百年の森を育てる - ニュース -

2012年9月14日 18:30

成功には、リスクを承知で応援してくださる方々が不可欠 森の学校 牧代表 インタビュー

 

求められているのは、木の新市場の創造


Q. 林業をめぐっては2009年12月25日に国から「森林・林業再生プラン」が発表されるなど、さまざまな動きがありました。牧さん(株式会社 西粟倉・森の学校 代表取締役)は、2004年から岡山県西粟倉村で、林業の再興を通じた地域活性化に取り組んでいらっしゃいます。こうした動きを、どのように受け止めていらっしゃいますか。

 

A. 確かに、行政からは「国産材を使おう」という呼びかけはありました。ただ現状では、供給サイドの活性化が中心となってしまっている部分が少なからずあります。供給は増えたけれども、必ずしも消費は増えなかったために、値崩れが起こってしまっているということも散見されます。特に、一部の原木市場の値崩れは激しく、一部では大変なことになってしまっています。

 

トビムシや、その子会社であり、村で廃校となった小学校をオフィスとしている「森の学校」は、単に木材を販売するだけではなく、加工した商品を販売することで、たくさんのお客様と森をつないでいこうという挑戦を行っていくために生まれた会社です。幸いなことに、商品のラインナップも少しずつ増やすことができ、「間伐材の横型名刺入れ」や「ユカハリ・タイル」などのヒット商品も生まれたこともあり、西粟倉は、他地域と比べるとまだいい方かなと思います。

 

 

 

試行錯誤から生まれたユカハリ・タイル


Q. 今回のファンド名は「ユカハリファンド」としており、「ユカハリ・タイル」が一つのキーワードになるかと思います。ただ、正直なところ、「ユカハリ・タイルって何?」というのが疑問としてわいてきます。ユカハリ・タイル(無垢の床)が商品化された経緯を教えていただけませんか。

 

A. 当初は、私たちも、住宅の建材などに間伐材を使ってもらえないかということで、建築会社の方に西粟倉に来ていただいて、西粟倉の木材やモデルハウスを見ていただくことを積極的に行っていました。


ただ、木を使った既存の市場に参入するとなると、どこか他企業の商品のシェアを奪おうということになってしまうんですね。そうすると、現在の日本では、木材市場の状況が変わって値段が上がる要素がないので、価格競争の激化を招くことに陥りがちです。こうしたなかで、住宅の建材として販売する戦略も、残念ながらなかなかうまくいきませんでした。


改めて考え直すと、日本には山がたくさんあって余っていますから、山が余らないような出口作りをしようと思うと、今までになかった木の市場を開拓することが重要であることに気がついたわけです。ユカハリ・タイルは、まさにそういうコンセプトから生まれた商品です。

 

 

 

 

オフィスの床は宝の山


Q.ユカハリ・タイルの反響はいかがですか。


A. ユカハリ・タイルは、まず一般のご家庭の方に使っていただけるのではないかという考えのもとに始まった事業です、これまでは、マンションを購入されたり、家を建てられたりするときにしか、木の空間に住めないということがありました。でも「既存の企業は、木の家に住みたいと考えていらっしゃる方に、本当に商品を提案してきたのか」と考えたときに、「不十分だったのではないか」と思いました。


そこで、私たちは、賃貸のアパートなどに住まわれている方や分譲マンションや戸建ての家にお住まいの方でも、自分で家のリノベーションなどを行うことに積極的な方たちに、現在の床に貼っていただくだけで簡単に無垢の床にしていただける「ユカハリ・タイル」を商品化しました。クギや接着剤を不要にし、引っ越すときには一緒に持っていけるようにもしました。もちろん、間伐材の板をそのまま利用、無塗装だから、木の香りが部屋中に広がります。


おかげ様で、直販のほか、リノベーションなどを提案されている企業でもお取り扱いをしていただき、毎月、150万円程度の売り上げをコンスタントに上げることができるようになってきました。東京の方を中心に性別は様々ですが、30代の方を中心にご購入いただいています。


生産のノウハウも溜まってきて、「土足のオフィスビルでも使ってもらえる」という商品の開発もできました。無垢の木のぬくもりや安らぎを求めて、2ヶ月に1回程度、大口での発注もいただくようになりました。
 

個人向けも広げていく余地はまだありますが、新しい木の市場をつくり、一定以上の規模にしていこうと考えたときに、一番、可能性があるマーケットというのがオフィスビルやマンションの床ではないかと考えています。


壁や机なども考えられるかもしれません。しかし、壁では消防法などの関係で簡単ではありません。また、机などは既に市場があります。ただ、日本のオフィスの床を考えたときに、タイルやカーペットが一般的です。フローリングなども、あまりありません。そこで、ユカハリ・タイルに変えていくかということが、私たちにとっての挑戦です。

 

 

 

増産体制を整備し、地域の活性化に


Q. 今回の「ユカハリファンド」の資金使途は、主として木材の購入費を予定しています。具体的なユカハリ・タイルの販路などは見えているのでしょうか。


A. 現在の設備ですと、おおよそ100枚/日(50cm×50cm)のユカハリ・タイルを生産することができます。個人向けのユカハリ・タイルだけですと、対応できないことはありませんが、今後、オフィス向けの受注が増えてくることを考えると、現在の機械では対応することが難しい状況です。そこで、木材をカットする機械やカットした木材を結合させる機械を導入し、生産効率を上げることを考えています。実際、昨年末には、商品在庫が十分になかったことで、約300万円ほどの案件を失注してしまいました。


オフィス向けの受注については、2012年4月27日に「港区公共建築物等における協定木材利用推進方針を策定( http://www.city.minato.tokyo.jp/chikyuondanka/mokuzaihoushin.html )」しました。具体的には、公共建築物においては、床面積1平方メートル当たり0.005立方メートル以上という木材の利用量の目標を定めています。利用量の目標は、若干、変わりますが、公共建築物のみならず、民間の建物でも、目標が定められています。


現時点では、港区での動きに、他地域の行政が追随するかどうかは分かりません。ただ、少なくとも、港区では、新しい木の市場が今年から生まれるわけです。ビル1棟は、だいたい10万平方メートルと言われていますから、たとえば、このビルの10%が共用部分として、床を木にすることにすると、1万平方メートル。1万平方メートルですと、ユカハリ・タイル40,000枚ですので、当初の目標を達成できることになります。港区では、これから30棟ほどのビルの新築あるいは改修の予定があるようです。


まだ確定した受注はありませんが、東京を中心にオフィス家具などを販売する企業とも連携し、営業体制も構築しました。西粟倉でよいものを生産し、東京などの大都市圏での営業を積極的に行い受注する。そして、西粟倉で生産の拡大をするために、余っている木の活用や地元や都市の人の雇用を通じて、地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。

 


リスクを理解していただいた上で、投資をしてくださる方は大切な支援者


Q. 最後に投資を検討されている方に何かございましたら、お願いできますか。


A. 森の学校は、新しいの木の市場を開拓することで、苦しい状況に追い込まれている山村と林業を再生させていこうとしています。林業や木材の業界に詳しい人たちからは、「そんなチャレンジがうまく行く訳ない。やめとけ」とよく言われます。確かに、とても難しいチャレンジだと思います。でも、なんとか成功させなければならないチャレンジですから、諦めずにやり続けたい。そのためには資金が必要なので、出資という方法を通じて応援をお願いしたいと考え、このファンドを立ち上げることにしました。


森の学校は、2011年度の決算では売上1億円を達成し、創業以来、売上は拡大を続けています。一方で、工場の経費や人件費などの固定費を回収できる売上はまだ達成できておらず、創業以来、3期連続での赤字決算です。投資が先行している状況で、資金繰りも決して楽ではありません。このように、森の学校は、まだまだ経営が不安定なベンチャー企業です。ですから、このファンドに出資いただく方のリスクは小さくありません。しかし、森の学校のチャレンジが持続し、そして成功していくためには、リスクを承知で出資者となり、応援してくださる方々の存在が不可欠です。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

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ユカハリファンドの詳細・お申込はこちら:

http://www.musicsecurities.com/communityfund/details.php?st=a&fid=332

 

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