#11 2026年のコーヒー価格について
コーヒーの価格があがっている、というニュースをご覧になっている方もいらっしゃると思いますが、今日はコーヒーの価格について、記事を書いていこうと思います。
先月、当社が創業当時から輸入に関わり、現在も輸入を継続しているメキシコのマヤビニック生産者協同組合から2026年の輸入に向けての新しいオファー価格が届いたのですが…提示価格を見て、思わず息を飲みました!
一昨年から続く相場高騰の影響を大きく受け、これまでにないほどの価格が提示されたからです。
そもそもコーヒーの値段は、世界共通の市場(国際相場)で決まります。コーヒー豆は金や石油と同じ「商品(コモディティ)」として世界中で売買され、特にニューヨーク(アラビカ種)とロンドン(ロブスタ種)の取引所の価格が基準になります。
値段を動かす大きな理由は「需要」と「供給」です。特に影響が大きいのはブラジル産コーヒー豆です。
アメリカで消費されるコーヒーの3分の1はブラジル産ですが、昨年8月にトランプ大統領が課した「50%の輸入関税」によって市場から締め出されていました。
もしこの関税が緩和されれば、一気に供給が戻り、価格が落ち着く可能性があります。
さらに収穫量を左右する天気、台風、干ばつ、病気、戦争、輸送トラブルなどが影響します。その上、為替(円安・円高)や投資家の売買も価格を動かします。
政治・経済に疎かった私でも、世の中のニュースに敏感にならざるを得ないのは、これらすべてが「コーヒー価格」に大きく反映されるからです。
コーヒー価格の高騰が続き、依然として輸入者の立場として、複雑な局面が続きますが、当社、株式会社豆乃木はこれからも生産者と共に歩みながら、冷静に情報を見極め、みなさんに安心して、気軽に飲んでいただけるフェアトレードコーヒーを届けるための努力を続けていきます。
追伸:
2025年11月、インドネシア・スマトラ島で発生した大規模な洪水は、多くの地域で農地や道路、港湾が被害を受けました。スマトラは世界有数のコーヒー産地として知られ、特にマンデリンを中心に高品質なアラビカが輸出されています。この災害は、単なる地域の問題にとどまらず、国際的なコーヒー相場に影響を与える可能性を持っています。
すでに、スマトラ産のコーヒーの価格が高騰しはじめています。なぜならば、コーヒー市場は「供給が減るかもしれない」という不安でも価格が動くからです。
洪水による農園の損失や物流の停滞は、将来の供給量への懸念を高め、先物価格を押し上げる要因になります。しかし同時に、ブラジルやベトナムといった他の大産地が安定していれば、価格の上昇幅は限定的になることもあります。災害は生産者の生活を直撃します。
コーヒーの値段を追うとき、数字の裏にある生産者の苦労と、持続可能な調達の必要性についても考えたいものです。
