LIVING IN PEACE BLOG 2009年12月

メールマガジン2009年12月14日 20:53

サミック (旧称CHC)代表・カリヤン氏インタビュー

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リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace vol.30 09/12/14号

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こんにちは。

カンボジアを訪れていたメンバーが、現地のマイクロファイナンス機関サミック
(旧称CHC)の代表であるカリヤン氏に話を伺ってきました。

カンボジアのマイクロファイナンス事情やカリヤン氏がマイクロファイナンスに
関わるようになった背景などを紹介しています。どうぞ最後までお読みください!

また、サミックの現地での活動の様子などは、12月15日(火)のワールドビジネス
サテライトで放送される予定ですので、合わせてご覧いただければ幸いです。


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LIP:12月1日にミュージックセキュリティーズから『カンボジアONE』の出資金が送金されましたが、
確認されましたか?


カリヤン氏:はい、12月1日の日付で着金しているのを確認しました。
出資者の皆さんに感謝しながら、これからシェムリアップ支店でしっかり使わせて
もらいます。


LIP:即日に着いたんですか。早いですね!

今回293名の方に出資していただきました。日本からの資金は初めてだと思いますが、
いかがですか?


カリヤン氏:実現までに時間がかかりましたが、実際に始まって嬉しいです。マイクロファイナンス機関にとって、
資金ニーズは常にあり、いつ誰からいくら調達できるのかは、非常に重要な問題なので、
今回新しい提携先ができたことは私たちにとってはとても大きな意味があります。
日本の皆さんやLIP、ミュージックセキュリティーズと築いたパートナーシップが、今回限りではなく、
今後も長く継続していければと思います。

 


(支店のスタッフと。持っているのは来年のカレンダー。カリヤン氏は左から2番目。)

 

LIP:そうですね。私たちも現地のニーズに応えられるよう、しっかり努力していきたいと思います。

ところで、世界最大級のマイクロファイナンスのデータベースであるMIXが実施する
Social Performance Reporting Award(http://www.themix.org/press-release/recipients-2009-social-performance-reporting-award-announced)を、
サミック(CHC)が受賞されたそうですね。おめでとうございます。

(Social Perfomance Reporting Awardは社会貢献に関する情報開示・透明性が
優れているマイクロファイナンス機関(以下、MFI)を評価するものです。)


カリヤン氏:はい、カンボジアのMFIで受賞してるのは他に3機関だけですので嬉しいです。


LIP:20のうち4つとは素晴らしいですね。
カンボジアには20のMFIがあるとうかがってていますが、何か横の関係はあるのですか。


カリヤン氏:はい。

たとえば、先週カンボジアのシアヌークビルという都市で行われた
カンボジアマイクロファイナンス協会
(CMA:Cambodia Microfinance Association )(http://www.cma-network.org/
のワークショップは、MFIのトップ向けのものでした。

「健全な競争(Healthy Competition)」をテーマに、カンボジアにある全20のMFIのトップが参加しました。

この他にも、トップ向けの会合はよくあります。
トップ同士みなよく顔を知っていて、コミュニケーションをとっています。


LIP:CMAのウェブサイトも非常に充実していますし、業界として
マイクロファイナンス事業の振興に真摯に取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきます。

ある顧客が複数のMFIから融資を受ける、いわゆる「多重債務」について、日本でも
質問を受けることが多いですが、これを避けるためにはどのような取り組みをしていますか。


カリヤン氏:多重債務は顧客を苦しめるだけでなく、結果的に債務不履行につながるため、
MFIにとっても回避すべき重要な問題です。
そのため、MFI同士で協力し、融資の決定の前には、必ず近隣MFIのスタッフとの情報交換を行っています。


LIP:よそのMFIでその顧客が借りていないか、直接確認するわけですね。
MFI同士で顧客の信用情報をシェアするデータベースのようなものはあるのでしょうか。


カリヤン氏:現在、規制のもとにあるMFIと銀行の顧客の信用情報を一括で扱えるcredit bureau
(信用調査所)の創設に向けた話が出ています。すぐにはできないかもしれませんが、
数年以内には現実のものとなるのではないでしょうか。


LIP:徐々に制度の充実が進んでいるんですね。

カンボジアでのマイクロファイナンスの底上げという意味では、
今年はNGOとして活動してきたMFIが2つ、当局からライセンスを獲得したそうですね。
どんどんMFIが増えるのは、好ましいですか。


カリヤン氏:歓迎しています。

NGOの場合、税金を払わなくてよかったり、資金調達は寄付であったり、
スタッフの給与が安かったりします。
そのため、結果的に、当局の規制下にあるMFIより低い金利設定が可能になっています。

当局の規制下に置かれれば、同じ条件で公正な競争ができるようになるので歓迎です。


LIP:ところで、日本の方からは、カリヤンさん個人についても聞かれることがあります。
宜しければ、プロフィールを教えていただけますか。


カリヤン氏:高校を卒業した後、20歳で中央銀行に入行しました。1993年のことです。
今では中央銀行に就職するのは難しいのですが、当時は国が混乱していており、
人材もいなかったので、入るのは特に難しくありませんでした。

約10年間、中銀のマイクロファイナンスを担当する部署で働いていました。
具体的には、MFIからの諸々の申請・登録などの受付やアドバイスなどを行っていました。

そうした業務のなかで、CHC-NGOからCHCのマイクロファイナンス部門に手を貸して
くれないかというオファーをいただき、転職を決めました。

ですので、最初は中銀の立場で関わっていたものの、現場での取組に惹かれ、
CHCに移ったということになるかと思います。

 


(車から降りて休憩中。ココナッツ水で喉を潤すカリヤン氏。今回のインタビューは主に移動中の車の中で行いました。)

 

LIP:ありがとうございます。
最後に、サミックの今年の業績を教えていただけますか。


カリヤン氏:2009年度の業績は、昨年比で10%増にはなる見込みです。
まだ12月があるので15%ぐらい目指しています。


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メールマガジン2009年12月8日 00:00

カンボジアのマイクロファイナンス機関を訪問

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リビング.イン.ピース(LIP)メールマガジン Piece & Peace vol.29 09/12/08号

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こんにちは。メンバーの1人がカンボジアに訪れているので、
雑感を皆様にお届けします。

今回の取組は、皆さんのご支援・ご参加があって初めて成立するものです。
下記の文章にある「私」をご自分に置き換えて、お読みいただければ幸いです。

(なお、下記でご紹介している「ワールドビジネスサテライト」の放送は、
当初12月3日を予定しておりましたが、12月15日以降に延期になりました。)


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私は今、カンボジアに来ています。
12月1日付で『カンボジアONE』の出資金をカンボジアに送金し、
2日に日本を発ちました。

今回の現地訪問では、サミック(ようやくCHCから改称できたようです。
3月から「もうすぐ」と聞き続けていただけに、妙な感慨があります。)
と現状の確認と今後についての打ち合わせをするほか、次の投資候補先
マイクロファイナンス機関への現地調査が主な予定です。

実は今回、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で『カンボジアONE』
を紹介していただく企画を提案していただきました。
出資先のマイクロファイナンス機関の方や借り手の声を聞きたいということで、
12月3日に、取材チームの方が弾丸日程でカンボジアのシェムリアップまで
来ました。

私たちの投資は、現地での取り組みがあって初めて成り立つものですし、
1人でも多くの方にマイクロファイナンスについて知っていただきたいので、
現地取材をしていただけることは本当にありがたいことです。

シェムリアップ支店での撮影中、私もこのファンドの意義についてコメントを
求められました。

いつもだったら、この質問には大抵「寄付ではなく投資であること」というの
を一番に挙げるのですが、今回に限っては、ぼんやりと他のことを考えていて、
とっさにうまく言葉にできず、「すごく意義がある」という答えになってない
答えをしてしまいました。
(あまりにも間抜けなので、放送されないことを祈っています...)

その時、私は、支店でサミックのスタッフが、顧客にローンを貸し出す場面を
見ていました。これまで何度もそういうシーンは見て来たのですが、今回は
全く違った意味を持って見えていました。

ローンの一つ一つ、お札の一束一束が、日本からの一口一口に見えたんです。

それを見ながら私はドラえもんの「どこでもドア」のことを考えていました。
スタッフのすぐ後ろには、「どこでもドア」があって、日本で昨日集められた
お金は、今日ここでこうして使われるんだ、こんなことをぼんやり考えていました。
なので、とっさにうまく表現できませんでした。

私たちのファンドは「どこでもドア」で、
日本の皆さんの心のこもったお金を、
瞬時にカンボジアで必要としている人の手に届ける時空を超えた「通路」
を作ったことが意義なんだ、というのが、今回、私が現地で感じたことです。

寄付であっても投資であっても、
日本から「このために使ってほしい」という意志を持ってお金を出した人の
そのお金が、直接、その対象に届けられること、その仕組みをつくったこと、
それが私たちのファンドの意義だと思いました。
きっと「投資」であることの意義は、彼らと3年間付き合いきった後で、
カンボジアから日本へ向け、再び「どこでもドア」を使うときに実感するのでしょう。


左がローンの金額を確認するサミックのスタッフ、右側が借り手。
スタッフの椅子の背もたれの後ろに、「どこでもドア」を想像していました。

 

余談ですが、その時の顧客は3人グループの女性たちで、1人が100ドル弱ずつ
受け取っていました。それをみて、私たちが使ってるキャッチコピー
「あなたの3万円が18人にビジネス・チャンスを提供します
(一人に100ドルを半年間繰り返し貸付した場合)」は早速本当だなぁ、
と我ながら思ってしまいました。
もちろん私たちのお金はまだ使われてませんが。




無事、ローンを(文字通り)「手にした」グループローンの借り手たち。
半年後、彼女たちがローンを完済できれば、また同じように次の3人に貸し出されます。



本当は小まめに現地からの報告をお届けしたかったのですが、毎日、
飛び回っていて、なかなか時間がとれません。
今は、現地でしかできないことに集中して、また帰ってからゆっくり
振り返りながらご報告できればと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。


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