店やスタッフが増えてくると、社内広報も必要になりますね。

翌日は、早朝に出発し、長距離バスで10時間かけて、私も加藤さんと一緒にPAKOKKUに向かいました。そう、PAKOKKUは、加藤さんがファンドニュースの中で、不動産探しの様子を紹介していたこちらのエリアです。
https://www.securite.jp/fund/detail/4884?a=17

果たして、新オフィスの契約はできたのか!?
結果が楽しみですね。
夜には、先に現地に来ていたスタッフと合流し、本日の打ち合わせと食事をしました。

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本日は、新支店の採用面接などを予定しているのですが、わずかな告知期間の間に、30名もの応募があったそうです。

聞いたところ、告知方法は、ほぼFacebookのこちらの投稿のみ。
https://www.facebook.com/472642992843601/posts/2318931264881422?s=632865283&sfns=mo

なんと46シェアされています。そもそも人口も少ない地方のエリアなのに、驚きです。
こちらの地域の労働雇用環境やどんな方が応募されているのか、気になりますね。

また後日、ご報告いたします。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)
 

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sugi2019年7月23日 11:30

ミャンマーへ

昨日の午後、ミャンマーに着きました。
2週間、滞在予定です。
ミャンマーと言えば、そうです。
先日、募集を終了した「LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1」のMJIがあるのです。
このファンドで集まった4,000万円を超える資金を、新たに開設する支店での融資の原資とするための準備が、着々と進んでいます。
この2週間、そんなMJIの加藤さんやスタッフの皆さんの様子に密着し、私の視点からこちらの様子を少しでもご紹介できればと思います。

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こちらは、部屋の窓からの1枚。
現在、こちらは雨季で、昨日私が着いた時も、日本の梅雨のようなしとしととした雨が降っていました。
ヤンゴンの第一印象は、想像以上に発展していることと、緑が多い、ということでした。
雨に濡れた緑は、幾分ボリュームを増した感じがして、少し圧倒されました。

では、今日はこの辺で。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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sugi2019年7月5日 02:00

肥育屋の技術 ~半分購入・半分投資ファンドのご紹介~

セキュリテで初めてとなる「半分購入・半分投資」のファンドとして募集を開始した「いわて門崎丑牧場 門崎丑と遠野牛ファンド」。
このファンドの募集にあたり、いわて門崎丑牧場の千葉社長へのインタビューをまとめた動画を公開中です。

この動画の中で私が特にお見せしたい部分をご紹介します。
 
~動画より抜粋(55秒あたりから)~ 
市場の中で必ずしも誰が見てもいい牛は買わない
ちょっと今形が悪いとか、ちょっと発育が悪いとか、そういう牛を選んで買ってます
それは牛そのものの能力が悪くて牛が小さいのか、それともその牛を育てた人の管理の能力が低いのか、それを見極めて私は買い求めます。
トップの牛を買うのは誰でもできますから、そうじゃなくて手のかかる牛をそういう安価な牛を揃えてます。
牛のいいところをいいなりに、いい方向性に持ってけるってことが、肥育屋の技術だと思うんで、それを私はずっと貫いてます。



これをお聞きした時、すごいな、すごい自信だな、と思いました。牛の肥育期間は、2年半ぐらいです。その間、手がかかること込みで引き受けて、最高に美味しいお肉に育てる、簡単にできることではありません。

畜産業界の最大の課題は、収益性の低さだと私は考えています。セキュリテでも、これまでに牛に関するファンドはいくつもありましたが、ファンドをつくる度に直面したことは、ほとんどの事業者さんが、子牛価格の高騰に悩まされているということでした。子牛価格の高騰は、事業性すら危うくするほどのインパクトを持っていました。

5年ぐらい前、私がざっくり理解したところでは、肥育農家の事業モデルはこんな感じでした。1頭の子牛の仕入れに50万円、2年半育てるのに飼料や人件費等で40万円、併せて90万円のコストがかかり、販売価格は100万円、粗利としては10万円程度しか出ない。そんなビジネスでした。

この数字は、正確ではないにしろ、遠からず、の数字だったと思います。そして、当時、50万円ぐらいと聞いていた子牛価格は、今や70万円~80万円まで高騰しています。そうなると、その費用を販売価格に転嫁できない限り、生産者はすぐに赤字になってしまいます。

以下の参考情報に記載の独立行政法人農畜産業振興機構(alic)の資料より、「粗収益と生産コストの推移(肉専用種)」を見てみてください。赤いラインの生産コストは、子牛代と肥育代込みの金額であり、青いラインの粗収益は、牛(肉)が市場でいくらで売れたかの価格ですが、このグラフを一見して気付くのは、ラインが交差することがあるということです。
つまり、実際に赤字の事態が起こっているのです。

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   (出所:alic)

2年半、手塩にかけて育てた牛が、投入した資金より、安い価格で販売されてしまうのです。こんなこと、あっていいのでしょうか。
今の仕組みでは、残念ながら、生産者に価格決定権がないのです。こうした畜産農家のおかれた現状にいつもショックを受けていました。

<参考情報>
「畜産をめぐる情勢(牛肉・肉用牛関係抜粋)」 2018年11月、農林水産省生産局畜産部
「畜産の情報『肥育期間短縮に取り組む黒毛和種肥育経営』」、2016年12月、独立行政法人農畜産業振興機構(alic)

説明が長くなりましたが、だから、いわて門崎丑牧場の千葉社長から、目の前の牛を指して、それが36万円で買った牛であること、今の子牛価格が大体70万円だから半分であることを聞いた時に、心からすごいな、と思ったのです。36万円は、「訳アリ」価格なわけですが、その「訳」が何かを見極めることができるのが、「肥育屋の技術」というわけです。

子牛の購入価格を抑えることができれば、それだけで他の生産者より利益率が上がります。そうなると、会社に利益も出ますが、同時に、直接販売をする場合には、より競争力のある価格で卸すことができるようになります。

ここで、ようやく「半分購入」の話になりますが、今回の「半分購入・半分投資」では、1口30,000円(取扱手数料抜)のお申込額につき、15,000円が出資金として、15,000円がいわて門崎丑牧場のお肉セット(卸価格で15,000円相当、税・送料込)購入分として営業者へ支払われます。

注目すべきは、「卸価格」です。普通に1万5千円相当で想像するより、はるかにたくさんのお肉になると思います。パーティーなどで使って頂いてもいいですし、適切な量をお送りするため、複数回に分けての発送を予定しているので、量についてはご安心してお申し込みください。

最後にちょっと、セキュリテ裏話を。

実は「半分購入・半分投資」の構想は、大分前からありました。「半分寄付・半分投資」の被災地応援ファンドをつくった、ちょっと後には、社内に半分購入のファンドをつくりたい、という声はありました。いろいろな事情から、これまでつくらないできたにも関わらず、今回に限って、やってみようとなったのは、ひとつは、いわて門崎丑牧場さんの牛肉のクオリティに間違いがないという事実、そして、それを投資家の方にまずは十分食べてみていただきたいと思わせられたこと、あとは、ここだけの話ですが、やはり当社の担当者の熱意というのも大きかったかな、と思いました。担当者が熱心になるファンドは、つまり事業者さんが良いからなので、結局は事業者さんが良い、という話に戻ってしまいますね。

このように満を持して登場したセキュリテ初の「半分購入・半分投資」ファンド。
いわて門崎丑牧場 門崎丑と遠野牛ファンドの詳細をぜひご覧ください。

(ミュージックセキュリティーズ・杉山)

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