本匿名組合契約名称 | 三陸とれたて市場ファンド | |||
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営業者 | 有限会社三陸とれたて市場 | |||
取扱者 | ミュージックセキュリティーズ株式会社 (第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1791号) | |||
出資募集最大総額(口数) | 12,500,000円(2500口) | |||
申込単位(1口あたり) | 5,000円 ※本匿名組合契約の申込には1口あたり5,000円の応援金が別途必要となります。出資金のみまたは応援金のみでのお申込はできません。 (上限口数:100口) | |||
出資金取扱手数料 | 500円 ※応援金には手数料はかかりません。 | |||
取扱者の報酬 | 出資金取扱手数料500円/口 | |||
募集受付期間 | 2011年9月16日~2012年3月31日 | |||
会計期間 | 営業開始日から10年(120ヶ月) | |||
契約期間 | 本匿名組合契約成立日から会計期間終了日 | |||
分配比率 | 会計期間開始日から36ヶ月間(無分配期間):売上金額の0.00% 無分配期間終了後から会計期間終了日まで(84ヶ月間):売上金額の2.34% | |||
予想リクープ平均月売上金額 | 6,359,381円(税込) | |||
被災前概算平均月売上金額 | 3,405,496円(税込) | |||
契約方法 | 匿名組合員になろうとする方は、書面又は取扱者のウェブサイトよりお申込みいただき、ウェブサイト上で、営業者と匿名組合契約を締結します。 なお、本契約は、出資者が出資金、出資金取扱手数料(および応援金)の払込をすること及び取扱者が出資者の本人確認をすることをもってその効力を生じます。従って、出資金、出資金取扱手数料(および応援金)が払込まれていても本人確認ができない場合には、申込がキャンセルされたと見なす場合があります。 一度成立した本匿名組合契約については、一定の場合を除き、契約の取消、中途の契約解除ができませんので、十分ご検討の上お申し込みください。 | |||
決済方法 ネット決済対応銀行でお申し込みの場合は、各銀行画面に接続し、お振込み先、お振込み金額のご入力の手間なくお申し込み頂けます。 | (1)ATM,窓口から当社指定口座へ振込 (2)ネット決済(以下の銀行に対応) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
今後の事業計画は以下の通りです。ただし、営業者は、本匿名組合事業の売上金額として、本事業計画の売上金額を保証するものではなく、匿名組合員に対し、分配金額を保証するものでもありません。
【営業者コメント】
(事業内容)
当社および当社取引先でもある漁業生産者は、この度の震災で船舶はじめ資産の多くを失い、長きにわたり職のない方々が続出しています。製氷能力の不足、大規模加工業者の復旧遅れ、冷凍設備の絶対的不足など、現場の壊滅的な被害がある中で当社は被災後1ヶ月目から鮮魚の産地直送の直接販売の再開に奔走してまいりました。
既に、仮施設での販売でも「三陸復興おまかせ便」(3,000円セット、5,000円セットの2種類)、秋刀魚の販売などで再開後4ヶ月間で約450万円の売上が上がってきています。本設備を本整備した後の初年度では、震災前までの実績にはまだ至らないとは思いますが、以下のような商品の販売を通じて、目標達成に向けて邁進してまいります。
また、少しでも魚価を上げ、付加価値を創出し、生産現場に夢を作るために、今まで漁師が各家庭で築き上げてきた料理ノウハウを商品加工に活用し、「漁師の晩酌」シリーズなど、産直型の加工品供給のビジネスモデルの実践・確立を新たに目指します。
凍結変性の起こらない最新の冷凍機器CASを導入することにより、生産現場でしか楽しめなかったその瞬間の味を、全国に発送できるこの事業は、鮮魚の品質を誰よりも大切にしてきた当社のブランドに、新たな可能性を与えてくれると確信しています。
定置網に漁師が醤油樽を持って乗り込み、獲れるイカを厳選して漬け込む「漁師の本気沖漬け」や、漁師の酒のつまみなど、今までは日常作業が忙しくて実現できなかった浜の究極を、生産者と共に商品に仕上げ、全国のお客様に魅力ある元気な三陸魚介を提供できる新事業を立ち上げ、生産現場を下支えできればと考えます。
・商品例
汐うに 漁師が生うによりも好んで食べるうに「汐うに」。飽和食塩水で〆、ウニの水気を抜いて仕上げられた「汐うに」は、ウニのうまみだけがぎっしりと濃縮された伝統的な郷土料理です。 凍結変性しやすいデリケートなウニの魅力を、やさしくCAS凍結で封じ込めてお届けする商品は、漁師さんの豪快な食べ方、「アツアツおにぎりの芯」として、贅沢にお楽しみください。 | ![]() |
煮だこ 何年にもわたり使い継がれた煮汁で炊き上げられる漁師の煮だこは、ウナギ屋のたれと同じく、継承の重みが何にも増しての魅力です。 外はぷるぷる、中はお刺身という食感にもこだわった煮だこは、タコのうまみの奥深さを教えてくれる逸品です。 浜で炊いた直後の魅力を、CAS冷凍に封じ込めてお届けいたします。 | ![]() |
匿名組合員への1口あたりの分配金額は、以下の計算式により算定いたします。
・会計計期間開始日から36ヶ月間(無分配期間):
売上金額×分配比率0.00%×1口/募集最大総口数
・無分配期間終了後から会計期間終了日まで(84ヶ月間):
売上金額×分配比率2.34%×1口/募集最大総口数
本匿名組合契約における分配金額のシミュレーションは以下のとおりです。なお、シミュレーションの目的は、本匿名組合事業の売上に応じた分配金額を予想することにあります。したがって、売上を保証するものではなく、匿名組合員に対し、分配金額を保証するものでもありません。
※1口 5,000円の出資の場合
(注1) 匿名組合員に対する出資1口あたり分配金額は、上述に記載の計算式に基づいて計算されます。
(注2) 表中の償還率は、次の算出式によって計算される全会計期間に係る1口あたり分配金額の合計額を基にした償還率であって、年率ではありません。1口5,000円の出資金に対し、1口分配金額が5,000円となる時点を償還率100%としています。
匿名組合員に対する匿名組合出資金1口あたり分配金額/5,000円
(注3) 匿名組合員への損益の分配について、利益が生じた場合は当該利益の額に対して20%の源泉税徴収が行われます。なお、利益とは出資者に対する分配金額が匿名組合出資金額を超過した場合における当該超過額をいいます。したがって、匿名組合員に対する分配が行われても、利益が生じるまでは源泉徴収は行われません。
(注4) 振込手数料は、ご指定頂きましたお振込先銀行口座によって変わります。手数料金額については以下の表をご参照ください。(金融機関によって手数料金額の変更等がある場合もございますのであらかじめご了承ください。)
お客様の振込先 銀行口座 | お振込手数料 | |
(分配金額が3万円未満) | (分配金額が3万円以上) | |
三菱東京UFJ銀行 | 315円 | 315円 |
みずほ銀行 | 315円 | 315円 |
三井住友銀行 | 210円 | 315円 |
楽天銀行 | 50円 | 50円 |
ジャパンネット銀行 | 52円 | 52円 |
その他銀行 | 315円 | 315円 |
三陸とれたて市場ファンドの締結については、以下のような留意点及びリスクがあります。
1.本匿名組合契約の性格に関する留意点
本匿名組合契約に係るすべての業務は、営業者が自ら行い又は関係機関に委託することになっており、これらにつき匿名組合員が行い、若しくは指図をすることはできません。本匿名組合事業の状況によっては、事業継続や売上の確保のため、特に、本匿名組合契約はその契約期間が10年を超え、比較的長期間に及ぶため、契約期間中において、営業者の判断の下に価格等の変更等を行う可能性があります。
2.本匿名組合契約の流動性に関する留意点
契約期間中、本匿名組合契約は解約できません。本匿名組合契約の譲渡は同契約により制限されます。本匿名組合契約を取引する市場および匿名組合員である立場を取引する市場は現時点では存在しません。
3.出資金の元本が割れるリスク
本匿名組合契約に基づく利益の分配又は匿名組合出資金の返還は、専ら営業者の本匿名組合事業による収入をその原資とし、かつ、会計期間中における営業者の売上金額を基に算定される分配金額の支払いのみをもって行われます。したがって、会計期間中の本匿名組合事業における売上によっては利益の分配が行われない可能性があり、また、分配金の支払いが行われたとしても、全会計期間をとおして匿名組合員に支払われる分配金額の合計額が当初の出資金を下回るリスクがあります。
4.営業者の信用リスク
営業者が支払不能に陥り、又は破産、会社更生、民事再生の各手続きの申立てがなされた場合などは、本匿名組合事業の利益分配、さらには匿名組合出資金の返還が行われないリスクがあります。匿名組合員が営業者に対して有する営業者支払金請求権(匿名組合出資金返還請求権および匿名組合利益分配請求権)には、何ら担保が付されていません。また、本匿名組合事業における売上金額により分配金額が発生したとしても、本匿名組合事業において多額の費用や損失が発生した場合においては、分配金額の支払いが行なわれないリスクがあります。加えて、本匿名組合事業とは別に営業者が行う事業において多額の費用や損失が発生した場合には、営業者の信用に影響を及ぼし、ひいては本匿名組合事業の遂行に悪影響が生じる可能性があります。
5.取扱者の信用リスク
本匿名組合契約において、匿名組合出資金および本匿名組合契約締結の取扱いならびに管理運営を取扱者に委託しているため、分配金額の支払いは、取扱者を経由して行われます。このため、取扱者が破綻した場合、本匿名組合事業に係る分配金額の支払いが遅滞し、又はその全部若しくは一部が行われないリスクがあります。
6.販売先の信用リスク
本匿名組合事業の製品の一部は小売店等に販売され、販売代金が小売店等に支払われます。販売から代金回収までの期間の関係で売上金額は一定期間小売店等に滞留され、その間小売店等の信用リスクにさらされます。このため、小売店等が破綻した場合、本匿名組合事業の売上が出ていても、それが営業者、ひいては匿名組合員に支払われないリスクがあります。
7.クレジットカード会社の信用リスク
本匿名組合事業の売上金額の一部は、クレジットカード会社から営業者に支払われます。支払いサイトの関係で売上金額が一定期間、クレジットカード会社に滞留され、その間、クレジットカード会社の信用リスクにさらされます。このため、クレジットカード会社が破綻した場合、本匿名組合事業の売上が出ていても、それが営業者、ひいては匿名組合員に支払われないリスクがあります。
8.経営者の不測の事態に係るリスク
本匿名組合契約の営業者については、その事業の経営陣への依存度が高く、経営陣に不測の事態(病気・事故・犯罪に巻き込まれる等)が生じることにより、本匿名組合事業に重大な影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対しまして、本匿名組合契約では各種保険等によるリスク・ヘッジを行いません。
9.営業の開始が遅れる、もしくは再開できないリスク
被災地の土地に関する行政の対応の遅れや、需要が増加することによる建築資材の調達不足により建物や加工・製造施設等の補修が遅れ、事業の開始が遅れるもしくは再開できないリスクがあります。また、被災地域においては新たな建物の建築が制限・禁止されている区域があり、建築制限の特例法の成立により、かかる建築制限が2011年11月以降まで延長される可能性があります。そのため、製造施設等の建設が遅れ、事業の開始に支障が生じるリスクがあります。加えて、本匿名組合契約に係る出資持分の総額について最低金額が設定されていないことから、出資金の総額の多寡によっては営業の開始に必要な最低限の設備費用を賄うことができず、事業計画の変更を余儀なくされる、事業の開始が遅れる又は再開できないリスクがあります。
10.地域の復興が遅れるリスク
被災前の取引先の廃業、被災地域の復興の遅れ、人口流出や国内外からの訪問者の減少、あるいは、被災地域の復興が遅れ消費が伸びず、製品の製造・販売が開始されても、売り先が確保できないリスクがあります。また、政治の混乱、政治政策の予期せぬ変更により地域の復興が遅れ、事業の再開、あるいは、継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。
11.原子力発電所によるリスク
原子力発電所における事故により空気中および海水中に放出された放射性物質により、海産物が汚染され出荷停止になる、あるいは、汚染されているのではないかという過度の懸念のために、製品が売れなくなるリスクがあります。
12.大地震・大津波等の自然災害のリスク
大きな地震や津波、台風等の自然災害が再び起こり、事業の継続が困難になるリスクがあります。また既に発生した地震・津波による損害・損失その他事業への悪影響についても、未だその把握が十分ではなく、又は客観的に顕在化していない可能性があり、これらの損害・損失その他の悪影響が現状の予測を超え、事業の継続に悪影響を及ぼすリスクがあります。
13.製品の品質が確保できないリスク
放射能や多くの瓦礫が海に流入したことによって水質および原料の生育環境が変化し、原料さらには製品そのものの品質が維持できない、あるいは製造できない状況が生じるリスクがあります。
14.暴動が起こるリスク
暴動(窃盗等を含む)が起き、事業が一時中断し営業活動ができないリスクがあります。
15.被災地で伝染病等が蔓延するリスク
被災地の生活環境や公衆衛生の悪化により、伝染病等が蔓延し、営業停止の措置がとられ、営業活動ができないリスクがあります。
16. 風評被害によるリスク
伝染病等その他の理由により、風評被害を受けるリスクがあります。
17.資金繰りが悪化するリスク
既存の借入れに対して金融機関から返済条件の変更が認められず、あるいは今後事業を継続するうえで借入れが必要となった際に追加融資が認められず、資金繰りが悪化するリスクがあります。
18.補償等を受けられないリスク
津波の被害により、立入禁止となった土地の代替地や、その他被った損害に対して、十分な補償を受けられず、その結果、事業へ悪影響が生じるリスクがあります。
19.特典の進呈を行うことのできない、又は、変更するリスク
営業者は匿名組合員に対し、特典の進呈を行うことを予定しておりますが、事情により特典の進呈を行うことができない、又は、変更するリスクがあります。
20.原材料の調達によるリスク
震災の影響により、原材料や包装資材等の調達ができない、遅れる、価格が高騰する等により、生産・製造が予定どおりに行うことができないリスクがあります。また、津波や放射能の影響による水質の変化、気候変動、あるいは漁業区画の変更によって水揚げ量が減少したり、水揚げ魚種が変動することによって、十分な原材料が調達できず、本匿名組合事業の遂行に重大な支障が生じる可能性がありあます。さらにこの影響により販売価格の値上げを余儀なくされ、売上が低迷すること、あるいは、利益率が悪化するリスクがあります。
21.嗜好品の消費が停滞するリスク
営業者が販売する製品にはいわゆる嗜好品が含まれており、これらは被災地の復興時に必ず消費が予想される生活必需品とは異なります。そのため消費者が営業者の製品を購入することを控えるなど、消費者の消費が停滞し、製品が十分に売れないリスクがあります。
22.新規事業を営むことによるリスク
水産加工品の製造および販売の一環として、CAS冷凍設備を利用して行う水産加工品の製造および販売を行うことを予定しています。CAS冷凍設備を利用して行う水産加工品の製造および販売は新たに行われるものであるため、過去の運用実績はなく、したがって、製造および販売等の運営体制の構築、本格的な量産体制の構築あるいは品質安定を図るまでに予想外の時間を要する可能性があります。また、CAS冷凍に適した材料あるいは調理方法等の検証を今後本格的に行う予定であり、商品開発に時間を要し、あるいは適切な商品開発が実現せず、本匿名組合事業の遂行に重大な支障が生じるリスクがあります。加えて、販路あるいは製品の認知度の拡大が困難である等の理由により、製品が十分に売れないリスクがあります。
23.許認可等に関するリスク
本匿名組合事業の実施にあたっては、食品衛生法をはじめとする関連法令上の許認可が必要です。営業者が既に営業許可等の許認可を得ている場合であっても、法令に定める基準に違反した等の理由により、あるいは規制の強化や変更等がなされたことにより、今後かかる許認可が取り消され、事業に重大な支障が生じるリスクがあります。
2001年、地元鮮魚店と県外出身者が協働しインターネット産直サイトを開設し、2004年には法人化し、有限会社三陸とれたて市場として新しい歴史を刻み始めました。 旬の前浜魚介にとことんこだわり、水揚げ当日全量出荷、1匹から組み合わせ自由で魚介が買えるという消費者視点で物流網をつくりあげ、漁港のライブ中継、船上ライブタイムセール、生産現場や魚市場の映像付き情報配信、魚のさばき方ストリーミング配信など、インターネットの可能性を追求しながら、産地だからこそできるサービスを展開してまいりました。 ウェブサイト:http://www.sanrikutoretate.com/ |
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希望する匿名組合員に対して、契約期間中、以下の特典を設けております。なお、特典は営業者の都合により内容が変更される場合や、特典の実施ができなくなる場合もあることをご留意ください。 |
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(1)「毛蟹の漁師料理 カニばっとう(2人前)」をご送付(送付時期については旬の時期に合わせ後日ご連絡致します。) (3口ごとに1セット)。 毛蟹の酸いも甘いも知り尽くしたカニ漁師の家庭から生まれた究極のカニ料理「カニばっとう」。贅沢にも毛蟹の出汁だけを楽しむその浜料理は、蟹出汁で練られた小麦粉のひっつみを、味噌味の蟹汁で楽しむ、究極の椀ものです。 漁師さんの家庭から出ることのできなかった究極の味が、CAS凍結技術により、全国のご家庭にお届けできることになるでしょう。 一足早くCASと浜料理の実力をお楽しみいただけるよう、3口以上の出資者を対象に、漁師料理「カニばっとう(2人前)」(3口ごとに1セット)をおすそ分けいたします。 ※上記特典の海外への発送はできません。ご了承下さい。 「毛蟹の漁師料理 カニばっとう」の調理動画 |
![]() ※イメージ写真です。 実際の特典とは異なります。 |
(2)本匿名組合事業の対象となる製品の初回出荷時に、出資者限定特別先行販売。 (3)製品の割引購入 (割引率)1-10口5% 11-50口10% 51-99口15% 100口 20% ※ファンドの会計期間が対象期間になります。 ※営業者が運営するオンラインショップご利用時のみ適用となります。 ※オンラインショップで開催する他の割引特典との併用はできません。 ※営業者の自社製品が対象となります。 (4)水揚げ体験・燻製、漁師料理などの商品加工体験イベントへのご招待。 ※渡航費・宿泊費・食費等は参加者のご負担となります。 |
【営業者】 本匿名組合の事業を行う営業者の概要は、次のとおりです。(2011年8月31日現在) ![]() 【取扱者】 本匿名組合契約の出資募集および契約締結の取扱い、本匿名組合契約の管理運営、匿名組合員へのIR業務等を委託する会社の概要は、次のとおりです。(2011年8月31日現在) ![]() |
おはようございます。三陸とれたて市場代表取締役 八木健一郎です。
あの津波から7年半の時が経過し、遅ればせながらも、ようやく数字のお話が皆様に出来る状態になりましたのでご報告いたします。
津波から5年間は、生魚とCAS凍結そして惣菜に至るまでの多様な商品の模索に終始しておりました。
CAS凍結した魚介の評価において、素材が悪いのか冷凍が悪いのか良く解らないけれど、とりあえず魚に血が回っているから使い物にならないなどと怒られた、今となっては笑い話に近い、そんな悶絶の時を漁業者・スタッフと共に歩んできました。
6年目、これからの時代を見越して、それまでの主力であった鮮魚(生)の取り扱いから撤退を決め、CAS凍結一本で市場を攻める覚悟を行いました。
取扱い魚種が多過ぎるがゆえに、対応に難儀していた製品パッケージの作成について、シンガポール、インド、韓国からなる国際デザインチームを組織し、世界に対応できる意匠や営業キット等の開発を完了し、ブランドデザインの統一を果たしました。
また、それまでは雑多にサンプル製造程度に作られてきた商品を取捨選択し、確実なニーズが予想される魚種、商品形状にて、量産に着手し順次在庫化。
販路のひとつとして今後有望だと見込めるアジア市場に対して、サンプルを担いで商談に出向きました。
7年目、これまでの水産物は、賞味期限(製品寿命)が僅か数日と言うその資源特性により、相場形成は漁獲量に半比例する事が一般的であり、品質が低かろうが量が不足すれば価格は暴騰し、どれだけ高品質の魚介を水揚げしたところで、大漁であれば魚価が大暴落する、おおよそ産業とは言えない、扱い難い資源環境にありました。
豊かな資源を持ちながらも、経済化率が極めて低いままにあった漁業産業形態を抜本的に見直すため、漁業者連携のもと、魚介の水揚げ方法からの改良に着手。活け越しや神経〆等の鮮度管理技術の導入により、海の中からの品質コントロールを実現。この様な漁獲方法から改善された魚介を原料に、産地で迅速に下処理を施し、最新の凍結技術CASを用いて個食使い切りパックに仕上げる、刺身鮮度を超長期間(約一年)担保する「サービス製品」としての魚介活用が確立いたしました。
素材資源をそのまま垂れ流してきた旧来の生産動線から、手仕事により原料を磨きあげ、利便性高く市場に供給する生産モデルの機能は、魚介が持つ不確実さを完全に解消するのみならず、原料原価の安定、在庫化実現、アニサキス等の寄生虫問題の解決、ロスやごみの発生を極限まで抑え込む、全く新しい製品(高品質下処理済魚介)として、はるか海外に向けた刺身の商用普及についても、その動きが本格化しています。
(航空コストに利益の大半を飲まれていた刺身使途鮮魚の輸送を、低コストの冷凍コンテナ輸送で実現。)
国際的にニーズが増大する「和食」マーケットに対して、漁業者、加工者、販売者が一体となり、その資源価値を極限まで磨きあげ、サービス製品として「刺身」を供給する生産動線が機能を始めたことで、バリューチェーン参画者の意識が飛躍的に高まり、世界をまたにかけたモノづくりに、産地が色めきだっています。
「The best taste everytime, Anytime.」泥臭く、前近代的に見えたこれまでの漁業が、世界に向けた超高鮮度魚介を供給する職人集団へと昇華し、土地の資源を土地の人が最大価値化する事業が実現しました。
三陸とれたて市場HP:「描きたい未来」ページ
実験フェーズは全て完了し、本格量産に完全移行を果たし、国内の飲食店、卸売り店に対しての供給が積極化するなか、海外に向けてのコンテナ便での刺身製品の供給も定型化しています。
方向性が定まるまで、予想以上の歳月を有しましたが、流水5分使い切りパック刺身製品を主軸に、年間10万パックの製造を当面の目標として、市場への浸透、普及を一気に進めていきたく計画しております。直近の目標として、年間売上高5千万円の達成を果たしたく、製造ラインのフル稼働に入りました。国内有数の問屋様、和食材輸出業者様との本格的な商談が進んでおりますので、これまで開発にあたってきた成果を、早急に経済価値へと変換する取り組みを加速していく段取りで進めております。
引き続きご指導、ご鞭撻を頂戴できますこと、スタッフ一同お願い申し上げます。
なお、震災後今日に至るまで、紳士協定として生産回復を共に行って来た三陸漁業生産組合と有限会社三陸とれたて市場は、2018年9月、弊社発行済株の17%を三陸漁業生産組合が取得する事で、関係会社として水揚げから処理加工、販売までを一気通貫で仕上げる6次産業化団体となりました事を報告いたします。
2018.10.24
有限会社三陸とれたて市場 代表取締役 八木健一郎
三陸漁業生産組合 組合長理事 熊谷善之
・市場調査・動向調査
昨年度より継続実施されている本事業成果物を、確実に市場へと結びつけるため、海外マーケットの市場性を調査分析する取り組みを行いました。
この事業の一環として海外展示会に参加し、水産物輸出の商流ならびに当社生産物の市場優位性についての評価を行いました。
現在計画されている輸出関連の事業展開について、このFOOD TAIPEI 2016への参加は大きな着眼点を与えてくれました。
和食や寿司、刺身等のブームが世界的に話題とされるなか、その原材料の調達においては、飲食店が相当に苦労され、品質の確保もままならない状況にあるのではないかと推察をしておりましたが、ブースを訪れた多くの飲食事業者からヒアリングを行った結果は想定外の物であり、鮮魚はオーダーした翌日には築地から冷蔵便で届くという、国内物流と遜色ないロジックが既に一般化していることが確認されました。
この様なことから、台湾における市場発展性について、当初、疑問視する部分がありましたが、バイヤーからの話を総括すると、意外な可能性が見えてきました。
台湾の高級和食店においては、一定水準以上の日本産原材料を使用したSASHIMI等が既に定番メニュー化されておりますが、これら刺身食材の輸送形態を調べてみると、その全てが航空便にて出荷されており、輸送料に膨大な経費を要している事が判明しました。
よって、CAS凍結魚介の海外でのアピールポイントは、「船便で刺身品質の魚介が運べる」というところにあり、輸送コストの大幅な削減が果たせることから、結果、商品単価の上昇分を十二分に吸収できる素地が整っていると判断しました。
今後、このような形での物流を確実に起こしていくために、台湾企業との代理店契約を結ぶ準備を進め、これを希望する企業の視察を受け入れたところにあります。
代理店予定事業者:崇越科技股份有限公司 http://www.topco-global.com/
・新商品・新技術・研究開発
神経〆魚介+CASによる高品質凍結魚介の品質安定化並びに量産化に向けた取組み
昨年度事業により試作検証が行われた神経〆魚介のCAS凍結商品について、本年度は本格的な量産商品の育成を目標に、優位魚種の絞り込みと、これの生産実証に着手しました。
品質を安定化させて量産化に持ち込むため、活用頻度がほとんどなかった既設の恒湿恒温庫(放射冷却型冷蔵庫)を活用し、これに水槽・濾過施設を組み込んだ低温密閉型活魚水槽を作成。水揚げ活魚を安定して活け越しする環境が整備されました。
水揚げ時に過度な興奮に晒された魚介を、この低温水槽にて一晩養生することで、原料魚介の体力回復が果たすことが可能となり、品質の向上と作業のバッファゾーン確保に目途を付けました。
この設備環境を活用して、三陸漁業生産組合が水揚げする未利用魚の代表的魚種であったケムシカジカから製品化に着手。これらを常時、高付加価値商品として完売しきるサイクルが動き始めました。
<脱血神経〆処理> <胃洗浄> <CAS凍結処理>
また、同じくかご漁で水揚げされながらもロットがまとまらず、市場出荷がほとんど行われなかったユメカサゴ等も商品化を行い、並行して量産化に向けた生産動線の検証を行いました。
これら試験により生産動線の安定化を果たせることが確認できたことから、水揚げ量がありながらも、経済的活用度が低かった魚介に着目して、量産商品への展開を目指しました。
ヒアリングや市場調査により、消費現場においては高鮮度のアナゴの流通が著しく低い状況にあり、類似商品であるウナギは、高品質のものが流通しながらも、魚種の特質上、季節性が極めて高く、通年では扱い悪い等、マーケットの隙間が発見されました。
よって、神経〆CAS凍結魚介の量産化第一弾商品にアナゴを設定し、これの生産に着手しました。
<原材料の活アナゴ> <脱血神経〆処理CAS凍結アナゴ>
脱血神経〆したアナゴをCAS凍結したこの商品は、京王プラザホテルの評価試験においてさっそく評価を頂戴し、生産した商品は、当面にわたり全量買い上げて頂ける契約を取り付けるなど、量産商品として動き始めております。
この様な実証成果を通して、処置の差異が身質に反映されやすい白身魚(血が回ったり、鮮度により身が白濁するなど表情が大きく変わる魚種)とCAS凍結との複合技が、市場競争力を確保する重要なポイントとなる可能性が示唆されるなど、今後の魚種選定に必要とされる新たな着眼点を得ることが出来ました。
上記成果を特徴的な高付加価値商品へと進展させるため、岩手県の漁業情報を精査したところ、資源量がダントツに多く、経済的活用度が著しく低い魚種に、「鱈」が君臨している事が判明したことから、これの商品化に向けた試験を実施しました。
真鱈は、岩手県沿岸地域においては刺身が定番ではありますが、鮮度劣化が極めて速く、また、凍結すると、独特の臭みが上がるなどから、消費地における使途は極めて限定されたものとなっておりました。
よって、脱血神経〆+CAS凍結により、素材優位性が見いだせるのかを試験しました。
かご漁で水揚げされた活鱈を原料に、凍結処理製品の試作を行い、著名料理人の協力のもと、外観や食味などを評価項目とした官能評価を実施しました。
この官能評価から、活締め・神経処理によりマダラ特有の「生臭さ」が「気にならない」という結果が得られました。また、通常、凍結によってより助長される「水っぽさ」は「ない/あまりない」という結果であり、これらから活締め・神経処理はマダラの品質に大きく影響することが明らかとなったことから、アナゴに続く量産化商品への発展を期待し、準備を始めているところです。
上記のような評価を得ながらも、鱈を刺身で食べる文化が特定の地域にしか存在していないことから、商品化に向けては下駄を履かせる必要性があると考えられます。
よって、日本料理の名店であり、フグ料理でも有名な「分とく山・野崎総料理長」を招聘し、改めて神経〆CAS凍結真鱈の試作品評価と、今後の販売展開に必要となるブランド化策を討議しました。
総料理長には、商品化の監修を引き受けてもらう流れが出来、また、タラ刺しを楽しむオリジナル調味料の作成も計画されるなど、商品化に大きな期待が寄せられます。
《各料理人による高品質マダラの評価》
○ 「活け締め品は野締め品に比べて、臭みもなく、水っぽさもない。見た目も透明感
があり全然違う。」
○ 「CAS凍結をかける前に水分を出すのはどうか。より水っぽさが抜け旨味が出る」
○ 「お椀用に使っても喜ばれる。用途を生に限定せずに品質の良さを謳って鍋や揚げ
物用にも使えることをプレゼンすれば、引き合いはある。」
○ 「マダラは丸魚では非常に歩留まりが良くない魚であるため、フィレの状態で欲し
い。」
○ 「活け締め・CAS凍結フィレで1,500円/kgまででの買取可能性あり」
○ 「マダラの活け締め・CAS凍結品は築地でも見ない」
○ 「『三陸マダラ』など別の呼び方をして、その品質の良さを全面に出していった方
が良い。」
・販路開拓
販路開拓においては、上記海外市場のマーケット調査から発展した代理店契約を計画する海外パートナー企業の育成や、各種商談会に積極的な参加を行い、安定した購買チャネルの開発を実施しております。
6月17日、東京都台東区にある「まるごとにっぽん(浅草)」で、三陸の水産品を取り揃えた「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」の大商談会が開催され、この時繋がったご縁がその後発展をとげ、東京・アメ横にある魚屋兼飲食店「呑める魚屋 魚草」にて、飲食提供ならびに土産物としての小売りが予定されております。
この店舗のスタッフ並びに社長が産地視察ならびに当社生産施設の視察を済ませており、ピックアップする商品を具体的に選定するなど、本格展開が期待されています。
(当該店舗は、アメ横高架橋耐震工事に伴う改装作業につき、リニューアル予定の9月までに産地視察を一通り済ませ、薄利多売型ビジネスモデルから、高付加価値商品の販売へと営業方針の大幅な転換を計画しているところにあります。)
また、これまで多様な製品を試験試作してきましたが、その成果を整理し、解りやすい意匠に統一展開させることが必要と考えられました。
よって、商品開発やブランドデザインを得意とする専門家の指導を受け、この課題を解決するための道筋を作りました。
多様に展開する商品群を、雑多にとらえられないよう、その共通特性を統一の記号へと落とし込むことで、全体としてのトーンをそろえ、視認性高い商品へと発展していくことが必要されます。
神経〆魚介を原料にしたCAS凍結商品の評価等を総合して検討した結果、下記ロゴにて全体を取りまとめていくことを予定しております。
共通ロゴとしての使用を計画する意匠
また、これらを販促物や案内等に活用できるよう、各種ひな型の制作も併せて進め、新ジャンルである本製品の普及啓蒙を促進する段取りを整えます。
販促物も共通フォーマット化して、統一感を演出する
・人材養成
CAS凍結製品の製造において、先駆的取り組みを続けている社会福祉法人きびコスモス会
コスモス作業所・有田川コスモスフーズ(和歌山県有田市)を訪問し、施設ならびに生産作業の視察、研修を実施しました。
和歌山を拠点に活動されている当該団体は、デパートや道の駅等と提携して、ヒット商品を各種生み出すなど、その活動が注目されておりますが、このような核商品を誕生させるまでの裏背景や、訴求力高い商品の傾向指導、販路紹介や売れ筋商品の作り方指導等、大変有意義な研修会を持つことが可能となりました。
<施設見学・生産ノウハウの指導> <生産物や販路の紹介・商品作りの指導>
当該団体においては、5年にもわたる営業普及活動の末に、CAS凍結生しらすの市場定着を看板商品として実現させましたが、今回の事業により、この生産ノウハウが三陸へと移植され、大船渡港水揚げのしらすを使った類似商品の生産が始まっております。
<コスモス作業所製品> <生産技術が移植された大船渡産製品>
また、品質劣化が極めて速く、さらには小さく、潰れやすい生シラスを自在に操る技術を体得したことで、この生産ノウハウを活用した関連製品の開発が進んでおります。
素材品質が高い状況にあれば、強真空を引いても身は潰れず、空気との接触がほとんど起こらない包装を実現できることが実証されたことから、長期間にわたり乾燥や冷凍焼け、変性を防ぐ多様な製品の製造が可能となりました。
生しらすの製造方法をそのまま転用して、下処理済凍結ホヤ等、プレクック50g個包装刺身製品としての本格量産が始まりました。
これらは、船便で発送可能な輸出用刺身製品への発展へと、大きな期待が寄せられております。
社屋の大規模修繕工事が動き始めてもう1ケ月。この期間の大半が、壁や屋根の撤去などの「壊す」作業に占められていましたが、骨だけにされてからは鉄骨の洗浄やペンキ塗り、腰壁作りなどで資材の運び込みが増えてきたところです。
太い柱と太い梁だけが残される中、新しい建物の施設はここにこれが出来てあそこにはあれでと、柱の間隔だけを頼りに打ち合わせをしていましたが、ここにきて鉄骨組みが一気に始まり、施設の輪郭があちらこちら確認できるようになりました。
横に組まれた鉄骨にぽこんと四角く開いているのは窓が付けられる場所。縦に開いているところはドアが付けられる場所。
この面は、手前側からおつ研の休憩室(ドア・窓)廊下の端にある給湯室の勝手口、太い柱からは事務室になる予定です。
あと54日後にはこの建物が出来上がります。本当に多くの皆様に支えられて進んでいるこのプロジェクト。8月20日に開催が決まった施設竣工式は、大きなふるまいイベントも実施予定!
応急修繕ながらも、2年以上を共に過ごしたあばら屋が骨にされ、新施設の竣工に向けて作り込みが始まっています。
ものすごい期待と嬉しさがある反面、あばら屋とは言え共に歩んできたものを失う喪失感があるのも事実です。
だからこそ、若いころの思い出にあったこんな景色を復活させ、連日みんなで工事途上の新社屋を前に、きゃっきゃしながら写真撮影を続けていたりします。
毎日の歩みは動画へと仕上げられる予定。毎日少しずつ編集も進んでいるので、ワンパターンであった撮影は、日を追うごとに動きが付け足され、今ではその時間にここにいる人全員を巻き込んでの一大写真撮影会になっていたりします。
今日は、僕の故郷から取材に来ていただいた静岡新聞の記者さん、岩手県の広報を受託する仙台の広告代理店、吉本興業の若手芸人アンダーエイジの皆様。みんなが作業の手を止めて、みんなでこの場所に集まって完成までの時を刻みます。
土間コンの打設が終わり、基礎の立ち上がりを作る型枠が組み込まれる姿を見て、ようやく工程が理解できました。
予算を肥大化させない様にと細かな工程を何度も見直し、打ち合わせを重ねた地元請負業者の「杉山組」さんが、さすがに一発で決めますと断言した勢いのとおり、かよさん番屋の土間は一気に出来上がり、立体的な輪郭が姿を現しました。
ここにバリアフリーの引き戸が付くから、牡蠣むきの作業の時には外からスムースにカゴを入れられるよ♪ 剥く場所は3人が並んで広々と使える設計だから。 ここが一服する2畳の畳敷きの小上がり。だるまストーブはここに置こうよ。
2年3か月の歳月が記憶の谷に追いやった昔の風景を思い出しながら、小さく上に向かって伸び始めたこの場所に腰を下ろし、歩き回り、空間の設計が始まっていきます。
そういえば、昔の番屋には腕時計型のでっかい掛け時計があったよね。そういえば、あんなものもあったよね。そういえば。。。
被災から1ケ月目に借り上げ、優良物件だとうそぶきながら瓦礫を1週間かけて掻き出した、建物の体をそもそもしていなかったこの施設。 海抜10mの海を臨む小高い場所にありますが、この建物の屋根を数メートル上回った津波に襲われました。
仲間の助けを受けて、応急修繕にて過ごしてきたこの2年の歳月。夏は暑く冬は寒く。雨が降れば雨漏りし、風が吹けば風が吹く。本当にコントの様な状態でした。
構造体を残してすべてが剥ぎ取られ、再び新しい命へと生まれ変わろうと進められるこの大規模修繕工事。
最新の設備に生まれ変われるようにと設計を重ねたその図面に沿って、四方八方に大きな腰壁が姿を現しています。
床は15センチ全体でかさ上げし、100坪近い建坪にはCAS冷凍機を中心としたクリーンルーム型の台所や下処理場が設置される計画です。
解体工事が本格的に進み、この2年少しずつ作り上げてきた仮設ながらの加工場設備機器類がすべて取り払われ、壁や屋根の解体作業が本格化しています。
みんながこの景色を見て、ボソッという事は決まって同じ。
何か5月のあの頃に戻ったようだね・・・。
この建物を借り受けたのは被災から1ケ月後の事。この建物も屋根より数メートルも高く波を被り水没したので、何とか構造を残した建物の中は、瓦礫とゴミが山と詰まり、これの掻き出しに10日以上も費やしたくらいでした。
被災により寸断されてしまった地域の繋がりを、炊き出しイベントで何とかみんなを誘い出し、飲み食い笑い泣きが一緒に出来る場を少しでも早く作ろうと、この景色を見ながら急ぎました。
復興食堂、5月のゴールデンウイークにここでやったっけ。遠い記憶の彼方に埋もれている思い出に、今日、再会です。
製氷冷凍荷捌き施設の竣工式を無事に終え、被災後からずっと居候していた組合が、立派な我が城に巣立っていきました。
と同時に、とれたて市場は新しい施設建築に向けて、大規模解体作業が着工となり、今度は生産組合の施設に居候させてもらう立場となってしまいました。(笑)
ここから歩いて数分の所にあるこの施設に舞台を移し、もうしばらく両者の居候関係は継続しそうです。
ミサンガが生まれ、生産組合が羽ばたいたみんなで作ったこの部屋も、その役割を静かに終えて、新しい時代に対応できる最新の加工施設として、3ヵ月後にはより一層素敵な場所に生まれ変わる予定です。
でっかい窓から海が見える部屋が欲しいと被災2ヵ月後に作ったこの部屋は、あの日からちょうど2年の今日、今度は人の手と人の意思で、再び瓦礫に変りました。
胸に詰まる思い・・・。 塩を撒きながら感謝感謝です。
陸のカッパ暮らしが2年近く続いた漁業者達も、春を前に自らの春を迎えるかのごとく海に戻っていきました。
でも、決してそれは順風満帆なものではなく、幾多もの問題を抱える危ういものでもあるのです。 魚価安、魚食離れ、漁具資材の暴騰や燃料の高騰・・・。数え上げれば凹むだけです。
だからこそ、全てを失い1から作り直すこれからの漁業の形は、これまでのあり方をただ単に元に戻す復旧であってはならないと考え、定住再生産が可能な形への舵きりをゆっくりとみんなで行っているところです。
漁業者が不便に思うこと、問題を感じるところ、効率が見込める方策などを自らの事として聞き出して、解決策を模索します。
この場所で、科学技術振興機構の研究事業が始まります。
衛星からの水温分布図、水深200mの水温変化、潮流予測や気象情報が全て船の上で確認できる。そんな漁業支援サービスの確立を目指し、実証実験がスタートします。
どこもかしこも砂利や残土が山と積まれて、さながら採石場の様になってしまった町があった場所のはずれに、この数日ニョキニョキ伸びていく白い建物が目立っていました。
天井高は危うく6メートル。50坪のサイズで建てられているのは、海チーム「三陸漁業生産組合」が整備を進める浜の生産拠点、漁具資材置き場と簡易荷裁き場なのです。
いつまでも同じ敷地にいればいいじゃん!と声を掛けていたのですが、「我が城をしっかり整備して、お客様に喜ばれる商品を作る拠点施設にしたい。」とのことで、当社から歩いて3分ほどの場所に作り始めたのです。
建物の裏側は直ぐに防潮堤。これだけの被害を受けながらも、やっぱり海の近くでなければ支障が出るのがこの仕事の常。
それでも海抜が10m弱はあるので、海抜からちょっとしかない岸壁に建てるよりかは幾分安心できる状態なのかなと。