百年の森を育てる - ニュース - 2010年12月

西粟倉紹介2010年12月21日 00:00

ファンドで購入した林業機械が働く現場 西粟倉訪問記3

続いて訪れたのは、森の手入れを担われている美作森林組合 西粟倉事業所。
(この写真からは分かりづらいですが、当然ながら木を基本につくられています。)


[美作森林組合 西粟倉事業所の正面入り口]

森林組合の「100年の森林事業」を担当されている方から、進捗状況をうかがいました。
森には木材価格の下落や不在地主の問題などがあり、森林組合への間伐作業の委託が減少しているため、リスクを取ることができないという課題があります。こうした課題を乗り越えるために、西粟倉では、行政と森林組合、トビムシの三者が連携し、長期の賃貸契約を結ぶことで、山主から委託される土地の集約化を図っています。下記の「団地」というのが、こうして集約された土地のことです。


[出資者たちに事業の進捗状況を説明する森林組合のご担当者]


[集約化と施業の状況]

今年から来年にかけて、地図上にあるような団地の間伐を行っていくそうです。こうした取組により、現在は、西粟倉村から供給できる木材量は、トビムシが関係する以前の2,000立方メートルから12,000立方メートルへと6倍に拡大しています。

続いて訪れたのは、事業所の向かいにある製材所です。訪れた日が土曜日だったため、工場内はとても静かでしたが、家具などをつくるための製材や製材を作成するための機具がならんでいました。ちなみに、ワリバシ工場は、この製材工場のすぐ横にできる予定です。


[西粟倉村の森で生み出された木材を加工する製材工場のなかの様子]

続いて訪れたのは、そもそもの木材を生み出す“現場”です。

現場では、森林組合の方はもちろん、「西粟倉村共有の森ファンド」で購入した高性能林業機械です。






[木を伐り、枝をそぎ落とし裸になった木を等間隔に伐るハーヴェスタ]

機械には、出資者の方からも熱いコメントをいただいております。





このように間伐した木材のうち、すべてが活用されるわけではありません。一部は、「切捨て間伐」として山に放置されてしまいます。これは、木材価格の定価に伴い、搬出のコストよりも木材価格の方が安くなってしまっているために起こってしまう減少です。

そこで、和RE箸大作戦では、これまで価値がなく切り捨てられていた小径木の間伐材をワリバシにするために、適正な価格で購入することを通じ、林業の活性化を目指します。また、ワリバシを生産するためには工場が必要となりますので、新しい雇用が生まれます。木材が売れ、雇用が生まれると村には、活力が生まれ、若い人も入ってくるようになることが期待できます。さらに、森への投資が進み、適切な管理が行われていれば、間伐が進まず成長が止まってしまっていた森に文字通り陽が差すようになり、二酸化炭素の吸収や土壌の改善など、多面的な機能の強化が進みます。

このように、ワリバシプロジェクトは、とっても素晴らしいプロジェクトなのです!

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インタビュー・メッセージ2010年12月15日 00:00

言葉が変わるということは、社会が変わったということ ワリバシカンパニー 池田取締役

近づくワリバシのターニングポイント
Q. 国産間伐材を活用したワリバシの生産・販売を行うことで、林業の活性化、森林保全の促進を目指すワリバシカンパニーを7月の終わりに立ち上げられてから、約4ヶ月が経過しました。営業の状況はどうですか。


[WAREBASHIを世界共通語にすることを目指す ワリバシカンパニー 池田 取締役]

A. 飲食店の反応は思ったよりもいい。「いけるな」という感触はあります。皆さん環境意識は高いので、興味は示してくださいます。議論になるのは、コスト。たとえば、「プラスチック箸に変えてしまったばかりなので、ちょっと待って欲しい」と言われることがあります。ただ、プラスチック箸の利用にはランニングコストもかかるし、ワリバシは森林保全に直接的に貢献できるというメリットもあるはずなので、ここをお話している。ターニングポイントが近づいてきていると感じています。

日本の森をよくするために日本の箸を使う
Q. いまプラスチック箸の利用にはランニングコストがかかるということと、ワリバシの利用が森林保全に貢献するとありました。もう少し具体的に教えていただけますか。

A. 大量の箸を必要としている外食チェーンがプラスチック箸に変えた背景には、中国産のものを大量に買い付け続けるのが、先行き不透明になってきたということがあります。もう1つは、割箸ですと調達費がかかってきてしまうことがありますね。プラスチック箸は1回買ってしまえば繰り返し使えますから。

ただ、プラスチック箸は、維持管理にコストがかかります。ちゃんと高温煮沸をしないと菌が残るとも言われています。つまり、問題ないように使うための食洗器や、ランニングコストも必要で、私たちの試算では、3円程度/日かかっています。つまり、1日のランニングコストでは、1膳を買うよりも多くかかってしまいます。私たちはワリバシを2.5円/膳で販売しようと思っていますので、経済的にも優位性があると思っています。

ワリバシカンパニーが生産・販売するワリバシは日本の森の木を使います。日本で使われている割箸の95%は中国から入ってきているものですが、これは、中国で伐られているわけではないと言われています。シベリアか東南アジアで伐った木を中国に持っていって箸になっていると。それと、箸の匂いを嗅いでもらうと分かると思うのですが、漂白剤を使っているので、「つーん」と臭いんですよ。

他方で、使われていない木が日本にはあるわけです。使われないがゆえに伐られていない木が日本にはあるんです。少しでも使われれば、木は伐られて、森に光が差して、ちゃんとCO2を吸ってくれる森になります。年間250億膳が、ほとんど中国から来ているなかで、日本の森をよくするために、日本の箸を使いましょうということですね。


[既に実施した割箸の回収プロジェクトでは手応えあり]

それと、用したワリバシは回収することを考えています。回収のために、飲食店に別途コストを負担していただくことはありません。使い終わったものを、もれなく回収させていただいて、オガコにします。カビが湧かないかと聞かれましたたが、夏の間、使用済みの国産材割箸を倉庫に1ヶ月置いておいたが、何の問題も発生しませんでした。

今後、第3者機関による検証は行っていきたいと思っていますが、まず問題ないだろうと思っています。その後、オガコにして堆肥にしていきたい。つまり、土に還るということですね。ペレット化することは、現時点でも問題ないので、すぐにできます。


間伐をしないと日本の森は死んでいくと聞いてショックを受けた
Q. 壮大な話ですね。木からワリバシを作って、飲食店が使ったものを回収し、オガコにして、堆肥(土)にするというのは!これだけの仕組みを、どのように考えられたのですか。

A. そうですね。ちょっと長いのですが、自分と割箸との関係を、ちょっとお話したいと思います。

博報堂に勤めていた2001年に「広告」という雑誌をやっていました。雑誌そのものがプロジェクトを生み出すインキュベーターになろうという考え方でした。いわゆる世の中情報的なものを一切なくして、すべてオリジナルのプロジェクトの活動報告だけでできている雑誌です。そういうなかで、アースデイマネーとか、春の小川を再生させようというプロジェクトといったものが生まれました。

雑誌は、社会を変えていくためのプロジェクトというふうに称して、「フューチャー・ソーシャル・デザイン」というコンセプトを打ち出していて--当時、どうも日本で一番最初に、「ソーシャル・デザイン」という言葉を利用したそうなのですけれども(笑)――「自分がエコをやっている」という意識は全然なかったんですね。当時、一番、興味をもっていたのは、地域通貨でした。

まったくなかったんだけど、これからプロジェクトをやっていく雑誌を立ち上げることをやってきいきますということでお披露目した号が、環境系の人たちの目にとまりました。それが、「アースデイ」というイベント、4月22日が世界的に「アースデイ」と呼ばれている日なんですね。日本でも、代々木公園でこのイベントを主催している人たちから、「この雑誌はよい」とお褒めの声をいただきました。

たまたま坂本龍一さんから――ニューヨーク在住ですけれども――ちょうど日本に行くんだと連絡があった。坂本さんが、2000年のニューヨークのアースデイを見て、非常に感銘を受けていたんですね。それで、東京のアースデイを一緒に行くことになって、いろんなものを見ているなかで、そのときの1つの主張が「日本の森を守ろう」だった。

自分が知っていたことは、せいぜいアマゾンの熱帯雨林が消えているから、森を増やさなきゃいけないという程度でした。世界的にはそうだが、日本では、伐られないといけないんですよ、間伐というものをやっていかないと、死んでしまうんですよ、というのを初めて聞いて、大変ショックを受けました

そのときに、森林のNGOをやっているある人から割箸の話をきました。たとえば、割箸というものを1つとってみても、国内の自給率は5%にも満たないと。箸は日本の文化のはずなのに、決して日本では作られていないと。ほとんど95%が中国から入ってきていると。とはいえ、当時は中国の箸は1円/膳なのに、日本のは5円/膳。

そうすると、さすがに、どんなにいい話でも、誰も見向きもしてくれないだろうと。だったら、箸袋に広告を入れてはどうかと話になった。広告主の協力によって、価格を下げるわけですね。「中国のものに比べて、少しでも競争ができる価格にできませんか、広告会社の池田さん」と、とある方から、ご相談を受けたのです。

そのとき、雑誌のコンセプトが社会変革を起こすようなプロジェクトを立ち上げることだったので、さっそくやってみましょうということで始まったのが「アドバシ」です。広告の力で、日本の森を変えていこうと。

その後、2003年から打ち水大作戦を始めました。みんなでいっせいに打ち水をして、真夏の温度を下げようという取組ですね。打ち水大作戦が、国産の木材利用に道を開いてくれました。

打ち水が単に気温を下げるというだけではなく、日本のよき文化を取り戻すものでもありたいと考えていまして、江戸情緒を引き立てるものとして、桶やひしゃくという道具を国産の木で作りました。2005年の「愛・地球博」で、大々的にやることになりました。私が桶のデザインをして、円ではなく八角形のカタチにしたことで、量産もできるようになって、今では各地の打ち水大作戦イベントの会場で利用されるようになりました。


[国産間伐材を活用した打ち水用の桶]

それで国産材の木を使うということにグッと興味をもちまして、港区から地球温暖化対策のために都心のわれわれになにができるかと問われたときに、森林整備をしてCO2吸収に貢献して、なおかつ整備の過程で出てくる間伐材を使うことが最善の策であるということを話した。最初は、なかなか理解を得られなかったのだけれども、だんだんわかってもらって、あきる野に「みなと区民の森」(※平成19年に港区はあきる野市の森を借り、整備する活動を始めた。ご参考:
http://www.city.minato.tokyo.jp/kurasi/kankyo/kangaeru/moridukuri/index.html)ができるに至った。


割箸からワリバシへ ~言葉が変わることは社会が変わること~
エコプラザでは、その区民の森の木を使った割箸を作って、配布していました。それに目をつけたのが、ワリバシカンパニーの発起人の1人である藤原孝史。2009年1月に初めてエコプラザに来られたときに、たまたま置いてあった割箸を見て、「これだ」と思ったそうです。畜産農家は、いまオガコが足らずに困っているそうです。

2008年から外材が高騰してしまって、オガコが手に入らなくなってしまったわけです。牛や豚の寝床をつくるときに、オガコをつかって、糞尿を混ぜて、いわゆる動物性堆肥を作るわけですが、難しくなっていると。昔はただ同然だったのが、3,000円/立方メートルの高値になったというのです。

だったら、お箸をくだいて、オガコにしにしたらいいじゃないかと。藤原の目の色が変わってきました。そもそも、割箸を作るところから始めたらいいんじゃないかと。

山側の事情を考えると、若い木から間伐をしていかないといけない。若くて細い木だから、切り捨てられている。「この木を何とかできれば、割箸が作れるのではないか」と、藤原は主張しました。これまで日本では背板を使って割箸を作ってきたので、細い間伐材から作られた前例はない

だったら、自分たちでやるしかないじゃないのかと。そこで、藤原が伝説の割箸の製造技師・尾崎と会った。尾崎は戦後の日本の割箸工場の多くに携わっています。一線を退いていた尾崎を、藤原が訪問した。

尾崎は「できない」と思ったが、プライドもあるので、「できない」と答えるのは嫌だからと、まずはやってみた。知り合いの吉野の工場の一角を借りてやってみたところ、できてしまった(笑)。ここから、今回のプロジェクトがスタートしたわけです。


[これまで価値がないとされ放置されてきた細い間伐材を利用した国産間伐材ワリバシ]

Q. 長かったですが、まさに、今回のプロジェクトにつながる10年間だったわけですね。では、今後、ワリバシカンパニーが活動の結果、社会がどんなふうになったらよいなと思われているか教えていただけますか。

A. ワリバシカンパニーは、各自が専門性を持ち寄って平等に会社をやっていくという意味で「ワリカン」なんですが、当然わたしには、これまでコピーライターとしてやってきたという自負もあります。ですので、言葉の文化に一石を投じていきたいと思います。

具体的には、「割箸」がはやく「ワリバシ」にならないかなとか、英語で書くときも「WAREBASHI」にならないかなと思っています。あと、「橋渡し」を「箸渡し」にしたい。「お客様の箸渡し」とかね。こう書いても、テストで○(マル)がつくようにしたいですね。

言葉が変わるということは、社会が変わったということだと思います


ラジオで聞きたいという方はこちら:

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(1/6)~ソーシャルデザインからアドバシへ~

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(2/6)~水→ 桶→木遣い→やっぱり箸~

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(3/6)~役者はそろった!~

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(4/6)~プラバシにも3円かかります。~

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(5/6)~「打水」を「打ち水」にした男~

池田正昭 「ワリバシとともに歩んではや10年」(6/6)~今はボランチ、いずれゴール前に!~

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ワリバシファンドの詳細はこちら:
https://www.securite.jp/fund/detail/149

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インタビュー・メッセージ2010年12月15日 00:00

ワリバシサポーターの声

ワリバシサポーターの皆さまから寄せられたメッセージを更新しました。
熱い気持ちの込められた声の数々・・・
ぜひ、ご一読ください。

ワリバシサポーターのメッセージ
http://warebashi.com/support/

ワリバシサポーターも引き続き募集中
https://www.securite.jp/fund/detail/149

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2010年12月15日 00:00

トビムシ竹本吉輝代表取締役が講演(2011年2月14日開催)

大和証券グループ・ミュージックセキュリティーズ共催「ソーシャルビジネスカレッジ」は、特定の社会課題の解決に焦点をあ て、かつ持続的に収益もあげていく事業「ソーシャル・ビジネス」に関する情報を発信すると同時に健全なビジネスモデルとファイナンスのあり方を議論する場 を提供し、持続可能な経済の発展の一助となることを目指して開設されました。

主に社会問題への関心が高い大学生・若手社会人を対象に、2010年 10月より2012年9月までの2年間、隔月で累計12回以上開催予定です。

なお、本講座は、大和証券グループによる、米国NPO法人コペルニク ソリューションズへの寄附プログラム(※1)の一環として、コペルニクソリューションズの日本の提携先であるミュージックセキュリティーズ株式会社との協 働で実施するものです。

※1 投資信託「ダイワ・エコ・ ファンド」の純資産の額を参考に算出された、大和証券および大和証券投資信託委託からの寄附金によって実施されるプログラム。

お申込はこちらから:
https://www.securite.jp/news/securite?a=168

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インタビュー・メッセージ2010年12月13日 00:00

ファンドへの出資は10年間の約束 出資者インタビュー

ファンドへの出資は10年間の約束
Q. 「西粟倉村共有の森ファンド2009」( http://www.tobimushi.jp/ )に参加いただいていて、現地を7回も訪れていらっしゃる亀田さんに、お話をおうかがいしたいと思います。出資をしていることで、事業者であるトビムシや、西粟倉村の人たちと、ちょっと普通とは違う関係かな、というようなところはありますか。


「共有の森ファンド2009に出資いただいており、インタビューに応じていただいた亀田さん」

A.出資者と言う立場ではありますが、トビムシや森の学校、西粟倉村と「仲間」になったという感覚でいるところが、普通の投資とは、ちょっと違うかもしれません。

最近ファンド仲間とよく話すのは、「ファンドに投資したっていうのは『10年間の約束』だよね」ということです。つまり、「10年間しっかりお付き合いしますよ」ということで、出資者である私の立場からすれば、「ちゃんと見ているよ」、「応援しているよ」というプレッシャーをかけ続ける約束なのかもしれません。トビムシや現地の方には、よく冗談で「(出資金が)返ってくるか見てますから(笑)」とは言うんですが。

とはいえ、決して上下関係という意識ではないのが面白いです。
もちろん、投資家割引をしてもらったり、希望すればツアーのアレンジをしてもらったりと、たくさん助けていただいています。それに、事業者であるトビムシからは、ちゃんとニュースレターや郵便物で報告が来るので、安心感がありますし。

私としては、面白そうというか、ぜひ実現して欲しいというプロジェクトなので投資をしたので、変な話、ファイナンシャルリターンは私にとっては、どうでもいいというか、最悪返ってこなくてもいい。返ってきたらオマケでラッキーくらいのイメージで始めました。でも、寄付したくらいの気持ちとはいえ、返ってこなかったら、たぶんがっかりするんですよ(笑)。

こういう気持ちは、出資をしていない場合とは違うのかなと思います。ただ面白いから西粟倉村へ行ったりするのとは、やはり違って、5万円でしかないですけど、本気感はあります。

自然・プロジェクト・人間が西粟倉の魅力
Q. 『10年間の約束』というのは良い言葉ですね。そういう約束のなかで、現地に7回も訪れられているわけですが、縁もゆかりもない場所に、それだけ行かれるのは、何らかの魅力が「西粟倉村」にあるのだと思うのですが、魅力はどんなところにあるのですか。

A. 私にとっての魅力は、3つほどあるように思います。1つは、"自然が美しい"ということですね。ブナの原生林や、地元の方がしっかり管理している山は美しくて、訪問するのが楽しいです。


「西粟倉の原生林を訪れているところ」

2つ目は、"林業を帰る先進的な取り組み"に感動したことです。初めて西粟倉を訪れたときに、トビムシの方から、スキーム図を見せてもらったんことにあるんですよ。

まだファンド募集が始まる前の昨年2月に、1つのパソコンを皆で囲んで「これ本当にできたら凄いよね!」ということを言い合いました。その時まだ「絵」でしかなかったものが、本当に実現するのかどうかを見たい、出来る範囲で協力したい、と強く思いました。

3つ目は、やっぱり"人との出会い、つながり"だと思います。西粟倉への熱い想いを持った地元の人たち、寝食を忘れて頑張る森の学校のスタッフや役場、森林組合、Iターンした職人さん。なかには、始めに、「西粟倉村共有の森ファンド2009」へのお金の投資をして、時間を投資して、就職をして、人生を投資してしまった私の友人もいます。皆さんすてきな方なので、「最近どうしているかなぁ」と思うと、つい会いに行ってしまいますね。


「西粟倉共有の森ファンドに出資をし、西粟倉で就職をし、人生を賭けてしまった坂田さん」

日本全国を変える可能性があるイノベーションの種を見られるのが醍醐味

Q. 面白そうなことをやっている場所には、人が人を呼ぶという連鎖が起こっていくのですね。亀田さんも「面白そうなこと」を西粟倉村や今回のファンドに見つけたので出資をされたと思うのですが、具体的には、どういうことですか。

A. トビムシや森の学校の皆さんの姿勢に共感しています。もちろん西粟倉で頑張ろう、何とか突き抜けていこう、というのを大前提とした上で、日本全体の林業、第1次産業をどうしようかというところまで考えているのが、とても興味深いです。
だから、「西粟倉村共有の森ファンド2009」に参加している醍醐味は、イノベーションの種を初期段階から見守っているところにあるのかなと思います。

日本の林業というのは、いろいろ難しい問題をたくさん抱えていそうなんですが、だれかが変えていかなくてはならないのだと、西粟倉を見ていて改めて痛感します。そのためには、様々な地域での成功事例というのがあって、それをモデルにして、どう法制度を変えていくのかとか、そういうところまで踏み込んでいくことも必要なのかもしれません。西粟倉が成功モデルとして輝いていくのが、パイオニアのあって欲しい姿ですし、これからも都会に住んではいても、「仲間」として、出来る範囲で応援していきたいと思っています。


「出資者と西粟倉の方との懇親の風景」

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西粟倉紹介2010年12月3日 00:00

よい人工林と悪い人工林の見分け方 西粟倉訪問記2

原生林の後は、人工林の見学です。

皆さんは、車の中や電車の中で時折見かける山を、じっくり見られますか。
お恥ずかしい話、ぼくは「あぁ、緑だなぁ、いいなぁ」とボケーッと見るだけで、その山が自然林なのか、人工林なのか、きちんと人の手が入っているのか、放置されているのか、そんなことは、まったく気にかけていませんでした。

でも、知識とは本当に面白いものですね。ぼくは本当にちょっとかじっただけ(というより、現物を目の前にして「こっちが手入れをされているところ」「あっちが手入れをされていないところ」と教えてもらっただけ)ですが、上記のことくらいはすぐに見分けることができるようになったと思いますし、もっともっと、いろいろなことを知りたいと思うようになりました。

では、ぼくが学んだ人工林の見分け方を、ご紹介します!
まずは、写真をご覧ください。

a.



b.



皆さんは、aとbのどちらが、きちんと手入れのされている人工林かお分かりになりますか?そうです、木と木の間隔が適度に空いて、光が差し込むよう整備をされているのaが、きちんと手入れをされている人工林です。逆にbは、木と気の間隔は狭く、光が入らないの様子がお分かりになられるかと思います。

aを管理されている方は、今は西粟倉村には住んでいらっしゃらないそうですが、今でもきちんと手入れをされ、100年以上の人工林を作られてきたそうです。

このように手入れをされた人工林では、土壌が豊かになり、洪水などを予防する働きをするほか、木の成長が進むため、二酸化炭素を吸収し酸素を吐き出すという光合成も盛んに行われるようになるため、環境問題の解決にも貢献します。

さらに言えば、このように森に手入れが入るということは、手入れをする人が必要となりますので、雇用が生まれることになります。実際、西粟倉では、100年の森構想が実行されるようになって、3年間のうちに、約60人の雇用が生まれています。60人と聞くと小さいなと思われるかもしれませんが、人口1,600人の村ですので、村の経済に及ぼす影響の大きさが感じていただけるかもしれません。

というわけで、人工林の見分け方はお分かりいただけましたでしょうか。
見分け方という特別な方法があるというよりも、少しだけ注意をもって見るかどうか、
というのがポイントですね。

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