歌津小太郎こぶ巻ファンド ファンドニュース

被災地からのレポート2015年4月23日 14:32

復活2年目~2月・3月の報告:第二工場着工・ホームページリニューアル~

”歌津小太郎 こぶ巻ファンド”の有限会社橋本水産食品の千葉孝浩です。
『毎月11日に更新するぞ!』と決めて始めたいろいろな思いを盛り込んでご報告する毎月配信のブログがここのところ滞ってしまっておりました。今回は2月と3月の経過をまとめてご報告します。


既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、長いこと動きのなかった歌津小太郎のホームページを2月27日よりリニューアルしました。同時になんとFacebookもはじめました。

ホームページ→http://www.utatsukotaro.co.jp/
facebook→https://www.facebook.com/utatsukotaro




これは、なかなかパソコンの前での作業に時間を取ることができない私に代わって、製造スタッフ兼事務担当の二人が、今年1月の初めからスタートしたプロジェクトの成果です。漁師町の奥様達なので魚をさばくのは得意でも、こうしたパソコン作業はとっても苦手!そこのところをなんとか試行錯誤しながら、得意な人に教わりながら仕上げました。手作り感満載で歌津小太郎らしい出来栄えになっているかと思います。

こうした独自のホームページやFacebookでの情報発信に加えて、ここのところの1年半ほど力を入れていた被災地応援ファンドのこちらのブログでの発信を通じて、より多様な局面から私たち歌津小太郎と私たちが暮らす歌津の地域への理解を深めて頂ければと思います。


さて、今回のブログの主題ですが、既にピークを過ぎてしまってからのご報告で本当にカッコ悪いのですが、歌津小太郎の拠点であります南三陸町・歌津の港では2月下旬からワカメ漁が始まり、3月から4月初旬にかけてピークを迎えました。そのワカメ漁のご報告に始まり、2月と3月の進捗をお伝えしたいと思います。

また、今回は出資者の方から意外な質問、「小太郎社長は最近どうしていますか?」というものを頂きましたので、そちらにお応えしつつ、私たちの現状を踏み込んでお伝えしたいと思います。

●歌津に春到来! 
ワカメ漁2015 3月下旬から4月上旬の歌津・馬場中山の港の様子はこんなかんじとなります。


朝日が昇る前から作業をするワカメ漁師さんの船です。
列になって浮かんでいるのは、ワカメ養殖のロープを支える浮きです。



朝日が昇る頃に作業をする船をもう少しズームしてみましょう! 
以上の写真2枚馬場中山カオル商店HP20150328



もう少し太陽が昇ってからの写真です。(朝日の写真とは別の日)



港での収穫したワカメの処理作業風景の遠景です。
上記の写真2点とも馬場中山カオル商店HP20150402



漁師さんの家族単位で作業を行っています。 馬場中山カオル商店HP20150330


今年の歌津のワカメは、海水温の低温が影響して生育が遅れたこともあり、思うような収穫が出来ないシーズンとなりました。ワカメそのもののご紹介は、歌津小太郎の商品のご紹介に交えて次の活動報告のなかでお伝えします。

●2015年2月~3月の歌津小太郎の活動報告
【新物めかぶ2015】
今年の2月は天候にも恵まれ、寒い時期のメカブ特有の新芽で柔らかい良質のメカブを用意することが出来ました。その新物メカブと歌津小太郎自慢のさんまの昆布巻をセットにした、春限定のセキュリテセットを今年も販売させて頂きました。おかげさまで82名様から98セットのご注文を頂き、またまた全国に送らせて頂きました。
お買い上げ頂いた皆様には、あらためて感謝感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!



【第二工場建設】
1月22日に地鎮祭を行いました歌津小太郎第二工場ですが、諸般の事情で着工はそれから一ヵ月以上後の2月26日からとなりました。第一工場のお隣に出来ますので私も他の製造スタッフみんなもワクワクしながら工事の進捗を見守っています。   


地盤改良工事が始まりました。2015.2.26撮影


2015.3.3撮影


2015.3.26撮影


2015.4.14撮影


2015.4.22撮影



 ●歌津小太郎への素朴な疑問 Q&A
仙台・藤崎の常連のお客様からは、
「歌津小太郎さんの姿をお店で見なくなったけど、今はどうしていますか?」
ファンドの出資者の方からは、
「小太郎社長の姿をブログの中ではあまり見かけないけど、お元気ですか?体調など崩されていないでしょうか?」

 あるいは、半分冗談ではありますが、
     「千葉さん(孝浩)は『2代目・漁師の歌津小太郎』を“襲名”されたりしないのですか?」
といったお声をときおり頂きます。

「あれれ、もしかしたら小太郎社長の存在感がここのところ薄くなっていたかも?」と、気付かされました。ご心配をおかけしてすみません!
小太郎社長はもちろん元気にしておりますが、お客様の前に姿を見せることが少なくなった、その理由をご説明したいと思います。

小太郎社長は10年ぐらい前までは仙台・藤崎の直営店舗にほぼ毎日店頭に立っておりました。(私がお伝えするのも手前味噌ではありますが)実は、藤崎の常連のお客様の中には、『歌津小太郎商品のファン』というよりは『小太郎社長ファン』という方も少なからずいらっしゃいました。その後、体力的にも歌津~仙台を毎日通うことが厳しくなり、小太郎社長の代打で店に立つ私に、「あれ、今日は小太郎さんは?」と問いかけられる方が多かったので、『小太郎社長ファン』というのは言い過ぎではないと思っています。

2011年の震災・津波で被災してからは生産資源を全て失ったので、販売するものも無くなってしまいましたから、そのような形で小太郎社長がお客様の前に姿を現すことはなくなってしまいました。その後、2013年3月に仙台・藤崎の直営店舗が復活し、さらにその一ヵ月後に歌津・管の浜の現在の工場が出来てからは、実は小太郎社長には歌津での重要な任務、それも小太郎社長にしか出来ない特殊任務的な作業があり、仙台の店舗のほうにはなかなか顔を出すことが出来なくなってしまいました。
 
「その重要な任務とは…?」  
…実は『海水汲み』なんです。

通常期ですと毎日500ℓの水を2往復、取り扱い原料によっては毎日5往復も海水を汲んでは軽トラックで工場に運んでいるのです。

以前の工場は海の目の前に建っていましたので、原料を洗うための海水は海から直接くみあげていましたが、現在の工場は内陸に500mほど入ったところにありますので、このような海水汲みの作業が必要になりました。

そもそも、なぜ真水ではなく海水を使うのか?
海産物の下処理は真水を使ったのでは製品になりません。私が言うまででもありませんが、素材の良さを引き出すためには出来るだけ自然に近い状態で作業しなければなりませんし、細胞や繊維を壊さないためにも水産加工では海水での下処理は基本中の基本です。例えば、めかぶ漬の下処理でメカブを洗浄する工程がありますが、この作業を真水でした場合、メカブの鮮やかな緑の色や独特のねばりが極端に損なわれてしまいます。また、一日の作業を締めくくる清掃作業では作業場の床や壁の洗浄も海水で洗い流すと、次の日の朝の状態が全然違います。  


震災前工場があった近くの中山漁港で、海水汲み
に取り掛かる、小太郎社長  








『海水汲み』の作業を終え、海を見ながらくつろぐ小太郎社長です。 馬場中山カオル商店HP0326

この『海水汲み』ですが、現在の第二工場建設と合わせて、海水を引き込む工事が出来るように行政に申請し調整中なのですが、いまだに最終判断が出ていません。この件のネックは港の整備の進捗なのですが、今後の歌津小太郎の商品製造の生産性に影響する重要事項なので、引き続き働きかけを行って参りたいと思います。


<あとがき>  
歌津小太郎のブログは、我々を気にかけてくださる出資者の方などからの情報発信に対するアドバイスを元に構成しています。自分達にとっては当たり前すぎてこれまでお伝えできていなかった歌津のことに漁師の仕事や海の旨いもののことなど、「こんなこと知りたい!」とリクエストを頂ければ今後のブログで反映していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

現在、第二工場建設対応で本当にバタバタでして、すぐには全てに対応出来ないと思いますが、少しずつ皆さんのご要望にお応えしつつ、歌津小太郎のありのままをご理解頂けるように努めたいと思います。

ときおりこのあとがきで現在の歌津小太郎の復興の進捗度合いを登山に例えて参りました。前のブログを読み返してみると、2014年4月18日配信の記事でちょうど2014年の第一四半期を終えた時点での進捗として「登山に例えると6合目まできた」という報告をしていました。それからちょうど1年が経過しましたが、この間は6合目からなだらかに長く続く7合目を目指して歩み続けてきたといったところです。

実は首都圏のデパートなどから催事販売への出店のお声掛けなども頂いているのですが、まだまだ生産体制が十分でないため、直営店舗の『仙台・藤崎』、工場のお隣の『みなさん館』、そして震災前からの販売代理店である加藤物産による小規模な催事販売という既存のこの3つの販路への供給を間に合わせるだけで精一杯という状況でしたので、泣く泣く断念していました。ビジネス用語的に申しますと、ボトルネックが『生産体制』でして、具体的には本来は水産加工の『二次加工』を行う設備で、『一次加工』も行わなければならなかった故に効率の悪さが原因でした。(ちなみにこの『一次加工』に海水を沢山使っているわけです)

そのボトルネックですが、この秋にオープンの第二工場が完成すると一気に状況が変わります。登山に例えるならば、7合目の先には斜面60度の難関が待っているというイメージでしょうか。第一工場の倍の生産量に増やすことが出来るのですが、一方ではそれを支える製造スタッフを増員しなければなりません。秋からのボトルネックが『製造スタッフ』となることが明確なので、その準備を今からしております。

 …と、ここまで書いたところで、(いつものことですが)あとがきなのにとても長くなってしまいましたので、今回はここまでで締めたいと思います。

まだまだ沢山のハードルを抱えながらの事業再建ではありますが、引き続き応援を宜しくお願いします。




記事担当: 千葉孝浩