コメの作り手が蔵元と自家栽培米を醸して造る日本酒プロジェクトニュース 2019年02月
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2019年2月26日 13:49
気になる未来酒の現在・・・。
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これまで、蔵元さんの現場写真を交えながら日本酒の製造工程を少しずつ説明して来ましたが、実際に「未来酒」はどれくらい出来上がっているのか、
クラウドファンディングのサポーターの皆さま(今まさにサポートを検討中の未来のサポーターさま)には、ここがとても気になるところだと思います。
そこで今回は日の丸醸造さんが日々管理、製造して下さっている「未来酒」の「いま」をお伝えします!!
未来酒はいま「醪(もろみ)」という段階にあり、酒母、麹、蒸し米、仕込み水が合わせられ、タンクの中にあります。
掲載した3枚目の写真の通り、元気な酵母に促され、仕込まれた醪がたくさんの気泡を放って美味しいお酒に生まれ変わろうとしています!
もう少しで日本酒という段階ですが、この発酵には3週間から1ヵ月ほどを要します。
発酵を終えたものを「しぼる」と、私たちが日頃目にする澄んだ日本酒により一層近づくのです。(完成までもう一息です!!)
現状のご報告と解説が前後してしまいましたが、前回ご説明した麹造りの後は、酒母造りとなります。
簡単に言ってしまうと、アルコール発酵を促す元気な酵母を増殖させる工程になります。
酒母造りは文字通り「酒の母」を造ることであり、今後の工程で日本酒を産み出す元を造り出す工程となるものです。
(お店やラベルで目にする「蔵付き酵母使用」というのは、この工程において蔵に住み着いた自然の酵母菌を使用している、ということですね)
次に醪(もろみ)です。出来上がった酒母に麹、蒸し米、仕込み水を合わせ、発酵させる工程です。
仕込み:酵母を増殖させ、アルコール発酵の準備をする工程 (温度を下げて酵母を増殖させる)
発酵 :仕込みをした醪の発酵をコントロールする工程 (温度を徐々に上げて酵母の活動を活性化させる)
以上の2つに分かれておりますが、後半の発酵の工程ではゆっくりと発酵させることがポイントのようです。
(温度調整を間違うと、酵母が短期間に発酵を終えてしまい、せっかくの日本酒の香味が雑なものとなってしまうそうです)
あきた酒こまちが未来酒に姿を変える工程を追っていますが、あともう少しです。あともう少しで新たな日本酒が誕生します!
今しばらくお待ちください!!
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2019年2月24日 22:50
蒸米、放冷、そして麹造りへ
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前回、精米歩合88%と精米歩合44%の比較を見て頂きました。
今回はその次の工程、蒸米と放冷、そして麹造りの工程です。(2/9~11の酒造りに参加した体験談も含みます)
さて毎日の食卓をイメージしてみてください。いつもご飯として食べているお米は「炊いて」います。
しかし日本酒製造において使うお米は「蒸して」います。この蒸す作業のことを蒸きょう(じょうきょう)と言います。
なぜ蒸すのか。それは後の麹造りの工程でご説明しますが、日本酒製造には無駄な工程が一切無いなと改めて感じます。
蒸きょうには、大型のせいろが使用されます。中華料理屋で出てくる小籠包を入れて出てくるせいろ、あれの100倍か200倍か・・。
とにかく巨大なせいろで一気に大量の酒米を蒸します。
蒸しの時間は1時間ほどですが、蒸し上がった酒米は、外はパラパラ、中はもっちりとしたお米に仕上がります。これを手に取り、捻り餅を掌で造るなどして都度状態を確かめられてから次の工程へと移ります。
巨大せいろからは麹室に向かって少しの間コンベアで酒米が流れていき、放冷という工程を経ます。
コンベアの下から風が吹いている、いや空気が吸い込まれている。そうなんです、風を当てて酒米を冷ますのではなく、酒米の熱を吸い取るイメージでコンベアから下に向かって空気が流れているのです。なるほど、風を当てると米は飛散してしまうが吸えばコンベアに張り付き、安定してコンベアの上を移動できるということなんですね。やはり見て、聞いて、体験すると一段と納得感が違います。
蒸した酒米は麹室に移動し、麹造りという工程に入ります。
先程触れた、なぜ日本酒造りでは米を蒸すのかという話に戻りますが、それはこの麹造りのための重要な準備のひとつなのです。
麹菌は米のデンプンを糖に変える働きをする微生物ですが、その為には米と麹菌を混ぜ、米の中に麹菌を入り込ませる必要があります。
事前に米を蒸して柔らかくすることで、麹菌が入り込みやすくしておくのです。(蒸すことで事前に米を殺菌するという効果もあるようです)
麹造りにおいて良い麹になるかどうか、日本酒の質を左右する非常に重要な工程になります。
(現在はデジタル化され、スマホやPCで効率的に常時管理が出来ますが、以前はその重要さゆえに蔵内に寝泊まりし、昼夜問わず麹室、麹米の温度管理をしていたそうです。)
機械化出来る所は機械化し、その分人の手で行う工程ではとことん時間と労力を注いで拘って、という日本酒製造の工夫を垣間見ました。
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2019年2月18日 18:00
日の丸醸造さんの酒蔵見学・酒造り体験に参加してきました
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秋田県横手市増田町にある日の丸醸造さんの酒蔵見学・酒造り体験に参加してきました
こんにちは。「セキュリテ」を運営しているミュージックセキュリティーズのスタッフです。
先日、現在セキュリテにて募集中のみらい共創ファーム秋田のプロジェクトで魅力あるお酒を一緒に造って下さっている、秋田県横手市増田町にある日の丸醸造さんの酒蔵見学・酒造り体験に参加してまいりました。

<日の丸醸造さん外観>
*雪の日に行ってきました。外観だけでも風情があって素敵でした。
今回の酒蔵ツアーは、実際の酒造りを見学して精米歩合の違い・搾り方の違いを理解し、更に今回のプロジェクトで造る「未来酒」の醸造工程の一部を体験できる、というものでした。
◆具体的には・・・
洗米や浸漬(米に適量の水分を吸収させる工程)の体験、蒸米のふかし上がり見学(蒸米の試食)、麹造りの見学、お酒のもろみ見学・櫂入れ体験・分析サンプルのチェック、その他蔵見学、国登録有形文化財の内蔵見学などがあり、盛沢山の酒蔵ツアーでとても貴重な体験をすることができました。
ー【酒造り見学・体験の様子のお写真をまとめました】ー

<洗米の体験>

<米を箱に移す作業>

<体験中の様子>

<蒸きょうの見学>

<麹造りの見学>

<櫂入れ体験>

<お酒のもろみ見学>

<国登録有形文化財の内蔵も見学してきました>
私自身、初の酒蔵見学&体験だったのですが、想像していたよりもずっと体力が必要な力仕事で、また、その日の作業終了後には酒造りに使う様々な道具や機械を丁寧に洗っておられ、細部にまでこだわりつくした繊細な酒造りをされているお仕事振りに感銘を受けました。
酒造りの風景を実際に見て職人さんの想いを感じ、自分でも体験することで、日本酒がより美味しく感じられた気がします。今回の体験を通して、日本酒への興味が高まりもっと知りたいと思っただけでなく、日ごろから日本酒を頂く際には今まで以上にありがたみを持って、一杯一杯、しっかりと味を愉しもうと思いました。
◆今回のプロジェクトで造る「未来酒」―違いを愉しむ4種類のお酒とは
「未来酒」は、同じ一枚の田んぼで獲れたお米(秋田酒こまち)と同じ酵母を使い、米の漢字に由来した88%とその倍の44%の2種類の精米歩合、更にそれぞれに対して2種類の搾り方での瓶詰めを施した、“違いを愉しめる4種類のお酒”となっています。
同じお米からできた4種類の製法の異なる純米酒を飲み比べ、奥深い日本酒の世界を愉しんでほしい、という想いが込められています。
<違いを愉しめる4種の「未来酒」>
● 未来酒44 S-style(精米歩合44%・微々発泡)
● 未来酒44 R-style(精米歩合44%・発泡感なし)
● 未来酒88 S-style(精米歩合88%・微々発泡)
● 未来酒88 R-style(精米歩合88%・発泡感なし)

*支援プランによって手元に届くお酒が異なりますので、ぜひプロジェクト概要ページもチェックしてみてください。
なお、未来酒は3月下旬~4月に順次発送予定となっています。出来上がりが楽しみですね。
◆プランへのお申し込みや、もっと「未来酒」について知りたい!という方は
下記プロジェクト概要ページをご覧ください。
https://www.securite.jp/project/mkfa-osake-BY2018
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2019年2月6日 00:30
未来酒オリジナル!精米歩合88%と44%、磨きの違いを見える化してみました!
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前回は酒米(酒造好適米)と食用米の違いについて触れましたが、今回は重要な醸造工程のひとつ「磨き」についてご説明します。
そもそも磨き具合を示す、精米歩合とは何か。
これは、元の玄米重量に対し精米後の白米の重量の割合を表すもの、と定義されています。
前回のニュースに記載の通り、精米とはお米の外側にある固い部分を磨いて削って、水分吸水率の高い心白部分に迫る工程になります。
つまり、お米の外側の削られる部分にある脂質やタンパク質といった、日本酒の「雑味」となる部分をどれだけ削るかという工程になりますので、
一般的に精米歩合の数値が低いほど(例えば80%より50%の方が)手間やコストが多くかかり、雑味の少ないキレイな日本酒であると言われております。
(その分磨きの工程には高い技術を要します)
では一般的に日本酒の精米歩合はどれくらいのものなのか。
日本酒では、吟醸酒で精米歩合60%以下、大吟醸酒で50%以下と定義されています。
ただし日本酒は嗜好の世界です。精米歩合の数値を低くするほど「=美味しいお酒」ではないのが日本酒の深いところです。
そこで今回の取り組みでは、精米歩合88%と44%という大きく数値の違う2つの磨きで日本酒を製造しております。
同じ蔵元さんの精米歩合の異なる日本酒を飲み比べる、ということは可能かもしれませんが、1枚の圃場で1生産者が管理・生産した酒米で、
1つの酵母により同時に造られた2つの日本酒を飲み比べるという体験は中々出来ないのではと考えています。(微発砲の有無を含めると4種です)
88%の精米歩合で造られた日本酒は、およそ90%程の精米歩合と言われる食用米と非常に数値が近いですので、お米そのものの「個性」が感じられます。
44%の精米歩合で造られた日本酒は、50%以下とされている大吟醸酒の水準からもう1段階磨きがかかっている「キレイ」なひと品となります。
果たしてどんなお酒になるのか今からとても楽しみです。
引続き未来酒完成に向け、イメージが膨らむようなニュースを発信して参りますのでご期待下さい。
上段の写真は蔵元さんから届いた、いままさに製造工程にある酒米の写真です。
これがおよそ2か月後、下段の写真のようになります。


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2019年2月4日 01:31
日本酒造りに使われる酒米(酒造好適米)と食用米の違いについて
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さて今回は、タイトルの通りですが普段食べているお米(食用米)と、お酒を造るためのお米(酒米)の違いについて簡単にご説明したいと思います。
お酒を作るためのお米はご存知の通り「酒米」と言い、農産物規格規定において醸造用玄米に区部されるお米を指し、一般的な食用米と区別されています。
正式には「酒造好適米」と呼ばれ、お酒を造るために特化したお米を言います。
特徴その① 米の粒が大きい
酒造好適米は、一般的に食べられる食用米と比べ、粒が大きいことが特徴です。
特徴その② 心白が大きくタンパク質の含有量が少ない
心白とは、お米の中心にある白色不透明の部分で、粘度が高くてお米を磨いても砕けない、お酒の醪(もろみ)に良く溶けるという性質があります。
そして、お酒を造る上では苦みや雑味の元のひとつになってしまうタンパク質の量が、食用米と比べ少なくなっています。
特徴その③ お米の表面が硬くて中身が柔らかい
表面(お米の外側)が硬くて、中身(お米の内側)が柔らかいという性質があります。
お酒を造るには、吸水性の高い性質が適しており、このお米の内側部分が吸水性に富んだ部分になります。
よって外側の固い部分を削る必要があり、その削る作業を「磨き」と言いどれだけ削り落とすかを「精米歩合」として表します。
今回は酒米の特徴についてご説明させて頂きました。
日本酒はひとつひとつ非常に繊細な工程を経て作られますが、その原料となるお米にも独特で繊細な特徴が多くあるんですね。
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