セキュリテフェスに参加して――挑戦すること、守ること
2026年9月29日

先日、東京・大手町で開催された「セキュリテフェス」に参加してきました。
当日は、私たちのコーヒーの試飲と販売をさせていただき、多くの出資者の皆さま、来場者の皆さまと直接お話しする機会をいただきました。
事前には「販売よりも、まずは試飲していただくことがメイン」と伺っていましたが、実際には想像していた以上に多くの方が商品を手に取ってくださいました。
とても印象的だったのは、皆さまがコーヒーそのものだけでなく、その背景にある「人の物語」に耳を傾けてくださったことです。
なぜ私たちがこのコーヒーを輸入しているのか。
どんな生産者と仕事をしているのか。
そして、豆乃木がこれから何を目指しているのか。
そんな話を聞いた上で商品を購入してくださる姿を見ながら、「購入することも応援のひとつ」というセキュリテならではの温かさを感じました。
改めまして、日頃から私たちの挑戦を支えてくださっている皆さまに、心より御礼申し上げます。
今回のフェスでは、キングコングの西野亮廣さんの基調講演もありました。
講演を聞きながら、そして会場の皆さまの様子を見ながら、私は「なぜ人は誰かの挑戦を応援したくなるのだろう」と考えていました。
一つ感じたのは、「挑戦している姿を見せ続けること」の大切さです。
「そんなことが本当にできるのか」と思われることにも挑戦する。
ただし、単なるイチかバチかではなく、準備し、考え、行動する。そして、その過程も発信していく。
そうした挑戦の積み重ねによって、「次は何をするのだろう」と見守ってくださる方が増え、理解者や応援してくださる方が生まれていくのかもしれません。
豆乃木も、この15年間でさまざまな挑戦をしてきました。
海外の生産者からコーヒーを直接輸入すること、生産地へ足を運ぶこと、新しい商品をつくること。そして今年は、名古屋に新しい店舗をオープンしました。

まだまだできることがある。
もっと外へ出て、人と出会い、これまで考えもしなかったことにも挑戦してみたい。
今回のセキュリテフェスへの参加を通じて、その思いはさらに強くなりました。
一方で、新しいことに挑戦するときほど、経営者として忘れてはいけないこともあります。
「私たちのコアは何なのか」ということです。
豆乃木のコアは、やはりコーヒーです。
そして何より、そのコーヒーを買い続けてくださっているお客様です。
15年間飲み続けてくださっている方、毎月のようにご注文くださる方、お店で私たちのコーヒーを使ってくださっている事業者の皆さま。
そうした方々がいて、今の豆乃木があります。
名古屋の新店舗も、私たちにとって大切な挑戦です。
新しい場所を持ったことで、これまで出会えなかった方々と出会い、フェアトレードや国際協力についてお伝えできる機会も増えました。ここから新しい仕事やつながりを生み出していきたいと考えています。
だからこそ、しっかり育てていきたい。
しかし、名古屋に力を注ぐことで浜松での仕事が疎かになったり、これまでのお客様への対応が遅れたり、コーヒーの品質が落ちたり、スタッフに過度な負担がかかったりするのであれば、それは私たちが目指す成長ではありません。
新しい事業を始めることだけが「挑戦」ではないと思っています。
何を広げるのか。
何を守るのか。
そして、必要であれば何をやめるのか。
その判断まで含めて、経営だと思っています。
挑戦の数は、これからもっと増やしていきたい。
失敗する可能性のあることにも、恐れず飛び込んでみたい。
一方で、挑戦すること自体を目的にはしない。
私たちは何のためにこの仕事をしているのか。
誰にコーヒーを届けたいのか。
誰がこれまで豆乃木を支えてくださったのか。
事業が広がり、忙しくなればなるほど、そこへ戻って確認していきたいと思います。
「挑戦する覚悟」と「守る覚悟」。
そして、必要なときには「やめる覚悟」。
そのすべてを持ちながら、皆さまから託していただいた応援を、豆乃木の次の成長につなげていきます。
セキュリテフェスで直接お声をかけてくださった皆さま、コーヒーを飲んでくださった皆さま、商品をご購入くださった皆さま、本当にありがとうございました。
そして最後に、経営と同じくらい、経営者自身の持続可能性も大事にしなければなりません。
名古屋、東京、浜松と移動を続け、「これだけ動いているのだから痩せているだろう」と久しぶりに体重計に乗ったところ、まさかの3kg増でした(笑)。
会社のコアも、自分の身体というコアも大切に。
少しペースを整えながら、また次の挑戦へ進んでいきます。
引き続き、豆乃木の歩みを見守っていただけましたら幸いです。