sugi 2021年1月9日 22:00

寄付より手軽!?~「インパクト投資のエコシステム」の続き

先日、「インパクト投資のエコシステム」というタイトルで記事を書きました。自分で書いておきながら何ですが、エコシステムという言葉で、伝えたかったことが表現しきれているのか、少しもやもやしていた部分がありました。

その後、この記事は多くの方に読んでいただき、また、年末に実施したオンラインイベント「ミャンマーMJI年末大感謝祭~ウィズコロナのマイクロファイナンスとソーシャルビジネス」の中のトークセッションの中でも取り上げて頂き、皆さんからとても示唆に富むフィードバックを得ることができました。

皆さんのご意見や会話を通じて、言い足りなかったことが見えてきましたので、今日は、前回の続きとして、少し補足したいと思います。

 

|インパクト投資についてのご意見

必ずしも、私の記事へのご意見ではなく、イベントやインパクト投資に関してのご意見なのですが、「我が意を得たり」の感がありましたので、少し引用してご紹介します。まずは、投資を、資産形成だけでなく、社会に参加し、お金をよりよい社会づくりに役立てる手段と考えていらっしゃる下山俊一さんのブログからです。
 
「私が投資したお金は、誰かのビジネスの元手になり、付加価値を生み、その一部がリターンとして戻ってくると同時に、その過程で人々の生計向上や雇用創出などの社会的なインパクトを生んでいきます。投資は、投資する個人の資産を増やすためだけではなく、社会全体を豊かにすることができるお金の循環であり、かつそこには持続性があります。」

(出所:ブログ「セルフ・リライアンスという生き方」より、「MJIのミャンマーオンラインイベント(ミュージックセキュリティーズ・Living in Peace・リンクルージョン)」の記事から抜粋

続いて、ミャンマーで国際協力のお仕事に従事されている鈴木亜香里さんのブログからです。その名も「インパクト投資は、寄付よりも気軽にできる!​」というタイトルの記事で、少し長めに引用させていただきますが、できればリンク先の記事から、全文ご覧ください、
 

「以前の私は、寄付とインパクト投資が似ていると思い、比較して考えていました。でも、今回気づいたのは、「インパクト投資と比べるべきは、銀行預金、または普通の投資だ」ということです。

これまで、私はインパクト投資のことを、寄付の変形版だと捉えていました。クラウドファンディングに似ているイメージです。クラファンのリターンの代わりに、インパクト投資では分配金がもらえると思っていたのです。

この考え方だと、「最近いろんなクラファン支援してるし、寄付もいっぱいしているから、インパクト投資はやめておこうかな・・・。お財布厳しいし」となってしまいます。実際、私はそう思って、インパクト投資は1つしかしていませんでした。

しかし、インパクト投資は、投資ですからお金が返ってくるんです。社会的に良いことをするためにお金を出すので寄付と似ていますが、実は違うんですね。

投資をする方はよく「お金を働かせる」という言い方をしますよね。インパクト投資では、「私のお金さん、社会をよくするために働いておいで~」と旅をさせることができるんです。そして、ちょっとパワーアップしてお金が戻ってくる!


銀行に預金が大量にあるならば、少しインパクト投資に回すというのはぜんぜんアリ!「どこに寄付しようか、クラファン支援しようか、インパクト投資にしようか」ではなくて、「銀行に預けておくよりは、インパクト投資でもしておくか」という感覚が正しのかなと思います。」

(出所:ブログ「NGOミャンマー駐在員のハリキリノート」より、「
インパクト投資は、寄付よりも気軽にできる!​」の記事から抜粋)


こちらの記事を読んで、私は、こういうことが言いたかったのだ、と一人納得していました。
 

|なぜ、インパクト投資の認知が広がらないのか


また、下山さんも書かれていますが、オンラインセミナーの中で、認定NPO法人Living in Peace(LIP)のキョウさんが、「コロナをきっかけに寄付は盛り上がったけど、インパクト投資に対する理解は広がっていない、ビジネスを通じた課題解決を支える投資の意義がまだまだ理解されていない」ということを指摘していました。(インパクト投資の認知度が上がっていないことについては、こちらの記事をご覧ください。)

その指摘に対して、セミナー中、私はうまいコメントを返すことができず、これまで、ひとりもやもやと考えていました。なぜインパクト投資の認知や投資の拡大が、遅々として進まないのか。 

恐らく、投資に対してのハードルというのは、次のようなものではないでしょうか。
1.仕組みが複雑で難しそう
2.何に投資していいのか分からない
3.手続きが煩雑で面倒くさい(本人確認や銀行口座の登録等)
4.金銭的な負担が重そう

しかし実際には、いずれもそれほどの高いハードルはありません。上記のそれぞれについて、ご説明もできますし、前回書いたエコシステムの記事も、セキュリテのインパクト投資を理解する一助になれば、と書いたものです。ただ、今思えば、言いたいことはもっとシンプルだったのに、随分まわりくどい書き方をしてしまったし、少し難しく考えすぎていたな、と先にご紹介した出資者の方のブログ等を読んで、反省しました。

私が伝えたかったことは、セキュリテのインパクト投資は、
・1口数万円から手軽にできる。
・社会の課題解決や誰かの役に立つのが実感できる。
・(事業がうまくいけば)分配金もあるから、少ない元手でも継続的に出資が続けられる。
ということでした。

エコシステムという言葉を使いましたが、要は、
「投資」→「分配」→「再投資」
の資金循環によって、持続的可能な応援投資ができる、ということです。

例えば、この10年間で、カンボジアのファンド(1口3万円)、ベトナムのファンド(1口3万円)、ミャンマーのファンド(1口3万円)に参加したいと思った時に、もしその資金の募集が寄付であれば、総額9万円を手元に用意する必要がありますが、投資であれば、最初の3万円だけ用意できれば、その後は、分配金だけを使って次のファンド、そしてそのファンドの分配金を使って、また次のファンド、という風に、半永久的に資金を循環させることができます。

そう考えると、投資のハードルの一つである、金銭的な負担も、見方が変わるのではないでしょうか。

なお、少し脱線しますが、セキュリテで、分配金を引き出さずにそのまま次のファンドに出資することができるのは、当社では、皆さまの分配金を信託設定した口座にて分別管理を行い、「支払い留保金」という仕組みを構築しているからです(詳しくは、「セキュリテの「信託」による分別管理」の記事をご覧ください)。これも、インパクト投資を楽しんで頂くためのセキュリテならではの特長であり、工夫の一つです。

さて、この記事が2021年の最初の投稿になりますので、私の今年の抱負も書かせていただきます。
今年はインパクト投資の認知を増やし、一人でも多くの方に、実際にインパクト投資のはじめの一歩を踏み出して頂く年にできればと思います。そのために私ができることとして、インパクト投資の仕組みや魅力について、発信を続けていきたいと思います。このブログも、週に1回ペースを目標に更新してきたいと思います(できるかな。。。最初から少し不安ですが)。

ということで、最後は改めて、今おすすめのインパクト投資のファンドを一つご紹介します。
 

ミャンマー農村ラストマイル配達ファンド

本ファンドは、ミャンマーの農村部で、新たな金融と流通を創るリンクルージョン社の挑戦を応援するものです。
リンクルージョン社では、新年の第一声として、ファンド対象事業である配達サービスを利用する顧客の声をファンドニュースの記事で紹介しています。
こちらの記事を読めば、本事業の意義をよくご理解いただけると思います。

顧客の声(エモンさん/32歳)
ファンド詳細ページはこちら:

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本年の「インパクト投資始め」に、ぜひどうぞ!


(ミュージックセキュリティーズ・杉山)
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