お知らせ 途上国未電化家庭用太陽光システムファンド2018年06月

2018年6月22日 16:57

製作状況: コントローラーの設計とPAYG機能に関して

ここのところ まだ寝る間もないほどの忙しさが続き,ブログ更新が滞っていてすみません.
 
コロンビアに勝ったし,仕事の方も(まだ結構残っていますが)緊急のものは提出したので,やっと先が見えてきました.
 
SHSのEGAOですが,コントローラー以外の周辺機器は,ほぼ用意ができているのですが,システムの中心となるコントローラーで,時間を要していました.こちらもかなり目処が立ってきたので,現況をお知らせいたします.
 
コントローラーの基本性能設計は,仕様を含めて,かなり前にほぼ完成していたのですが,時間を要していたのは「PAYG機能の組み込み」でした.PAYG (Pay-As-You-Go) とは,分割払いを前払いで行うことを,ハードウェア的にサポートする機能です.ユーザーが,支払った分(たとえば一週間分)だけ使えるようにする=支払わなかったら使えないようにする機能です.
 
この技術をサービスとして提供している企業は,世界に2社ほどあります.当初,その技術を組み入れる予定でしたが,長い期間,彼らと議論した末,結局彼らの技術を組み入れることを諦めざるをえなくなってしまいました(これが時間を要してきた主因です.皆さんに交渉の内容をお話しするわけにはいかなかったので,すみません).
 
結果として,日本の技術を使って,同等性能のコア部分を開発することとしました.その詳細仕様等が固まり,ハードウェア(基板や入力装置コントロール)と,顧客データベースやアクティベーションコードを生成するソフトウェアの設計を,信頼できる日本の会社や技術者に発注したところです.支払金額に応じたアクティベーションコードをSMSでユーザーに送り,ユーザーがテンキーパッドで入力するというタイプの基本性能に集中し,できるだけコストを抑えました.
 
同時に,コントローラー筐体の設計もほぼ最終段階になり,内部基板やバッテリーなどの設置,それからデザイン面なども含めて,3Dプリンタでのテストを何度か行うことで,完成させます.
 
それができれば,すでに完成している基本性能の電子回路と,PAYG部分の回路を統合化し,組み込むことで,プロトタイプが完成します.
 

ということで,デザイナーの人や製作サイドの人と議論している最終外部デザインが決まりましたら,またお知らせいたします.
 
上の図は,現在,3Dモデルとして作成しているものです.ちょっとわかりにくくてすみません.薄く見えているテンキーパッドのある面が正面になります.くるくる動かすとよくわかるのですけどね.
 
次回は,SHSなどの未電化地域向けソーラー製品の最新情報などを,解説したいと思っています.
 
 
松尾 直樹
 
P.S.
ご存じの通り,セキュリテは製品購入型クラウドファンディングではありません.事業への投資型です.「特典」は,投資額の2割程度までと定められています.

一方で,10口から30口といった比較的大口の投資を頂いている方々もおられますし,実際にソーラーホームシステムを使ってみたい,とおっしゃる方もおられます.地震や天災の備えにもなりますし,太陽光発電による生活を体験してみたい,という声もあります.したがって,大口出資の方々むけに,EGAOのセット(いくつかモデルがあります)を,特典として差し上げるオプションを設けようと思っています.

7月中にはアナウンスをしたいと思っています.すでに出資されている方も,変更は可能ですので,ご期待下さい.
 

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2018年6月2日 05:51

気候変動問題: パリ協定のエッセンス

サポーターの方が 400人 を超え,現在 407人となりました.どうもありがとうございます.
 
ちょっといろいろ忙しくて,ブログの更新が滞っていて申し訳ありません.
 
わたしは,この 途上国での SHS 普及プロジェクトのほかに,気候変動問題の研究者でもあり(四半世紀以上 気候変動問題に携わっています.このSHS プロジェクトもそのひとつですね),そちらの仕事が非常に重たくなっていました.寝る間もない... あと二週間くらいで終わる予定で,ラストスパートです.
 
もちろんSHS のコントローラー開発の方も進めています.土曜日のきょうも打ち合わせで,もうすこし具体的なイメージができたらお知らせいたします.
 
このプロジェクトを応援いただいている方々は,途上国開発問題とともに,気候変動問題にも関心の高い方が多いのでは?と推察しています(そうですよね?).そこで,今回は「パリ協定」の話をすこしいたしましょう.そのエッセンスは何か?そしてわたしがそのために,どう考えているか?という点になります.
 
 
気候変動問題に対応するための国際的な枠組みは,「国連気候変動枠組条約 (UNFCCC)」という国際協定です.「京都議定書」もそうでしたが,「パリ協定」もその子供の国際協定です.次男坊ですね.
 
気候変動問題は,先行した成層圏オゾン層破壊問題が,

包括的な枠組条約 → 法的強制力のある議定書(モントリオール議定書)

と強化していくアプローチが成功したのを受けて,それと類似のアプローチを採りました.それが長男である京都議定書でした.
 
ただ,対象セクターが狭く,代替物質が開発され,規制が比較的容易であるこの先駆問題とは異なり,エネルギー消費に直結した気候変動問題では,そう簡単にはいきませんでした.京都議定書で先進国に対しては法的強制力の形で排出規制を課すことができたのですが,これからエネルギーを使って経済成長をしていこうとする途上国に法的強制力を持つ排出規制を拡大していくことには失敗しました(コペンハーゲン会議です).
 
それを受けて,各国が自主的に目標を設定・宣言し,それを自主的な方法で遵守するというアプローチを,次男であるパリ協定では採択しました.ただし,後退したわけではなく,

・ 1.5~2℃という具体的な気温上昇に対するゴール(産業革命前比です)が設定されました.
・ 途上国も含むすべての国が対象となっています.
・ すべての国が,5年ごとに目標を策定し,コミットしなければなりません(NDCと呼ばれます).
・ グローバルストックテイク と呼ばれる世界全体の排出目標の方向性確認が,上記の各国のNDCを合算することで 同じく 5年ごとに行われることになりました.それによって各国がより厳しい目標にコミットし対策を強化していくことが期待されています.
・ NDC目標の進捗状況などが,2年ごとに各国から報告され,それを審査するプロセスが用意されます(既存にもあるのですが強化されます). という特記すべき特徴や制度立てが用意されることになりました.
 
その他,

・ 適応策,REDDプラスという森林対策,Green Climate Fundに代表される新しい財政サポートチャンネルといった制度立てが用意されてきました.
・ MRVと呼ばれる定量化手法の重要性が認識されてきています.
・ 省庁間コーディネーション体制が強化されてきています.
・ 市場メカニズムも導入されます.

といった 一種の「進化」が,紆余曲折を経ながら,起きてきています.
 
コア部分は,
地球全体の気温ゴール設定 
← 5年ごとの グローバルな方向性のチェック 
← 各国で 5年ごと に目標(NDC)設定 
← 各国で 2年ごと に NDC目標への進捗チェック・報告
← 各国で対策を実施

というような形になります.
 
5年ごとに,グローバルに,1.5~2℃目標 にちゃんと向かっているかのチェックし,それが各国の目標強化へのプレッシャーになる... というのは,一種のPDCAサイクルのようでもありますが,実は,「目標」言い換えると「ambition」の方向性のチェックプロセスであるわけです.
 
「目標」だけが ”一人歩き” しても困るわけで,しっかり「実績」が伴わなければ,パリ協定は羊頭狗肉になってしまいます.
 
これをチェックするプロセスが,2年ごとに行われる「透明性枠組み」として用意されることになります.逆に,これが機能しなければ,ベースが揺らいでしまうことになります.
 
では,各国はどのような「報告」をすれば,各国が目標を達成し,強化していくことができるのでしょうか?そもそも,(それが審査されるとはいえ) 報告するだけで,達成できるのでしょうか?
 
この点に焦点を当て,いままでにない考え方や方法を提案したのが,わたしの論文です.日本語は,ここ にありますので,ご興味があればご覧下さい.いま,より包括的なレポートも作成していて,IGES の Flagship Report のひとつとして,ISAP という国際フォーラムでリリースされます.

基本的な考え方は,各国からの報告を 単なる報告ではなく,それを作成するプロセス自体が

・ 目標達成への進捗評価を行いやすく,理解しやすいこと;
・ 自国の国内対策を有効に進めることを促進すること;
・ 自国の目標を,定量的によりよく理解し,意味をきちんと把握できるようになること;
・ 各国の経験や教訓をシェアすること;

となることを企図します.みなさんも,なにかを文書化することが,自分の能力開発にとってとても役に立った... という経験を持ちでしょう?その効果を最大限活かそうとするものです.

そしてそれを,制度デザインとして,ルールに埋め込むという国際制度設計提案になります.
 

いま,まさにパリ協定は,その詳細ルール(運用則)を策定するプロセスにあります.今年末にポーランドで開催されるCOP 24 において,それが採択される予定になっているため,いまがんばって,世界に向けて発信しているところです.むかし CDMのときには それなりに提案が採用されたので,今回も うまく制度の中に 組み入れてもらえるといいのですが... 
 
 
 
7月 19, 20日に横浜で開催される IGES ISAP においても,議論するセッション を設けます.昨日から申し込みが開始しましたので,よろしかったら,ご参加ください.

松尾 直樹

 

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