世嬉の一酒造 蔵とビールファンド ファンドニュース

被災地からのレポート2015年3月14日 14:00

四年がたち思うこと~感謝と気づき~

あれから、4年が過ぎました。

すぐに、皆様にブログでお伝えしようと思いましたが、ここ数日しずかに考えたくて、ブログの更新が止まっておりました。

申し訳ありません。

この4年を心を沈めて振り返りたいと思いつつ、3日間がすぎました。

今の気持ちを整理しましたので、ブログに掲載します。
 


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皆様に支えられた4年間。ありがとうございます。


この4年間は、あっという間にすぎたと感じると共に、つい先日の事のようにも思えます。

多くの人に支えられつつ、世嬉の一のスタッフが一体となって全力で走り続けた4年でもあります。

世嬉の一酒造は4年たっても、まだまだ蔵の補修、水道管の補修など復旧工事を行っています。

しかし、確実に復興の道にすすんできております。とてもよい状態になりつつあるとスタッフ一同実感しています。

この4年間、会社がどんどん変わりました。

そして、多くの人が関わっていただき、私たちを成長させてくれました。

・外部の世嬉の一スタッフとして支えてくれるファンドの投資やサポーターになっていただいた皆様。

・個人、法人に関わらずお取引していただいている多くのお客様。

・町おこしで一緒になって汗をかいてくれる仲間達。

・蔵の復旧のために尽力していただいている設計や建築の専門家の先生方

・本当の復興はきちんと税金を納めるまでだと、4年間でご指導いただいてくれている経営の先生方。

・震災後は自分達て立ち上がらなければということで勉強会を立ち上げた仲間達。

・そして、スタッフを支えてくれている家族の皆様。

本当に多くの方々に支えられ、私自身くじけそうになったときも前に進み、これからも進み続けられる力を頂いております。

このように前進できるのも皆様のおかげだと本当に感謝しております。


「本当にありがとうございます!」

この言葉はどのくらいお伝えしてもたりないくらいです。


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※震災時にスタッフで元気な写真を撮ろうと言って撮影した写真。



4年前のあの日、心配そうなスタッフには「大丈夫!」といいつつ、「世嬉の一がつぶれるかもしれない・・・」と常に不安の中で過ごしていました。

そんな中、皆様から励ましの言葉をいただき、心にエネルギーが常にはいってきたからここまでこれました。

世嬉の一はあの時とくらべて生まれ変わったと思います。

ただ、まだまだ理想と現実のギャップに悩まされることも多い日々でもあります。

私達の町でもまだまだ、仮設住宅にお住まいの方々も多いです。

そして、様々な問題に直面するのですが、解決できない問題がどうしてもでてきます。

世嬉の一としてスタッフの境遇をよくしたい。

私達の地域を良くしたい。

多くの支えてくれている人に恩返しがしたい。

そう思い走り出してはいるものの、まだまだ実現できておらず多く申し訳なく思います。

そして、常に

「もっとやることがある。」

「もっともっとやらなければ。」

「まだまだできる。」

と焦ってしまい、上滑りしている自分を反省することも多々あります。

この4年間、短距離の全力疾走でマラソンをしようとしている無謀な自分がいたような気がしております。



4年前の事を家族と話しをしていました。



家内とはまだまだだけど、「危機は脱したね」と笑って話します。

そして震災時の思い出話をするところまできました。

ただ、長女が話したことにドキっとしました。

「あの時、毎日ロウソクで家族みんなで一緒にご飯食べれたよね。3人で一緒に寝ていたよね。私は嬉しかった・・・」

当時2歳半だった子どもには、家族が一緒に過ごせた日々が良い記憶として残っているようです。



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(※震災時にふきのとうを採ってきて料理を手伝っていた長女)

震災時、私はスタッフとお客様を非難させ、被害を確認し、心を落ち着かせることに精一杯でした。

そんな中、身重の妻が長女と90歳のばあちゃんの手をひき、はだしで私達のところに逃げてきたのを見ました。

彼女を見た瞬間、自分が恥ずかしくなり自身に対して嫌悪感を感じてしまいます。

今でもその瞬間を思い出すと自分に対して自分を殺したい気持ちになります。

自分はなんて冷たい人間なんだろうと思います。

家族のところにいけなかった自分が嫌になります。あの時どうしたらいいのだろう・・・常に悩みます。

地震があったとき、私はお客様の安否、スタッフ、会社の被害しか考えていなかったのでは・・・

今でも自分の人間的な心が欠如しているのでは・・・

震災から2ヵ月後、次女が無事に生まれたときは本当にほっとしました。

嬉しいというより安心しました。家内に感謝しました。


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(※震災時の長女。確かに楽しそうな顔です)



3月10日、長女と次女にビーズの腕輪をもらいました。

覚えたての字で手紙ももらいました。

「おとうさん、いつもいっしょうけんめいはたらいてくれてありがとう。

おとうさんが、がんばってくれるからみなとゆみが元気にいれるよ。

みなとゆみでいっしょうけんめいつくりました。きれいだからおとうさんにあげる

だいすき。おとうさん。」

まだまだ文字になっていない手紙でしたが、私は救われました気がします。

そして、色々焦ってしまっている自分を反省しました。

家族を見ることでもっと足元を見ようと思いました。

私が今現在できることから、ちょっとだけ背伸びしてがんばろうと思いました。

復旧も復興もゴールの無いマラソンだと思い、私が次の代に手渡せるバトンを落とさずもっていこうと思います。

 

私の父から頂いた言葉、「根本・長期・全体を観て良くなる方向に判断する」これを心に入れてあらためてすすもうと思います。

皆様にはまだまだご迷惑をおかけするかもしれません。

でも、世嬉の一スタッフは皆様に感謝の念をわすれず、それを燃料にしてよりよい未来に向かって前にすすみます。

過去オール善の精神

震災の時に常に心で反復していた言葉があります。

故船井幸雄氏が常にはなされていた「過去オール善、現状肯定」という言葉です。

人間は過去を悔いてもそれを変えることができません。

変えることができるのは未来と未来を創っていく自分だけ。

現状に自分自身が満足できなくても、その現状を創ったのは、過去の自分自身。

現状を肯定的に受け入れ、未来を変えていく。

あのとき、震災の時、「かならず10年後の自分が『震災があったからここまでがんばれた』といえるような未来をつくろうと決意していました。」あれから4年、これから6年。

これからも『今』という時間を全力投球で生きていこうと思います。

焦らず足元を見て生きるということを長女から教わった四年目でした。

まだまだ、小さい企業である世嬉の一ですが、皆様これからも何卒宜しくお願いします。

本当にいつもありがとうございます。

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2011年6月に撮影した写真。今は二人は大きくなっています。

私達、世嬉の一スタッフは新しいメンバーも入ってきております。
でも震災の際に、皆様から助けられ、支えられたことは、「感謝」という社風で伝え続けて生きたいとおもいます。
投資家の皆様から見るとまだまだな会社だと思うかもしれません。
至らないところの多い会社かもしれません。
ぜひ温かい目でこれからもお付き合いいただければ幸いです。

本当にいつもありがとうございます。

世嬉の一酒造株式会社 四代目 佐藤 航 

 

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