被災地応援ファンド
2019年3月6日 07:29
【千代の園酒造 熊本米「華錦」ファンド】熊本の水・米・酵母で作るお酒を発信
先日行われた「セキュリテ熊本地震被災地応援ファンドセミナー2019」。
123年の歴史の中で、全国でも純米酒ににこだわってきた千代の園酒造が
熊本米「華錦(はなにしき)」での酒造りに込める想いとは。
当日参加がかなわなかった方にもお届けしたく、記事にしました。
どうぞご覧ください。
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こんばんは。熊本県山鹿市からまいりました、千代の園酒造株式会社の本田と申します。
今日は、私たち千代の園酒造と、今私たちがやっている熊本米「華錦(はなにしき)」ファンドについて少しお話しできればと考えております。

熊本県山鹿市、このオレンジ色のところで、私たちは酒造りをしております。
こちらが地元の観光で実際に使っているマップなんですけど、ちょうどマップの右下あたりに千代の園があります。このマップ、真ん中に豊前街道という道が通っていることが分かります。
こちらは江戸時代のメインストリートで、参勤交代にも実際に使われていた道です。

また山鹿市には菊池川という川が流れておりますが、この菊池川の水運を利用して農作物の運搬等がされておりました。
江戸時代、山鹿市というのは農作物の集散地でもあり、お米の商いにすごく便利なところだったと聞いております。
そんな山鹿市で千代の園、本田家はもともと米問屋を営んでおりました。米問屋を営んでいたんですが明治29年に本田喜久八(きくはち)が酒造りを始めたことが、千代の園の酒造りの始まりです。
ただいま123年目と言うと、皆さん「長いですね」と言われるんですが、先ほど通潤さんももっと長かったように日本酒業界はちょっと、長い会社が多くてですね、123と言ってもまだまだ若輩者です。
こんな千代の園で、今写真に写っているのが4代目の社長本田雅晴(まさはる)です。私が長女で、5代目の予定となっております。
千代の園は特に、お米や純米酒についてこだわりを持って日本酒をつくっております。
今この会場に、日本酒についてあまり詳しくない方もいらっしゃるかもしれないので、まず「純米酒」について簡単にご説明いたします。
純米酒というのはお酒をつくるときに、白米と米麹、それから水だけを使用して作ったお酒のこと言います。
たとえばお酒のラベルを見たときに、米と米麹以外に醸造アルコールとか糖類と書いてあったらそれは純米酒ではなく、逆にラベルに米と米麹だけ書いてあればそれが純米酒になります。

この純米酒ですが、日本酒というのはもともと全部純米酒でした。それが戦中・戦後にお米不足だったとき、お米だけで作る日本酒はぜいたく品ということと、またお米が足りなくて作れない時期があったことから、お米以外にアルコールや糖類を加えた普通酒が広がり、戦後しばらくはその普通酒全盛の時代が続いておりました。
そんな普通酒全盛の時代に、全国の酒蔵に先駆けて純米酒作りに着手したのが千代の園酒造です。
また、本日お持ちしたお酒の一つ「純米酒・朱盃(しゅはい)」というものがあるんですが、この朱盃というのが朱色の盃(さかずき)のことを言います。
で、なんでこんな名前を付けているかと言いますと、純米酒ができたときにこの大きな大杯を使って蔵人さんたちみんなで回し飲みをしてお祝いをしました。
そういった由来から千代の園の純米酒には代々「朱盃」という名前を付けています。

会場で振る舞われた純米酒「朱盃」
山鹿は全体的に地盤が固い地域だったこともあって、町全体を見れば被害はそんなに大きくなかったんですけど、古いものだと江戸時代からある建物もあったことから、建物に若干被害がありまして、こういった白壁が崩れたり、あるいは蔵の中の土壁が崩れたりといったことがありました。

ただ、こういったところについては殆ど修繕は完了しております。これは千代の園を少し離れたところから見た写真なんですが、右の方に「千代の園」と書かれた煙突が見えるかと思います。山鹿は田舎なので、煙突があると遠くからでもすごく目立つんですね。この煙突も「千代の園」と書いてあって、街の人にシンボルとして親しまれていたんですけれども、地震の影響で、ひびが入りまして、この後解体予定なのですが業者の都合がつかずそのままになっています。目処が立ち次第、解体する予定となっております。

(筆者注:後日営業者より、解体予定の煙突について保存の方向で進めている旨の報告がございました。)
まず「華錦」ですけれども、こちらは熊本県と熊本県農業研究センター、そして熊本酒造組合のこの3者が合同で開発した、熊本県初の酒造米です。
有名な酒造米だと、お酒に詳しい方でしたら山田錦とか五百万石とかご存知かもしれないんですけど、熊本にはこれまでそういったオリジナルの酒米が無かったんですね。
で、熊本のお米として作られたのが「華錦」です。この華錦と、あと熊本で有名なくまもと酵母、そして熊本の地下水を使ったメイド・イン・熊本のお酒をつくること、またそのお酒をみんなに飲んでもらって、「お酒がおいしい」だとか飲んで元気になってもらって、あるいは「熊本はこんなにいいお酒があるんだ」とアピールして復興につなげていくことが、この【熊本米・華錦ファンド】の目的です。

また、華錦を去年から本格的に酒造りに使い始めておりまして、こちらの写真は今日お持ちしております純米吟醸「翼(よく)」なんですけど、こちらは華錦を100%使ったお酒です。
ファンドの特典は、こちらの原酒を予定しております。
ちなみにこのクリアな飛行機のラベルは社長のこだわりです(笑)。ぜひご覧になってください。

また、熊本もすごくおいしいお酒が多くてですね、千代の園も海外にも羽ばたいており、例えば写真はアメリカに営業に行った時だとか、フランスのコンテストで賞を取りまして、その縁があってフランスの展示会にも出たことがあり、他にも中国・香港・台湾・カナダとかに輸出しております。
こういった華錦を使ったお酒、熊本のお酒を今後海外にPRしていくこともこの【熊本米・華錦ファンド】の直近の目標ではないんですけど、ゆくゆくはそういったことに繋げていきたいな、と考えております。

最後にこちらがファンドの概要、こちらはホームページ等をご覧いただきましても記載してありますので、ご興味のある方はご覧いただきますと幸いです。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
123年の歴史の中で、全国でも純米酒ににこだわってきた千代の園酒造が
熊本米「華錦(はなにしき)」での酒造りに込める想いとは。
当日参加がかなわなかった方にもお届けしたく、記事にしました。
どうぞご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~
こんばんは。熊本県山鹿市からまいりました、千代の園酒造株式会社の本田と申します。
今日は、私たち千代の園酒造と、今私たちがやっている熊本米「華錦(はなにしき)」ファンドについて少しお話しできればと考えております。

米問屋から始まった千代の園酒造
まず千代の園が熊本県のどこにあるかについてお話します。熊本県山鹿市、このオレンジ色のところで、私たちは酒造りをしております。
こちらが地元の観光で実際に使っているマップなんですけど、ちょうどマップの右下あたりに千代の園があります。このマップ、真ん中に豊前街道という道が通っていることが分かります。
こちらは江戸時代のメインストリートで、参勤交代にも実際に使われていた道です。

また山鹿市には菊池川という川が流れておりますが、この菊池川の水運を利用して農作物の運搬等がされておりました。
江戸時代、山鹿市というのは農作物の集散地でもあり、お米の商いにすごく便利なところだったと聞いております。
そんな山鹿市で千代の園、本田家はもともと米問屋を営んでおりました。米問屋を営んでいたんですが明治29年に本田喜久八(きくはち)が酒造りを始めたことが、千代の園の酒造りの始まりです。
ただいま123年目と言うと、皆さん「長いですね」と言われるんですが、先ほど通潤さんももっと長かったように日本酒業界はちょっと、長い会社が多くてですね、123と言ってもまだまだ若輩者です。
こんな千代の園で、今写真に写っているのが4代目の社長本田雅晴(まさはる)です。私が長女で、5代目の予定となっております。
純米酒へのこだわり
次に、千代の園のお酒造りのこだわりについて、少しご紹介いたします。千代の園は特に、お米や純米酒についてこだわりを持って日本酒をつくっております。
今この会場に、日本酒についてあまり詳しくない方もいらっしゃるかもしれないので、まず「純米酒」について簡単にご説明いたします。
純米酒というのはお酒をつくるときに、白米と米麹、それから水だけを使用して作ったお酒のこと言います。
たとえばお酒のラベルを見たときに、米と米麹以外に醸造アルコールとか糖類と書いてあったらそれは純米酒ではなく、逆にラベルに米と米麹だけ書いてあればそれが純米酒になります。

この純米酒ですが、日本酒というのはもともと全部純米酒でした。それが戦中・戦後にお米不足だったとき、お米だけで作る日本酒はぜいたく品ということと、またお米が足りなくて作れない時期があったことから、お米以外にアルコールや糖類を加えた普通酒が広がり、戦後しばらくはその普通酒全盛の時代が続いておりました。
そんな普通酒全盛の時代に、全国の酒蔵に先駆けて純米酒作りに着手したのが千代の園酒造です。
また、本日お持ちしたお酒の一つ「純米酒・朱盃(しゅはい)」というものがあるんですが、この朱盃というのが朱色の盃(さかずき)のことを言います。
で、なんでこんな名前を付けているかと言いますと、純米酒ができたときにこの大きな大杯を使って蔵人さんたちみんなで回し飲みをしてお祝いをしました。
そういった由来から千代の園の純米酒には代々「朱盃」という名前を付けています。

会場で振る舞われた純米酒「朱盃」
地震の被害状況と現状
次に、地震の被害の状況についてご紹介いたします。山鹿は全体的に地盤が固い地域だったこともあって、町全体を見れば被害はそんなに大きくなかったんですけど、古いものだと江戸時代からある建物もあったことから、建物に若干被害がありまして、こういった白壁が崩れたり、あるいは蔵の中の土壁が崩れたりといったことがありました。

ただ、こういったところについては殆ど修繕は完了しております。これは千代の園を少し離れたところから見た写真なんですが、右の方に「千代の園」と書かれた煙突が見えるかと思います。山鹿は田舎なので、煙突があると遠くからでもすごく目立つんですね。この煙突も「千代の園」と書いてあって、街の人にシンボルとして親しまれていたんですけれども、地震の影響で、ひびが入りまして、この後解体予定なのですが業者の都合がつかずそのままになっています。目処が立ち次第、解体する予定となっております。

(筆者注:後日営業者より、解体予定の煙突について保存の方向で進めている旨の報告がございました。)
今回挑戦する熊本米「華錦」ファンドとは
次に、このファンド【熊本米・華錦ファンド】についてご説明します。まず「華錦」ですけれども、こちらは熊本県と熊本県農業研究センター、そして熊本酒造組合のこの3者が合同で開発した、熊本県初の酒造米です。
有名な酒造米だと、お酒に詳しい方でしたら山田錦とか五百万石とかご存知かもしれないんですけど、熊本にはこれまでそういったオリジナルの酒米が無かったんですね。
で、熊本のお米として作られたのが「華錦」です。この華錦と、あと熊本で有名なくまもと酵母、そして熊本の地下水を使ったメイド・イン・熊本のお酒をつくること、またそのお酒をみんなに飲んでもらって、「お酒がおいしい」だとか飲んで元気になってもらって、あるいは「熊本はこんなにいいお酒があるんだ」とアピールして復興につなげていくことが、この【熊本米・華錦ファンド】の目的です。

また、華錦を去年から本格的に酒造りに使い始めておりまして、こちらの写真は今日お持ちしております純米吟醸「翼(よく)」なんですけど、こちらは華錦を100%使ったお酒です。
ファンドの特典は、こちらの原酒を予定しております。
ちなみにこのクリアな飛行機のラベルは社長のこだわりです(笑)。ぜひご覧になってください。

また、熊本もすごくおいしいお酒が多くてですね、千代の園も海外にも羽ばたいており、例えば写真はアメリカに営業に行った時だとか、フランスのコンテストで賞を取りまして、その縁があってフランスの展示会にも出たことがあり、他にも中国・香港・台湾・カナダとかに輸出しております。
こういった華錦を使ったお酒、熊本のお酒を今後海外にPRしていくこともこの【熊本米・華錦ファンド】の直近の目標ではないんですけど、ゆくゆくはそういったことに繋げていきたいな、と考えております。

最後にこちらがファンドの概要、こちらはホームページ等をご覧いただきましても記載してありますので、ご興味のある方はご覧いただきますと幸いです。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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