- セキュリテ
プロフェッショナルインタビュー File 001
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- 神亀酒造
小川原 良征 - 取材日: 2009年3月7日(土)
場所: 神亀酒造

- 神亀酒造
他の酒類のカテゴリーを見渡すと一極集中してしまっている。
ビールにしても、焼酎にしても。そうすると、流通・卸が必然、大きなメーカーを見てしまう。
日本酒はそれに引っ張られてしまう。流通の担当者も日本酒を知らない酒蔵は、
小規模の酒販店を残していくことへの努力、協力も同時にしていかないといけない。
そうしないと、日本の食文化がどんどん衰退していってしまう。
この間、流通大手が日本酒に賞味期限はないのか、と問い合わせてきた。
日本酒は醸造酒だから賞味期限がない、と説明した。ワインも醸造酒で賞味期限がないので一緒。
ただそうやって説明しても理解してくれない。
結局、そんな理解がない流通でうちの商品を扱って欲しくないので、取引をやめてしまった。
大手の流通レベルでもそうだから、商品知識がなさ過ぎる。
日本の知性がお金に価値観を求め過ぎている。
マネーゲーム的なものをよしとする政治家がでてくると、ものづくりはおいてかれてしまう。
でも、ものづくりがしっかりできていかないと、社会は回っていかない。
これだけ人がいなくて、ものがあふれていたら、買う気を起こすものをつくらないとだめ。
そのためには、よっぽど技術を磨いて、工夫をしていかないと生き残れなくなる。
だから、逆にこれからいいものが出てくる可能性があると思っている。
ちゃんと知識を持って説明すれば売れるものだと思っている。
呉服なども同じで、生地のよしあしを見極めるプロがいないと、買い手がいなくなってしまう。
売るプロフェッショナルも必要だし、つくるプロフェッショナルも必要。
また、それを手にした人が「いいものを大事に使う」という習慣づけをもう一度し直すことも大事。
そうすれば、またものづくりに関して、世界で1番や2番の国になれると思う。まだ根っこは残っている。
これがなくなったらもうだめになってしまう。
いま、ベルトコンベアに乗ったような人生はいやだという若者が出てきているから、
救いがあると思う。20年前は、酒蔵で働きたいと思うような人はほとんどいなかった。
うちには少し来ていたけど、本当に周りにはいなかった。
個人商店にはたくさんいる。個人商店はそれでないと生きられないので、人が育つ。
かつて売るプロを育てていたのは西武百貨店。各ジャンルで一流のプロを育てていた。
有楽町には酒類と酒つまみ専門の「蔵」というお店があり、本当に一流の人材を育てていた。
でもそのお店も今ではない。その人材は各店に散らばせればいいのに、外にバラバラにいなくなってしまった。
小売店向けの勉強会のようなものもやりたいと思っている。
個人商店でも店頭試飲をさせる酒屋はたくさんあった。
いい店だとして繁栄すると、大きくして、人を新たに雇うが、社員教育が追い付かなくて、ダメになってしまう。
もし価格を上げられるのであれば、できれば流通に回したい。 そうすれば、流通も良くなる。今の酒販系流通にはなかなかいい人材が少ない。 25年前、百貨店と一緒に「粗利30%を目指しましょう」の掛け声で、価格を全面改訂し25%にした。 神亀の場合、税込で3,000円を超えない範囲に上代を設定している。
ワインと比べたら安いですよねワインの方が原価は安いのに、ワインの方が高い。そう考えると、日本酒は確かに安い。
その上でいいお米のためにお金をかけていくのは大変。
でも、セールスマンがいなくても売れるのはありがたい。ものづくりには専念できる。
それと、飲食店の掛け率が高すぎる。普通食材の場合、加工の手間もかかるしロスも発生するから、
仕入れ値の3倍くらいの値段というのは妥当なのだろうが、お酒もそれでやってしまうと注文できないような値段になってしまう。
お酒の場合、加工もしないしロスも発生しにくいわけだから、せめて2.5倍くらいでやってくれたらいいと思うが。
レストランのワインは良心的。倍にはなっていない。
焼酎の文化も深い。
大工場で作った焼酎と手をかけて造った焼酎では味が全然違うし、
飲んだ後も違う。心ある焼酎は南国のお酒としてすごくいいものだと思う。
日本酒と同じ麹を使って昔は焼酎は作っていた。その後に焼酎専用の麹が出来て、南国でもできるようになって、広がった。
日本酒みたいに物量を時間で処理しなくてもよい。日本酒は短時間のうちに処理する必要があるので人手もいる。
そういう意味で、焼酎はゆっくりとした仕事。その分、人手が少なくて済むので、技術の伝承が難しいという面があるのだと思う。
家内工業だと、なかなか世代をまたいで人が働くことにならないので、伝承が起こりにくい。
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