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別腹の玉手箱を持つイメージで投資を

2021.02.08

インタビューシリーズ「私のブレンド・ファイナンス」。第2回のゲスト、尾上堅視さんは、「カネは天下の回りもの いいところで回そう」が信条。一次産品、地域、事業の中身に注目しながら、セキュリテライフを満喫してくださっています。

尾上堅視

尾上堅視さん

2005年から投資をスタート。日本株や投資信託などに投資。
その後、2010年12月より家計の総合相談センターの相談員(FP)として、個人投資家の金融リテラシー向上のため、お金と仲良くおつきあいする方法を広く伝えるため活動中。
ブログ「かえるの気長な生活日記。」


インパクト投資比率は5%

小笹:

ご自身のインパクト投資にいたるまでの遍歴を教えてください。

尾上さん:

2005年ごろ、将来の年金額が少ないと報道で知り、お金を貯めなければと思って、手元にあった雑誌をもとに、いきなりネット証券に口座を開いて日本株投資を始めました。これが、投資に関心を持つようになったきっかけです。

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その後、ひふみ投信、鎌倉投信など、投資信託について勉強していく中で、一見、風変わりに見える投資で社会貢献的な投資があることを知りました。それがセキュリテで、2014年位から投資を始めました。投資先を選別して投資するアクティブ投信の感覚で親近感を持ちました。

最初、金額は、少なかったのですが、セキュリテのファンドがクレジットカードで買えるようになってから、ちょこちょこ購入しやすくなってしまい(笑)、今では、資産の5%位がインパクト投資です。セキュリテのほかには、株式型クラウドファンディングや未公開株に投資しています。

「『すごいもの』に投資できる」インパクト投資

小笹:

インパクト投資を知った時の第一印象は?

尾上さん:

第一印象は、「『すごいもの』に投資できる」ということでした。
これから期待できるところに、他人に先駆けて投資ができるとはすごいではないか。
もしかしたら天才の事業に投資できるのではないかと、自分は天才ではないことを考えると(笑)、安いものだなあと思いましたね。自分ではいいものは作れないので、いいものを作っている企業があったら投資したいという気持ちになるわけです。

上場企業にもそういう会社はあります。しかし、セキュリテで扱っている未上場企業は、利益がまだ出ていない赤字の可能性があり、資金調達に困っているところもあるでしょう。そういうところを応援しつつ、お金が(分配金という形で)返ってくるんだったら、応援したいと思いますね。

著名投資家バフェットの「いい会社を持ち続ければいい」というような投資哲学が好きなので、そこに通じるものがあるんでしょうね。アメリカみたいに、いろいろな資金調達の方法があればいいと感じています。

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日本では、農業や畜産などのビジネスは、就農したい若者、地域を応援したい方がいるのに、銀行からおカネを借りると足元を見られてしまう。なかなか思い切った設備投資もしづらいだろうし、かわいそうだと思ってしまうのです。であれば、ファンドでファンを集めながら進めるアプローチがあるのは良い仕組みだなと感じるんですよね。

インパクト投資は、画期的だなあと思います。というのも、本来であれば、自分で投資先を目利きしないといけないですし、そもそも、接点がありませんよね。マニアックなビジネスや中小企業のサービスを利用することはあっても、お金を出資したり、貸し出ししたりすることはないですよね。そこに機会があるんだったら是非と思ったわけです。

もちろんリスクはあるんですが、「いいものだから、そんなに気にせず投資してしまおう」という、すこし軽いノリです。また、株式投資で、投資先が倒産して株価がゼロになった経験も覚悟もあるので、他の人よりも、(元本保証でない)セキュリテ投資に対する抵抗感はなかったです。

セキュリテ投資では、「一次産品、テーマ、地域」に注目

小笹:

セキュリテでは、約30ファンドに投資してきたということですが、どのようなファンドを購入していますか?

尾上さん:

購入ファンドの特徴は、オマケ(特典)も考慮して選んだ一次産品、食べ物、飲食関連。脱線しますが、セキュリテは、お酒のファンドも多いですが、お酒は飲めないので申し込みません(笑)。それから、特典関係なく、地域でひっかかるものもあります。水力発電のようなエコ的なものやマニアックなものも気になります。

もともとリスクは承知しているので、「自分の肌にあうかどうか」という軽い気持ちで買っています。儲かるかどうかや、ファンドの運用期間は気にしません。他社が扱う不動産系や貸付型のクラウドファンディングは、運用期間が短いものが多いですが、長期投資が当たり前ということは知っているので、時間がかかることは納得しています。利回りも、重視していません。セキュリテは債券投資系なので、そもそも利回りは低いと思っています。

いくつかファンドを挙げてみます。「新栄丸 次世代につなぐ岩牡蠣ファンド」は良かったですよ。償還率が約150%。5割上がって、オマケで牡蠣も沢山もらえました。まさにおいしいファンドです。
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新栄丸 次世代につなぐ岩牡蠣ファンド

地元兵庫県の「源泉かけ流し 天然温泉 蓬莱湯ファンド」。蓬莱湯は、セキュリテで知る前から行ったことがある銭湯です。身近に通っているところが、セキュリテのファンドを出していました。特典の入湯券を持って出かけました。こういうのは楽しみで一番印象に残っています。

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源泉かけ流し 天然温泉 蓬莱湯ファンド

最近ですと、和歌山県の「熊野の香り 天然の和精油ファンド」も楽しみですね。熊野の森のヒノキなどから作る天然精油、世界で売れそうですよね。熊野という地名のブランド力があるので、とても楽しみです。兵庫から和歌山に行こうとすると半日かかるところですが、地理的に不便な和歌山であっても、ファンドがあれば、地理的なハンディキャップとは関係なく、世界に発信できる可能性もあるのが楽しみです。

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熊野の香り® 熊野クロモジアロマオイル…熊野クロモジから抽出した100%天然エッセンシャルオイル
熊野の香り 天然の和精油ファンド

一方で、うまくいかなかったファンドもあります。企業が倒産してしまったり、会計期間が終わったのに、いまだに、清算が終わらないものもあります。株式と一緒で、紙くずになる危険性があると覚悟して投資をしているので、これで困ったということはありませんし、個別ファンドの成績には、注目しないようにしています。

ただ、自分のブログで都合よいことばかり書くのは、ダメなので、悪い経験をしたら、それはきちんとブログには書くようにしています。一つのファンドへの投資額上限は5万円位にして、分散投資するように意識しています。全体で考えれば、特典もありますし、プラスの経済的リターンを得ていると思いますよ。

そういえば、株式型クラウドファンディングは、エンジェル税制を使えるのがいいのです。セキュリテでもエンジェル税制を使えるものが出てくれば、いいですね。

「カネは天下の回りものだから、いいところで回そう」

小笹:

投資先が海外のものはどうでしょうか?

尾上さん:

ミュージックセキュリティーズの海外向けファンドは、最近、よく知られるようになったSDGsの先駆けですね。ペルーの「Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド」やミャンマーの「LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド2」などの新興国系に投資してきました。新興国の人たちは、私たちと同じように働いているのに所得の差があるのが残念だと思いますよね。そういうところにまっとうなお金が流れてくれればと思います。

Abacoの融資先:「Titicaca Trout」のママニ代表へのインタビュー動画
Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド

ただ、寄付まではできないんですよ。せこい人間なので(笑)、見返りを期待してしまうんです。寄付はもっと儲けてからでいいかなあと考えています。ファンドに投資をして、ビジネスとして回ってくれて、最終的におカネが自分のところに戻ってきてくれれば抵抗感が少ないです。

小笹:

お話伺っていると、尾上さんの考え方は、投資家目線ですよね。自分のお金をうまく回したいという強い意欲を持っていますよね。

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尾上さん:

「カネは天下の回りものだから、いいところで回そう」という信念は、昔から、持っています。おカネは悪いところに行ったら、悪いところに回っていくと思うんですよ。
「麻薬やドラッグにいったら、危ないお金、アングラマネーへ」と。逆に良いほうだったら、「雇用を生み、地域を豊かに」と、良い方にいくと思います。

この「カネは天下の回りもの」という言葉。昔は、無駄遣いをしたときの言い訳にしていたのですが(笑)、投資を知ってから、「カネは天下の回りもの」ってまさにその通りだなと痛感するようになりました。結局、「お金を投じる、何かを得る、余裕ができる、またリスクをとっていく」という循環、それだけだと思っているんです。「カネは天下の回りもの、いいところに回せば、世の中、どんどん良くなっていく」。そもそも、僕は日本株が好きなので、日本を応援したいという気持ちがあります。

別腹の玉手箱を持つイメージで投資を

小笹:

最後に、ファイナンシャルアドバイザーとして、お客さんに、インパクト投資の組み入れ方を聞かれたら、どのようにアドバイスしますか?

尾上さん:

資産配分の割合というのは、リスクリターンがわかるものに対して有効なのですが、セキュリテのファンド商品で、リスクリターンをはっきりさせることは難しいですね。そこで、基本のアセットアロケーションとは別腹のポートフォリオと考えたらいいのではないでしょうか。
そうすると、何パーセント持てばいいという感覚ではなくなってくると思います。そして、インパクト投資は、お金を借りてでも出資する起業家やエンジェル投資家の小口版だと考えられるようになると思います。

債券投資の一種と考えていいので、株ほどには、ボラティリティ(値動き)が高くないですが、リスクがあることは忘れて欲しくないです。また、ファンドは商品になるまでに吟味されて組成されているので、過剰に恐れる必要はありません。自分の気持ちの許せる範囲で、好きなものがあれば好きな分だけ投資をすればいいと思います。「玉手箱をもつようなイメージ」で投資ができたら、いいと思います。未来に期待しましょう。

注)
ブレンド・ファイナンスとは
一般的に、投融資に加え、寄付金・公的機関等の補助金や助成金・国際金融機関からの調達コストの低い資金も併用する資金調達の手法をいいます。当社では、個人からの共感に基づく出資やインパクト投資も組み合わせることで、社会的課題解決に貢献する事業に対して必要な資金を提供することが可能になると考えています。(ミュージックセキュリティーズ株式会社 セキュリテ事業部)

インパクト投資とは
経済的なリターンを求めるだけではなく、それぞれの地域で抱える課題や貧困や環境などの社会的な課題に対して皆様からの出資を通じて解決しようとする、経済的な価値と社会的な価値の両方を追求する新しい投資の仕組みです。


小笹俊一
インタビュアー

ミュージックセキュリティーズ株式会社 広報部 小笹俊一

1968年東京生まれ。上智大学外国語学部卒。1992年NHK(日本放送協会)入局、アナウンサーとして大分、東京で勤務。2000年ブルームバーグニュース入社。2016年よりスパークス、セゾン投信とファンド会社を経験し2020年11月に当社入社。

【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
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