被災地応援ファンド 2013年2月22日 14:31

三陸とれたて市場 (岩手県大船渡市/地魚の加工食品開発等)の場合

東日本大震災から2年。
被災地の36社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。

【三陸とれたて市場の場合】 

◆2012年を振り返り、事業全体の進捗はいかがですか。

当初の計画より進んでいなません。

<進んだこと>
・仮設加工場を設備し、漁師のおつまみ研究所の開設を行い、加工人員の育成ならびに市場調査、
職員研修活動や試作検討会の開催、試験販売を通して、新事業のモデル化に目処を付けました。
・埼玉県志木市にアンテナショップを開設し、製造者側・使用者側の両者からのフィードバックを
生産ライン設計に結び付け、安定した品質で営業が出来る環境を確立しました。
・広域に壊滅した海を前に、漁業者の組織化や補助事業の大型投入を支援し、
やる気のある漁業者に過度な負担を強いずに操業再開が行える体制を整えました。
・上記仕組みを活用し、持続的に営業活動が行える施設設計に目処を付け、
順次投資を行えるまでに道筋がつけられるまでになりました。

<進まなかったこと>
・2012年中の施設整備を当初は計画しておりましたが、生産から販売までを噛み合わせて
面で立ち上げなければならない状況のために、生産現場の復旧作業が手間取り、
自社設備の整備について、大幅なスケジュールの遅れが発生している状況です。
・上記問題点に関しましては、漁業の操業が年明けから順次再開されるまでになったことから、
以降は大きな遅れを発生させることなく、徐々に解消されるものと期待されております。


◆現在、直面している課題を教えてください。

1.資金調達 2. 人材の確保 3. 原材料の調達です。
 
1. 資金調達に関して、消費ニーズに対応するための衛生環境の確保「HACCP準拠」や、
   多品種少量生産の事業計画等から、当初計画費を遥かに超える資金が必要となり、
   これの調達ならびに事業安定化策の模索を行っているところです。
2. 人材の確保に関して、被災により人口流出が止まらず、広域にわたる土地のかさ上げ等により
   自宅再建が遅れるようであれば、更なる悲劇が始まるものと危惧しているところです。
持続可能な地域を創るためにも、自社人材の確保のみならず地域の振興策を率先して行わなければ、
限界集落化する危険すら現実のものになろうとしているところです。
3. 原材料の調達に関して、被災前と比較して操業する船舶数も漁業者数も激減し、
後継者もままならない環境の中、早急な生産回復も見込めない状況です。
さらには、暖水塊等の海流の影響により、日本沿岸に魚が寄り付かず、水揚げ物の品目も
被災前に比較して大きく変わってきていることから、これまでの様な原料確保の方法から、
臨機応変に水揚げ物を原料に変えられる体制の整備に、
受け入れの仕組みを大きく変えなければならない状態です。


◆今後、誰からどんな支援があると助けになりますか。

これまでとは全く環境が変わってしまった魚場を前に、国策として、
漁業をどのように伸ばしていくのかを真剣に議論する場が必要であると切に感じています。
水産資源の国際的な高騰(80年代に比較して、漁獲量は下がれども魚価は3倍以上高騰)をしり目に、
我が国の水産業は年々魚価の暴落が続き、漁業再生産が出来ないまでに生産現場は追い詰められ、
青息吐息の有様です。付け焼刃の様な事業費の投入ではない、時代に即した形で仕組みを
根底から作り変えていくような粘り強い施策を展開していかなければ、漁業の消滅まで残された時間が
全くない危機的状況であると感じています。
この問題意識をもっと多くの方々と共有し、解決策を模索していかなければならないと願うところです。 


◆1年前の今頃と2年目の今の違いはありますか?

景色は変わっていません。がれきが片付いたくらいです。
資材は整ってきたりと、皆がスタートラインにたつようになってきたと思います。
1年前は、明日食べるのはどうしようという状況でした。
また、気持ちは前向きになってきました。これまではすべてが足りませんでしたが、
今は、何が足りないのかということが明確化されました。箱(設備)が足りません。
仮設でやってきましたが、仮設では無理という状況になってきました。 


◆ファンドをやって、一番嬉しかったことは何ですか。
 
活動資金に人格が見えることに救われます。
託された想いに支えられながら、一人の力ではどうすることも出来ない環境を前に、
あきらめる選択肢を選べない中でもがき苦しみ、振り返ると道がしっかりできていて慰められる、
そんなことの繰り返しをしているのかなと。
現場にわざわざ突然来てくだ方もさるいれば、当社のなじみのお客様の名前を出資者リストに
見つけて熱くなったり。
皆様の気持ちが何よりの原動力になっています。


◆2013年の抱負を教えてください。

被災から2年の時間が過ぎようとする中、初年は呼吸もままならない、
ただがむしゃらに走り回っていた様な状況にあったと回想します。
2012年は呼吸も落ち着き、事業再開に向けての広域にわたる段取りに終始したような年でした。
2013年度は、ベクトルも揃いやる気も回復した地域の仲間と一緒に賭けに出る、
最初で最後の失敗の許されない大勝負を仕掛ける年になると思います。
地方都市がどうすればその価値を永遠に輝かせ続けられるのかを実証するためのモデル事業が、
2年もの設計期間を経て、この世にその姿をいよいよ現そうとしています。
 


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