LIVING IN PEACE BLOG 2010年11月

マイクロファイナンスフォーラム2010年11月11日 18:07

LIPマイクロファイナンスフォーラム2010のご案内

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◆ LIPマイクロファイナンスフォーラム2010 ◆

◇ ~マイクロファイナンスの新地平3~ ◇

◆ 11/28(日) 13:00~17:30@日本財団(赤坂) ◆
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今年も数多くのセミナーやイベントを開催してきたLiving in Peace。

締めとして、今年もマイクロファイナンスフォーラムを開催することになりました!

第1回目のフォーラムは2008年、イントロダクションに世界銀行TDLC所長の福井龍氏、
基調講演にマイクロファイナンス機関(MFI)SafeSave共同代表のStuart Rutherford氏、
ゲストにはグラミン銀行, Planet Rating, Standard Charteredから、それぞれ異なる角度で
マイクロファイナンスに携わる実務者を迎え、世界三カ国をビデオで中継し、実施。

Living in Peace(LIP)からは経済理論と最新データから見たマイクロファイナンスについて
研究発表を行い、日本で初めて「アセットクラス」としてのマイクロファイナンス投資を紹介
しました。

続く昨年のフォーラムでは、より現場の実務にフォーカスを当て、カンボジアのマイクロ
ファイナンス機関サミック及び貧困削減のためのマイクロファイナンス投資を実践する
グラミン財団のフィリピン事務所からゲストを日本に招聘。
LIPからは、LIPが企画し、日本初のマイクロファイナンスファンドとなった「カンボジアONE」
の投資スキーム、契約書作成、デューデリジェンス等、ファンドができるまでのプロセスを
発表しました。

そして、第3回目となる今年は、拡大・発展を続けるMFIがいかにしてソーシャルミッションを
追求し続けることができるのか、LIPからはデータを元にしたマーケット分析を発表。
また、フィリピン最大のマイクロファイナンス機関CARDからは債券発行事例を紹介していただき、
多様化するマイクロファイナンス機関の資金調達方法の一端を見たいと思います。

そして現場の視点として、カンボジア中堅マイクロファイナンス機関セイラニティから、農村に
おける貸出事例を紹介していただくのと併せ、LIP代表慎が現地ベトナム入りしてマイクロ
ファイナンス機関調査してきた最新結果を報告します。

マイクロファイナンス機関の役割とは一体何なのか、日本から何ができるのか、
私たちと一緒に、皆さん自身も考える時間にしたいと思います。

多くの皆様の来場を心からお待ちしております!!

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【開催概要】

◆ 日時 : 2010年11月28日(日)
□ マイクロファイナンスフォーラム2010 13:00~17:30 (受付:12:30~)
□ ネットワーキング懇親会 18:00~20:00 (受付:17:30~)

◆ 会場 : 日本財団2F大会議室(赤坂)※ 懇親会も同会場にて行われます。
(東京メトロ銀座線 虎ノ門駅3番出口より徒歩5分)

◆ 内容 : LIPマイクロファイナンスフォーラム2010~マイクロファイナンスの新地平3~

□ 主催者挨拶 : LIPマイクロファイナンスプロジェクト紹介
☆ 講演者 : 慎泰俊 (Living in Peace代表)

□ Introduction : 「データから見る世界のマイクロファイナンスマーケット」
☆ 講演者 : LIPリサーチ・チーム

□ Case1 : 「顧客100万人 フィリピン最大のマイクロファイナンス機関CARDの債券発行事例」
☆ 講演者 : Ms.Lorenza Banez (Executive Vice President, CARD Bank)

□ Case2 : 「国際NGOケアが前身 カンボジア中堅マイクロファイナンス機関セイラニティの農村事例」
☆ 講演者 : Mr.Choun Sambath (Chamker Leu Branch Manager, Seilanithih Limited)
: 長島毅(LIPリサーチチーム)

□ Case3 : 「ベトナム初のライセンス取得マイクロファイナンス機関TYMの事例」
☆ 講演者 : 慎泰俊 (Living in Peace代表)

□ パネルディスカッション&質疑応答 : 「マイクロファイナンス機関の役割と日本からできること」
☆ 登壇者 : 
・ Ms.Lorenza Banez (Executive Vice President, CARD Bank)
・ Mr.Choun Sambath (Chamker Leu Branch Manager, Seilanithih Limited)
・ 岸明子氏 (JICA 公共政策部)
・ 杉山章子 (ミュージックセキュリティーズ株式会社)
☆ ファシリテーター : 
・ 慎泰俊 (Living in Peace代表)

※ Ustreamによる配信を予定しております。URLは当日のTwitter実況(@lipjapan)をご確認下さい。
※ プログラムは一部変更になる可能性がございます。

◆ 言語 : 日/英(同時通訳有)

◆ 定員 : 200名

◆ 参加費 : 事前振込、または当日受付にてお支払い下さい。

◎ フォーラムのみ
(一般:3,000円、学生:2,000円)
◎ フォーラム+懇親会
(一般:5,500円、学生:4,500円 ※ 事前振込→ 一般:5,000円、学生:4,000円)
◎ 懇親会のみ
(一般、学生共通:2,500円 ※ 事前振込→ 2,000円)

※ 事前振込は、2010年11月24日(水)まで受け付けます。
25日以降は会場受付でのお支払いをお願いいたします。
※ 領収書がご入用の方は、受付にて係の者にお申し付けください。

◆ 事前振込先 :
口座名義:特定非営利活動法人 Living in Peace
トクヒ)リビング イン ピース
銀行:みずほ銀行 恵比寿ガーデン出張所 (母店:恵比寿支店)
種別:普通
口座番号:1058901

◆ 払い戻しについて : 事前振込をされた場合、前日11月27日(土)までにキャンセルの
ご連絡をいただけたときのみ、銀行振り込みにて参加費を払い戻しいたします。それ以後に
キャンセルされた場合は、払い戻しを受付けることができませんので予めご了承ください。
キャンセルの払い戻し金額は、お支払いいただいた参加費になりますが、払い戻しの振込み
手数料は、お客様のご負担になりますので、手数料を差し引いた金額をお振込みいたします。

◆ 参加お申込フォーム




◆ 協賛 : 糀屋箱機構、東京フィナンシャルアドバイザーズ株式会社、株式会社金融エンジニアリング・グループ
◆ 協力 : 日本財団 CANPAN プロジェクト
◆ 後援 : ミュージックセキュリティーズ株式会社
◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace

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◆ 協賛 : 東京フィナンシャルアドバイザーズ
東京フィナンシャルアドバイザーズは、上場・非上場企業の株式評価と新株予約権
(ストック・オプション)評価を2大柱としてサービスを提供しています。
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◆ 協賛 : 糀屋箱機構
レンタルスペース糀屋箱機構は、渋谷を中心にデザイン性が高くリーズナブで快適に利用
してもらえるレンタルスースを運営しております。

打合せやセミナーに利用できるスペースはもちろん、24時間利用できる有名現代建築
「ナチュラルエリップス」や代官山のクラブスペース「TWONE」といったパーティースペース
などもご用意しております。最近では屋上のレンタルも始めました。

イベント、展示会、セミナー、各種撮影、打ち合わせ、会議、各種教室、ギャラリー、
パーティなど多目的にご利用いただけます。他にはないデザイン性の空間であり、リーズ
ナブルな料金となっておりますのでみなさまにお気軽にご利用いただけます。ホワイトボード
はもちろん、プロジェクター、スクリーン、コンポなど備品はすべて無料でご利用いただく
ことができます。

詳細は、レンタルスペース糀屋箱機構のサイトをご覧ください。
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◆ 協賛 : 株式会社金融エンジニアリンググループ
金融エンジニアリング・グループ(呼称:FEG)は、金融分野の数理分析及びデータマイニングを
中心とする調査・分析・コンサルティング並びにソフトウェア開発を主たる業務としております。
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◆ 主催 : 特定非営利活動法人 Living in Peace
貧困削減を目的として設立された特定非営利活動法人。海外ではマイクロファイナンス、
日本国内では教育というそれぞれの手段を用いたプロジェクト下でその達成を目指している。
マイクロファイナンスプロジェクトでは、2009年に日本で初となったマイクロファイナンス
ファンドの企画に参画。セミナーやフォーラムを通しての普及活動、ローコストのマイクロ
ファイナンス機関調査システムの開発を通じて、少額の金融サービスを貧困層に提供し、
自立する機会を提供する支援を行っている。教育プロジェクトでは、「子どもたちが等しく
自分の存在意義を感じ、夢を与えてくれる大人に出会う場の提供」を目標に、主に児童養護
施設の子どもたち向けの活動を展開している。
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日頃の活動2010年11月3日 16:13

アイ・シー・ネット株式会社河原氏・粟野氏のマイクロファイナンス講義

LIPは日本でもトップクラスのマイクロファイナンス機関(以下、MFI)調査団体を目指すべく、MFIの調査手法の研究を続けています。とはいえ、国内においてフルタイムで働いていることから、開発途上国に赴き現地の情報を収集することには限界があります。


828日(日)に、応援メッセージもいただいているICNETの粟野氏(マイクロファイナンス読本などの業績があります)及びご上司の河原氏をお招きし、マイクロファイナンス(以下、MF)業界との関わりやの調査手法など経験談を教えていただきました。両氏にはエキスパートとして、お忙しいところ我々の足りない部分を補ってくださったことに感謝申し上げます。

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粟野氏は1995年からMFの研究調査に携わり、1999年からジンバブエでMFIの調査研究やコンサルティング業務を行ってきました。MFIを支援する政府機関で、MFIへの経営・融資・財務管理能力の指導や、MFIへの低利貸付制度の改善などに従事されました。


当時のジンバブエのMF業界は、成長発展の余地があるにも関わらず、次のような課題を抱えていました。政府機関は不良債権の回収、MFIは規模の拡大・組織力の向上・財務的な自立・高利貸しとの棲み分け、商業銀行のMF業界への参入は一行しかない、等です。インフレ率は既に上昇傾向であったものの、まだMF機関が収益をあげられる状況だったそうです。

また、融資対象のMFIを選定するにあたってどのような基準でMFIを評価すべきか、という問題に直面されました。CGAP(世界銀行の貧困削減に関する調査機関)のMFI評価のためのガイドライン(こちら)やPlanet Rating(MFIの格付機関)の格付けレポートを研究され、Governance(企業統治), Strategy(戦略), Management(経営管理), MIS(経営情報システム), Outreach(貧困削減の達成度), Profitability(収益性)など10項目からなるMFIの評価基準を策定されました。これにより、MFIの評価が数値として表され、複数のMFIの客観的な比較対象が容易になります。

 

Planet RatingではGIRAFEという評価体系に従い、企業統治、情報技術、リスク管理、営業実績、資金調達、経営効率性の6つの評価基準からMFIを格付けしています。(出典はこちら

 

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当時は今よりもインターネットが普及しておらず、マイクロファイナンス情報に対するアクセスもずっと悪かったはずです。それでもMFIの評価基準を作ってしまったという事実に、ロールモデルとして勇気をもらわないはずがありません。


河原氏も元銀行員で、南太平洋の金融機関で働かれた経験があり、当時のご経験を聞くことができました。これだけでも十分勉強になったのですが、興味深いのは発展途上国ゆえの事例が紹介されたことです。 ローンの償却に関すポリシーがあるのに償却された実績がない、MIS(経営情報システム、ローン情報を記録するシステムのこと)を評価しようとしたら記録も保存していなかったこと、思わず笑ってしまうような事例が次から次へと現れました。評価基準が上手く機能する例と、そうでない例を同時に学べる機会は貴重でした。 MF機関での不正とそれに対する取り組みの例や、その背景についても全員で議論しました。職員の給与の低さ、地方の支店では本店の管理が行き届きにくいから、内部及び外部の規制や監査がしっかりしていないから、など、そのインセンティブ構造も話し合いました。日本国内で財務諸表や書類などを見ているだけでは、まずわからないことだったため、有意義な議論となりました。 この勉強会はあっという間の2時間だったのですが、定例会議が始まるまでフリーディスカッションをしました。1128日(土)に予定されているマイクロファイナンスフォーラム2010の報告について相談させていただきました。その中で興味深かったのが、『資金調達構造から見るMFIの規模及び寡占度』です。


LIP代表の慎が私の提言(こちら)で主張しているように、マイクロファイナンスファンドを組成するコスト(発展途上国に赴き、滞在し、現地調査をする費用)を考えると、どうしてもコストパフォーマンスの見合う規模の大きな投資に偏りやすくなります。


従って、ある国の大手MFIの海外資金調達は順調であり、そのシェアは圧倒的であると考えられます。一方で、中小のMFIは海外からの資金調達がより難しく、規模を拡大することが困難になるでしょう。結果的に、より営利性を追求できる大手MFIによって市場が寡占される一方で、貧困削減などソーシャルミッションを追求する中小のMFIといった棲み分け傾向があるのかもしれません。LIPが中小のMFIsを支援する根拠を客観的に示せないか、今後とも検討していきます。

 

粟野氏、河原氏の専門知識やご経験によって、LIPの能力が大きく強化され、メンバー一同刺激を頂いたことに感謝しております。

両氏はじめとする多くの方々のご支援のおかげで、今のLIPがあります。末筆乍ら、厚く御礼申し上げます。

 

文責 理事 菅原崇 @takashifc

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