歌津小太郎こぶ巻ファンド ファンドニュース

被災地からのレポート2014年2月12日 13:46

歌津小太郎の復活2年目~1月のまとめ報告と“2月”~

”歌津小太郎 こぶ巻ファンド”の有限会社橋本水産食品の千葉孝浩です。 2014年もあっという間に一ヶ月が過ぎました。宮城県南三陸町の歌津地区は今が一番寒い時期。半島になっている分、周りの地域よりも少しだけ温かいのがこの地の特徴ですが、さすがに先週の大雪は想像を絶する降り方で、今でも雪がたくさん残っています。歌津の漁師さんたちにとっても、益々寒さがこたえる時期ですが、この寒さが旨さを育んでいます!…2月後半には“初物わかめ”の収穫がはじまりますよ~!

 さて、今回からは出来るだけ毎月ご報告をアップして参りたいと思いまして、後半のほうにちょっと工夫をしています。一か月分の内容をまとめて報告ですのでまた長くなってしまいましたがお許し下さい。

●2014年-歌津の初日の出とお正月 ぜひ、地図で確認して頂きたいのですが歌津/馬場中山地区は東向きの海に面しているので初日の出を見るには絶好のポイントです。今年の元日は曇り模様でしたが、初日の出の時間だけ雲が晴れました。  

(1月6日のブログ、2014年元日 南三陸町歌津、中山漁港より撮影した初日の出)  


 さて、お節料理にかかせない“昆布巻”を作っている歌津小太郎の千葉家のお正月料理の定番は何かと申しますと、実は漁師町である歌津の地での習慣としては、もちろん海の幸をメインとしたご馳走を、お正月というよりは大晦日(年越し)に頂くというのが通例でして、特に今年は、南三陸町の名物でもあるタコ(水タコ)を大歳の市で販売したこともあって、我が家用にもいくらか残っていましたので、久しぶりに懐かしい味を楽しむことが出来ました。(もちろん昆布巻もいただきました!)


● 2014年1月の歌津小太郎活動報告
歌津小太郎復活1年目の12月はおかげさまで31日まで大賑わいの仕事納めとなりました。元旦の一日はお休みしましたが、歌津小太郎が直販コーナーを設ける仙台市内の老舗百貨店「藤崎」での初売りは1月2日朝8時ですので、すぐに2014年が始動!!!
「もっと休めたら良いのにね~」と言って頂くこともありますが、デパ地下にお店があるということは年末年始のお休みは元旦だけというのが普通のこと。それに歌津小太郎売り場には、大晦日に来ていただいたお客様の多くが初売りにも顔を見せてくれますから、小太郎社長か私(孝浩)が必ずお店に立ちます! 「年末商戦+初売り」を3年ぶりに経験するのですから、久しぶりのこの感覚を小太郎社長ともども楽しみました。

さて、12月は完全に土日返上パワー全開で昆布巻作りに奮闘してくれた製造スタッフのほうは1月6日より仕事始めとなりました。  

(1月6日ブログの集合写真)

 1月の製造スケジュールは12月分の休日の消化ということもあり少しペースダウンしての営業となりました。その一方で、原材料調達の関係で2013年中に復活させることが出来なかった商品を、どのように優先付けして復活させるか、以前の工場に比べ広さも機材も不足な現状で、品目数を増やすにはどうしたらよいか、漁師の奥さん達でもあるので、南三陸の旨いものと、そのシーズンを熟知しているベテラン製造スタッフと相談しながら模索しました。1月にちょっと進展したのは地元産の「焼きのり」が初入荷しまして、商品アイテムにまた一つ仲間が増えました。ほんの少しの変化ですが、積み重ねて一歩でも着実に震災前の状況にまで回復させていきたいと思います。

● 震災から3年、今思うこと
2014年1月26日付けでミュージックセキュリティーズさんによる事業者への共通アンケート「震災から3年。現在の課題と求められるもの」歌津小太郎の場合 をアップして頂きました。

当社の場合は2013年4月に念願の工場が再建できましたので、それまでの2年間に比べ2013年は大きく前進することが出来た一年でした。直面している課題などそちらのほうで詳しく書いていますので、是非、ご覧頂ければと思います。

 震災から3年を経過しますと、一般の皆さんから震災の記憶や関心が薄れると同様に、我々も直面している課題の近視眼的な解決だけにとらわれてしまい、震災の記憶を決して忘れることはないのですが震災直後に感じた強い思いや教訓が日々の暮らしの流れのなかで薄まってきているように思います。

 そんなわけで今回のブログより、3年前・2年前・1年前の“今月”はそれぞれ何をしていたか思い出して書き綴りたいと思います。歌津小太郎のことに加えまして地域のこともお伝えしたいと思います。

● 3年間の振り返り
 ☆2011年2月のこと
3年前の2月は当然ながら震災前のこと。歌津小太郎では、こんな商品ラインナップを展開していました。 <歌津小太郎売上No1>
昆布巻(さんま・鮭・にしん・)→2013年10月に復活しました!
 特徴: いわずと知れた歌津小太郎の看板商品です! (…他にも、あなご・たらこがありました)  

(昆布巻の写真)

 <売上No2>
ひと味ぼれ(ひとみぼれ)(ほたて・かき)→2013年8月にホタテ入り、11月にカキ入りが復活!
特徴:昔ながらの素朴な味で作る「やわらかい昆布のお煮しめ」として、単品販売数では昆布巻をしのぐ人気商品です。

(ひと味ぼれの写真)

 <売上No3>
いかめかぶ→2013年3月にめかぶ漬として復活! ファンド資金を活用した「めかぶスライサー」で仕込み作っています!
 特徴:そのままの味で、ごはんにかけて「めかぶ丼」が一番のオススメ!! 薄味なので、お好みの味(お酢を加えたり、めんつゆを少々加えたり)に調節して、自分だけのオリジナルの味としても楽しめます!

(いかめかぶの写真)

<売上No4>
 ほや醤油漬→2014年6月、復活予定! 今シーズンからが震災後、初水揚げの予定です。
 特徴:歌津小太郎ファンからの復活を待つ声ではナンバーワンの「ほや醤油漬」。ホヤは臭くないのだと言うことを証明できる驚きの味です。

<売上No5>
 焼うに→ほや醤油漬にも言えることですが、港の荷さばき場(1次加工処理施設)が整備されていないので、水揚げは6月からの予定ですが、製品に出来るのかは不透明な状況です。
 特徴:ウニそのものが持つ濃厚な甘みを引き立たせるためにも、特殊な技術を使って直火で焼き上げました。旬の大粒のウニで盛り付けるのが歌津小太郎流です。


 ざっとこんな感じで季節商品も合わせると、全30品目からなる商品ラインナップで営業していました。 今後の予定としては、2月から磯草(ふのり、まつも、ひじき等)が収穫できる時期なので、初物の海藻類も入札が始まります。歌津小太郎では天日干しの状態で、乾物商品として扱っています。

☆2012年2月のこと
2011年3月11日の大震災後の津波で、“海から5歩”という歌津/馬場中山地区にあった歌津小太郎工場は全ての生産資源を失ってしまいました。当時、小太郎社長と専務の私(孝浩)がともに不在の中、従業員はなんとか全員生き延びてくれたのがせめてもの救いでした。

 震災からおよそ1年後の2012年2月の時期は、2011年11月の時点でいわゆる「グループ補助金」の申請を行い、ある程度の再建資金を国と県から補助して頂けることが決まったものの、地域全体の被災状況が甚大でしたので再建を進めるための土建工事の見積もりにも着手できない状況でした。もともと千葉家の家族を中心に全部で十数名、従業員の多くは近隣の漁師の奥様というアットホームな小さな小さな水産加工会社である歌津小太郎は、この震災で解雇せざるを得なかった従業員の皆さんがバラバラになってしまうのが一番辛く、一日でも早い再建を目指し気持ちだけが焦っていました。本当に思うようにはコトが進まず、心が折れそうになることの連続でした。
 一方、歌津/馬場中山地区の地域全体としての状況を思い出しますと、震災直後に数週間の「孤立集落状態」を経験し、震災直後は約200名で始まった避難所生活が、その年の8月くらいまでには50名ほどになりましたが、地域の集会所で集団避難生活を送っていたときに苦労を分かち合ったことから、それぞれが修復した自宅や避難所に移ってしまってからも強い結束力を維持していました。諸問題を地域全体で解決しようという気運がおこり、沢山の困難がありましたが様々な「プロジェクト」を行いました。

 震災直後から地域にボランティアで入っていただいた、多くの皆さん達の強力な支援があって、わかめの養殖を細々ながら再開できていましたので、2月の下旬には震災後初のわかめ収穫にまでこぎつけることができました。こちらは「福福わかめ」と名付け、地域の海産物の復興第一号として売り出しました。

 2012年2月の頃にチャレンジし始めたのが、手芸が得意な女性達に地域のオリジナルキャラクター「ワカメンジャー」の編みぐるみを作ってもらい、それを販売しようというプロジェクト。これは首都圏の手芸作家さんの提案で始まりました。

 編みぐるみもわかめも、震災ボランティアで馬場中山地区に来てくれたことをキッカケにその後も気にかけてくれている日本中の皆さんたちのご好意で購入して頂くところからスタートしました。震災直後から馬場中山地区の情報発信を毎日行い、こういった企画商品の販売のWebサイトも運営していたのが、震災前は歌津小太郎の従業員で“第三の男” であった弟のカオル。 (注: 歌津小太郎は社長と私とカオル以外は全て女性の力で運営していました)
いずれも1個(1袋)数百円というものですが僅かながらでも現金収入を得る最初の一歩となりました。 全体でみれば、港の復興も進まずに決して芳しい状況ではなかったですが、小さな喜びの数を数えている、そんな暮らしぶりでした。

 「なじょにかなるさ~」(なんとかなるさ~)
 これが地域のプロジェクトのネーミングの一つですが、私も何度となく、「なじょにかなるさ~」と言い聞かせ、地域の皆さんとともに一歩ずつ進んでいました。

 ☆2013年2月のこと: 歌津小太郎新工場の内装工事中!
 一年の単位で経過を見ますと、ものすごく進捗があると感じますが、震災から丸2年という2013年の2月は元の工場から3kmという位置に新工場を建設しており、ちょうど内装工事に入っているところでした。震災後にようやく心からの喜びを感じられるようになってきました。
 (ここに至るまでの詳細な経緯は、今後、毎月ご報告していきたいと思います)

 また、この頃には震災前に歌津小太郎の直販コーナーを設けていた仙台の老舗デパートの「藤崎」にコーナーを2年ぶりに復活させる計画が決まっており、再開に向けた打合せで仙台を頻繁に訪れ、昔のデパ地下の仲間の皆さん達に激励を頂いていました。

●2014年2月の歌津の海・港・漁師・旨いものそして歌津小太郎情報
そして今は――歌津の浜では、これからが1年でも1番活気づく季節「初物わかめ」の収穫(わかめ刈り)を迎えます。以前の工場があった場所(南三陸町歌津 馬場、中山地区)でも港の復旧(わかめの作業が出来る程度)が整い、漁を待つばかりとなりました。例年ですと、早い方は漁がはじまっている時期にもなっていますが、今年はわかめの生育が少し遅れているようで、漁師さん達も気をもんでいるようです。

(現在の港の写真)


(船引き場はあの時のままです。)

 歌津小太郎でも「初物わかめ」の収穫に合わせて、直営店の藤崎でもいち早く「湯通し塩蔵わかめ」の販売を予定でいます。さらに、わかめの「めかぶ」だけをシンプルに味付けした、春一番の磯の香りたっぷりの人気商品「めかぶ漬」の販売も始まります。わかめは2月から4月までが収穫期ですので、「めかぶ漬」はこの時期に1年分の仕込みを済ませます。特に、歌津小太郎では新芽のやわらかい時期の素材(地元漁師が食べている「めかぶ」)にこだわって仕込むため、3月中旬には完了させなくてはなりません。そして現在、「初物めかぶ漬」を「買って応援、セキュリテセット」での販売を目指し計画しているところです。旬の時期でしか味わえない逸品として、是非、皆様の食卓にお届けできるよう実現したいと思います。


(めかぶ漬、ご飯と一緒の写真)
 【セキュリテセットでの販売は3月中旬の予定です。】


今回、「被災地応援ファンド」のシステムを使わせていただくことで、皆様からのご要望にやっとお応えできる通販事業として、震災後、初めて発信できるようになります。今できる私たちの技術を存分に発揮して、自慢の磯の宝たちを驚きの鮮度でお届けすることをお約束いたします。どうぞご期待ください!

今回の報告はこのへんで閉めさせていただきます…これからも応援よろしくお願いいたします!!

<あとがき>
いつも長~くなってしまう歌津小太郎のブログの一部は、我々を気にかけてくださる 出資者の方などからの情報発信に対するアドバイスを元に構成しています。 自分達にとっては当たり前すぎてこれまでお伝えできていなかった歌津のことに漁師 の仕事や海の旨いもののことなど、「こんなこと知りたい!」とリクエストを頂けれ ば今後のブログで反映していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 (すぐには全てに対応出来ないかもしれません。そのときはゴメンナサイ!)

○記事担当 千葉孝浩