#10 インドネシアでの気づき 私たちは小さな生産者の希望になれるのか?

2025年11月23日からインドネシア・ジャワ島のバンドンというところに来ています。
今朝は朝4時にコーランで目覚めました。
これまで訪れた「ほぼムスリム」の国でのそれとも違い、ここインドネシアは約87%がイスラム教でありながら、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教など多様な宗教が共存する国。
多教徒が重なり合って生きる土地ならでは文化の奥行きと懐の広さを感じる朝でした。
残念ながら二度寝は叶わず。
そんなわけで、昨日の印象的な出来事を振り返ってみたいと思います。
■ バンドンの産地訪問、そして車中で続いたコーヒーの話
インドネシア・バンドンの産地を訪れた帰り道。
車に揺られながら、私と今回の生産地のパートナーDave さんはずっとコーヒーについて語り続けていました。
Dave さんは、生産者でもあり、
そんな彼がふと、こんな話をしてくれました。
「Aという農家(または農協)のアラビカ種を、しかも水洗式だけで1コンテナ分集めるのは、
それはつまり——
1つの農家や1つの産地の“同じ品種・同じ精製だけ”
私は思わず笑いながら答えました。
「Dave さん、それは私たちも同じだよ。1種類のコーヒーを1コンテナ分販売するのは簡単じゃない。」
事実、私たちがこれまで単一ロットをコンテナ単位で輸入し、販売できているのは、当社の看板であるメキシコ・マヤビニックだけです。
■ 多様性こそ私たちの強み
私は続けてこう話しました。
「地域も生産者もプロセスも違うコーヒーを少量ずつ扱えることこそ、私たちの強みなんです。お客様はオンラインで、1kgや5kg単位で、いろんなコーヒーを自由に選んで買ってくれています。」
私たちのお客様の多くは、個人商店の小さなロースターさんまたは個人のコーヒーラバーです。
彼らは“多様であること”を好み、私たちのオンラインショップで好きな豆を少量ずつ選んでください
すると Dave さんは、目を丸くしてこう言いました。
「え?全部オンラインで販売しているんですか?それなら、今まで輸入を諦めていた、
これまでインドネシアの現場では、200kgや300kgの生産量しかないコーヒーは“少なすぎるから”
でも、私たちのようなオンライン中心のモデルなら、その“少なすぎる 200kg”も価値に変わる。
日本であっても、大手の生豆商社は彼らのコーヒーを扱わないですし、近年コーヒー産地で勢いのある中国のバイヤーも、「マンデリン一点集中」という状況です。
■ 「君たちのビジネスモデルは本当にユニークだよ」
車の窓の外に広がるジャワ島の山々を眺めながら、Dave さんはしみじみと言いました。
「Seikoさんたちのビジネスモデルは本当にユニークです。小規模ロースターが、生産地や生産者、
彼の「ほとんどない」が本当かどうかは分かりませんが、自分たちにとっては“当たり前”のことが、外から見ると“特別”なんだと気づかされた瞬間でした。
■ 小さな生産者の未来に光を届ける存在として
Dave さんはこう続けました。
「Seikoさんたちのおかげで、小さな生産者にも希望が生まれます。」
その言葉を聞いたとき、胸が熱くなりました。小さすぎて輸出できなかったロットに、生産者の努力と誇りが詰まったコーヒーに、ちゃんと“出口”をつくること。それは、生産者にとっての希望そのもの。
■ コーヒーがつなぐ縁と、私が胸に刻んだ言葉
コーヒーを通じて人と人が出会う。
コーヒーを介して人と人がつながる。
その中心には、いつも「コーヒー」がある。
今日、Dave さんがくれた言葉。
それは、これまで私が歩いてきた道と、
「小さな生産者の希望になる。」
その夢を、Daveさんと一緒に追いかけていきたい。バンドンの車中で生まれた気づきを胸に、まずはインドネシアからの初めての輸入を実現させたいです。
こちらは早ければ2026年1月末に入港する予定です。